79/116
とある魔法使いの娘の呟き 079
王の『魔王妃』という言葉に、膝を付いていた大方の人たちが肩を震わせる。
『魔王妃』…ここでは、敢えて説明を省きましょうか。その語呂と彼らの反応からお婆様がどのような存在であるかは容易に想像できるでしょうが…
「どうせ、邪魔だから追い出されたんじゃろ」
「「…」」
場の空気なんてお構いなしの統龍様のツッコミが、またもや場の空気を凍らせる。
「お婆様!」
放っておくとまた話が進みそうにないので語尾を強くして、お婆様を呼ぶ。
王様や高官の方々を無視するような形になってしまうが、このままでは父の解術が一向に進まない。
不敬となってしまいますが、ここは見逃していただけると嬉しいのです。
「…ふう、そうね。義息子がこのままというのは、かわいそうね」
そう言うと私の抱く小さな父の頬を優しく撫でる。




