1 : 乙女ゲームの背後霊
転生した私が最初に気づいたのは、自分の体が透けていること。
そして、目の前の少女が乙女ゲームの主人公であることでした。
主人公の名前はフローラ。
肩まで伸びた白金の髪に青紫の瞳の愛らしい少女です。
フローラが聖女の力に目覚めたのと同時に私は転生しました。
中背礼子という平凡なアラサーの転生。
それも主人公ではなく、その背後霊になるとは思いもよりませんでした。
しかも、この乙女ゲームに背後霊なんて存在しません。
最初、フローラは自分しか見えない私をお化けだと怖がりましたが、話しているうちにその恐怖は薄れていったようです。
「レーコ。私、パパとママを生き返らせたい。できる?」
十四歳とは思えないほどに幼い見目のフローラの揺れる瞳に見上げられ、私はつい言ってしまったのです。
『できます。聖女の力なら』
と。
ゲームの展開を知っている私はそれが無理なことをもうわかっているのに、です。
なればこそ、私はフローラがこのゲームをクリアできるように全力を尽くすのです。
聖女の持つ浄化の力で私が消される日が来たときに、胸を張って死ぬために。
読んでいただきありがとうございます!
前作はおかげさまで毎日更新のまま完結まで走ることができました。
今作では毎日更新に加えて、文章の推敲もしていきたいです。
楽しんでいただけると幸いです。
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