普通に朝の挨拶を交わしていたのですが、まさかの……?〜彼は勝手に滅んだようです〜
「おはよう、ローズマリー」
「あ、おはようございます」
その日も婚約者ダストとなんてことのない普通の挨拶を交わしたのだが。
「あのさ、婚約だけど、破棄することにしたから」
突如そんなことを告げられてしまった。
「え……」
思わず漏れる声。
何とも言えない心が声に色として滲む。
「ローズマリーくらいの女の子なら他にもいくらでもいるし」
「どうしてそんなこと」
「事実だろ? ……じゃ、そういうことだから、さよなら」
運命の女神は残酷だ。
幸せなまま終わらせてはくれない。
「追いかけてきたりするなよ。絶対に。少しでもそんなことしたら牢屋送りにしてやるからな」
心ない言葉を投げつけられ、私たち二人の関係は終わってしまったのだった。
◆
突然の婚約破棄から三年。
私ローズマリーは、広大な土地を持つ青年と結婚した。
彼は常に寄り添ってくれる優しさを持った人。
だからこそ、共にいて楽しいし、こちらとしても彼のために生きていきたいと迷いなく思える。
一方、ダストはというと。
あの後少しして、飲み屋で知り合った怪しい女性にはめられかなりの額のお金を失うこととなってしまったようで、生きることに絶望し自ら命を絶ったようである。
彼の未来に希望の虹はかからなかった。
◆終わり◆




