07
サグアとイパスルは、モンスターに出会う事もなく道を歩き続けていた。
何もなさすぎる。
相変わらず、ケイコウゴケの薄明かり。
黙々と歩き続けた。
さっきハンターに会った場所から、かなり歩いた気がする。
サグアは、ふと前から足音が近づいてくるのに気づいた。
イパスルに目配せし、立ち止まる。
耳をすますと複数の足音が確認できた。
モンスターか?
しかし、姿を現したのは意外な人物だった。
「イパスル!サグア!」
向こうから声をかけられる。
「ルンミイ…さん?」
イパスルが不審そうにたずねる。
ルンミイの後ろには、シュウドと見知らぬ女性が立っていた。
「やーね!しばらく会わない間に、アタシの顔わすれたの?!」
ルンミイが茶化すように言う。
「そ、そうゆうわけじゃ…。あ、そちらはどなたですか?」
「この娘はスキュラ。さっきあっちで色々あって一緒になったんだ」
「スキュラです」
スキュラは頭を下げた。
イパスルとサグアも自己紹介をする。
なんだろう?
なんだか違和感が拭えない。
何かが気になる。
しかし、ルンミイはルンミイだし、シュウドもシュウドにしか見えない。
「さて、それじゃあ先に進みますか!」
ルンミイが元気よく言った。
少し進むと、目の前に一匹のゴブリンリーダーが立ちはだかった。
「グルルル…」
威嚇するような唸り声をあげている。
「グォォォォォォォォ!」
ゴブリンリーダーは大きく吠えるとルンミイに向かって行く。
「はっ!」
ルンミイは鼻で笑うとゴブリンリーダーの腹に蹴りを入れ、間髪いれずに頭を蹴り飛ばした。
地面に転がるゴブリンリーダー。
その喉を踏み抜いてとどめを刺した。
違う。
やっぱり違う。
こんな戦い方。
ルンミイじゃ…ない!
サグアは、口の中で呪文を唱えると掌をルンミイに向けた。
衝撃波をうけ、ルンミイが壁に叩きつけられる。
さらに魔法を重ねた。
ルンミイが炎に包まれる。
「!!!!サグアさん!?」
イパスルが驚いて声をあげる。
「サグア…ナニスルノ…?」
ルンミイが苦痛に顔を歪ませる。
「仲間に化けるには、性格面が勉強不足だったな」
ルンミイの外見が崩れていく。
同時に、シュウドとスキュラの外見も崩れていった。
ルンミイだったものは似ても似つかない老人に、シュウドとだったものはグールに姿を変えた。
老人は腕をふり、自身を包む炎をかき消す。
「ワシらの正体を見破るとは。褒めてやろう。魔法士」
老人は不敵に笑う。
「イパスル。奴らは一筋縄ではいかなそうだぞ」
「ルンミイさん達に化けるなんて…許せません」
二人は改めて、戦闘体制に入った。




