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エメラルダの卵  作者: 佐藤 綾
33/74

クリステル=アディール 28

採集場所の辺りには、ポプリを作った花がたくさん咲いていた。

前世で見たことのあるレモンや柿などの果物が

いろんな木に、実をつけていた。


ここから、毒になるようなものがないか

魔法によって調べるらしい。


ダスト様とメレイカ様が、呪文を唱え出すと

2人の体から、青白い光が輝き出す。

その光は、周りの植物達にあたりパチンと

輝いて消えていく…


あるひとつの植物に当たると、

光は消えずに光を保ったままだった。


「これは…」

葉っぱの周りはギザギザで、鋭い刃のようなかたちだった。

白の花の中には、青虫みたいなニョロニョロの毛虫がついていた。


「そいつには、さわらない方がいいと思うよ?」

一緒についてきたパックが、口をだした。

その花をもう一度みると、毛虫は花の中でじゅわ~と溶け出していた。


「鑑定魔法で、光が消えなかったろ?つまりその葉っぱと花には毒があるってことだよ。いや~優秀な魔法だね。」


ダスト様は、パックの言葉に頷きながら

レモンや柿などは素手で触り、

毒がある花は、ピンセットみたいなもので採集している。


「土も汚れていないのに、なんでこの中のひとつだけが毒の花が咲くんだろう…」


周りを見渡しても、その一輪だけしか見当たらない。

他は綺麗な花や、瑞々しい果実が生っている。

どの花も枯れてもいないし、腐った果実もない。


「もしかして、植物の毒素みたいなものが、この一輪の花に集約されているのかしら…」

一言口にした言葉にダスト様は、

閃いたみたいでメモを取り始めた。


「その仮説が正しいのなら、どのくらいの感覚で毒素が集まってしまうのか、資料を集めないと…」

メレイカ様は、そんなダスト様に、苦笑いして、

採集したレモンを私に手渡した。

齧ってみると、あまり酸っぱくはなく、

甘味がましたグレープフルーツのような味でおいしかった。

「少し、一休みしましょう。」


メレイカ様と2人で、近くの木の下にもたれて座った。

2人きりだと思うと少し緊張した。


いただいた資料で、ある特定の資料の内容は他のよりも

明らかに異質であった。


「この国の魔法についての資料は、メレイカ様がいれてくださったんですか?少し、ダスト様とは筆跡が違っていたので…あの話は本当なんでしょうか?」


メレイカ様は、ふふっと微笑んだ。


「私の研究を少し混ぜたんですよ。クリステル様なら気がつくかなって。」


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