どんな未来が待っているかは分かりませんが、変わらないものもあるのです。~思い出は永遠の宝物~
淡い水色の花が咲くたび、あなたのことを思い出す。
かつて、婚約者に切り捨てられ心折れたわたしは、この世界で生きていくことを諦めたいくらいの気分になっていた。
でもそんな時にあなたに出会って。
特別なことなんてなかったけれど、ただ真っ直ぐに向き合って、話を聞いてくれた――そんなあなたに凄く救われた。
それから少しして、わたしはあなたに想いを告げて。
やがて結ばれる未来へと歩み出した。
でも……想いが通じ合った数日後、あなたはいなくなってしまった。
わたしの前から。
いいえ。
この世界そのものから。
最後にあなたと見たのが、この淡い水色の花だった。
あれが最後の思い出になってしまうなんて思わなかった。
けれどあの時間はとても幸せで愛おしいだった。
もう二度と取り戻せないものだけれど、でも、あの時間は確かに存在していたもの。
失われた時間、だとしても、わたしにとってはいつまでも大切な宝物だ。
この先のことなんて分からない。
何かが変わるのか変わらないのか。
心がどんな風に移ろいゆくのか。
でも、一つだけ、絶対に揺らぐことのない確かなことはある。
――淡い水色の花が咲くたび、あなたのことを思い出す。
それだけは、変わらない。
◆終わり◆




