クリステル=アディール 28
採集場所の辺りには、ポプリを作った花がたくさん咲いていた。
前世で見たことのあるレモンや柿などの果物が
いろんな木に、実をつけていた。
ここから、毒になるようなものがないか
魔法によって調べるらしい。
ダスト様とメレイカ様が、呪文を唱え出すと
2人の体から、青白い光が輝き出す。
その光は、周りの植物達にあたりパチンと
輝いて消えていく…
あるひとつの植物に当たると、
光は消えずに光を保ったままだった。
「これは…」
葉っぱの周りはギザギザで、鋭い刃のようなかたちだった。
白の花の中には、青虫みたいなニョロニョロの毛虫がついていた。
「そいつには、さわらない方がいいと思うよ?」
一緒についてきたパックが、口をだした。
その花をもう一度みると、毛虫は花の中でじゅわ~と溶け出していた。
「鑑定魔法で、光が消えなかったろ?つまりその葉っぱと花には毒があるってことだよ。いや~優秀な魔法だね。」
ダスト様は、パックの言葉に頷きながら
レモンや柿などは素手で触り、
毒がある花は、ピンセットみたいなもので採集している。
「土も汚れていないのに、なんでこの中のひとつだけが毒の花が咲くんだろう…」
周りを見渡しても、その一輪だけしか見当たらない。
他は綺麗な花や、瑞々しい果実が生っている。
どの花も枯れてもいないし、腐った果実もない。
「もしかして、植物の毒素みたいなものが、この一輪の花に集約されているのかしら…」
一言口にした言葉にダスト様は、
閃いたみたいでメモを取り始めた。
「その仮説が正しいのなら、どのくらいの感覚で毒素が集まってしまうのか、資料を集めないと…」
メレイカ様は、そんなダスト様に、苦笑いして、
採集したレモンを私に手渡した。
齧ってみると、あまり酸っぱくはなく、
甘味がましたグレープフルーツのような味でおいしかった。
「少し、一休みしましょう。」
メレイカ様と2人で、近くの木の下にもたれて座った。
2人きりだと思うと少し緊張した。
いただいた資料で、ある特定の資料の内容は他のよりも
明らかに異質であった。
「この国の魔法についての資料は、メレイカ様がいれてくださったんですか?少し、ダスト様とは筆跡が違っていたので…あの話は本当なんでしょうか?」
メレイカ様は、ふふっと微笑んだ。
「私の研究を少し混ぜたんですよ。クリステル様なら気がつくかなって。」




