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とある魔法使いの娘の呟き 038

 一向に目覚める気配のないボロ雑巾な皇子を、彼の従者が連れ去っていく。


 一方、王女様は、少し顔が赤い。まあ、マジマジと見てましたものね。ナニをとは言いたくもないが…


「さて、どうやら父の薬を食べたのは間違いないようね」


 あの砕けた魔法陣は、以前父が王女様を白鳥に変えた時と同じ魔法陣。そして、父の研究室に保管していた“変身キャンディー”が行方不明になっていたことを考えれば、帝国の皇子が盗んだか盗ませたか、あるいは盗まれたものを手に入れたかで間違いなさそうだ。


 にしても、キスと聞いた瞬間に飛びかかってくるとは、女の唇を何だと思っているのやら。ましてや狙いは、王女。もう少し痛めつけても…


 とはいえ、国際問題になることは、間違いないでしょうねぇ。そう考えながら、父の方を見ると目が合い、静かに頷いたきた。


「さて、王女様。陛下とお話がしたいのですが、お取り次ぎをお願いしてもよろしいでしょうか」


 私と父は、王女に向かい深々と膝をつくのでした。


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