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とある魔法使いの娘の呟き 005
私が幸運だったのは、その分野のスペシャリストである両親がすぐそばに居たこと。
当時、世界中を巡っていた両親は、私の将来を考え、父の故郷であるこの王国に帰ってきたばかりでした。
当然、その病のことは知らず、何も対策をしていなかった私が発症してしまった。
その時の二人の行動は、迅速の一言。
瞬く間に病を解析し、魔法薬を作り上げると私の病を治し、父の恩師である現学院長の協力を得て薬を国内問わず、この病に悩む各国に配られることとなったそうです。
この行動が被害を小さくしたとも、大陸の西北端にあるこの王国の名を大陸中に知らしめたとも言われ、王国の国史にも史実として乗っています。
ただし、これだけでは終わりませんでした。
その薬に致命的な問題が浮上しました。