↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エメラルダの卵  作者: 佐藤 綾
31/74

クリステル=アディール 26

「右に1体、左に2、その後ろから4だ。」

ライアー先輩の支持に従って、

私は必死に結界箱を作って、蜂を取り囲む。


隣を見ると、先輩はサイレントベアの爪先を剣で防いでいた。

辺りには、するどい剣の音が響いている。


「サイレントベアは、普段はおとなしい熊だけど、縄張りに入ると豹変するんだよねぇ。よりによって蜂をつかう熊とはねぇ。ふたりともがんばってー!」

パックの応援声も聞いてられないほどに、

私は結界箱に集中していた。


サイレントベアは、魔法で仲間を召喚することができる。

この熊の場合、仲間は、蜂だ。

熊に蜂って安易だ…っと思いつつ

私はいくつもの結界箱で蜂を閉じ込めて、

蜂がサイレントベアに、加勢しないように阻止している。


先輩は、結界で閉じ込めた蜂を炎の魔法で焼きつつ

サイレントベアの相手をしている。


「熊の魔力切れまで、耐えろ!魔力がきれたら、蜂を召喚しなくなるからその時がチャンスだ!」

ぎりぎりの攻撃を、紙一重で先輩は避けている。


「そろそろだな・・」

だいぶ召喚が落ち着いてきた頃、

そろそろ、魔力切れかしらと思った瞬間…

サイレントベアからさっきよりもするどい咆哮が、あがった。

その瞬間に、先輩はサイレントベアを真っ二つに切り倒した。


「嘘でしょう…」

私は、熊が倒れたのを喜ぶ暇もなく、呆然とした。

サイレントベアの死骸から、100匹ちかい蜂が一斉に現れた。

急いで、結界箱を用意するが間に合わない。


ど、どうすれば…!!

その時、先輩が走ってこちらに向かってきた。


「クリス!お前ならできる。やれるだけやれ!あとは俺にまかせろ。」

そう言って、私の目の前を守るように先輩は盾のように炎を張り巡らした。


炎に囲まれた私は、集中して次々に結界箱を蜂にぶつけ、捕まえ、倒した。


私が倒しきれない蜂を

魔法と剣で次次に振り払う。

やっとすべて倒せた時は、二人共服がボロボロの状態だった。


先輩と目を合わせると、ひどい格好だなって二人で笑った。

「クリス、お前なかなかやるな。」

「無我夢中でした。先輩も本当に強いんですね。」


私は、鞄の中から着替えを取り出す。

「服がボロボロなので、着替えてもいいですか?」

蜂に突かれた服は、切り刻まれて素肌がみえていた。

そう言うと、先輩は顔を赤くした。

「ばかやろう、結婚もしていない女性が男の前で普通着替えないだろ。」

そう言って、魔法を唱えだした。

先輩の手が光を放つと、私の洋服がどんどん修復されていった。

「生活魔法の一種だ。これで、少しは大丈夫だろう。」

さっきまで破れていたところが、直っていた。


「ありがとうございます。」

ペコリとお辞儀すると、

ライアー先輩は私の頭をそっと撫でてくれた。

「がんばったな。」

「せ、先輩。そ、それは恥ずかしいです。普通、婚約者とかにするものですよ。」

あわてて言うと、先輩は私の手をそっとにぎり

「じゃあクリス、俺の婚約者になるか?」

とからかってくる…


さすがに、恥ずかしすぎて涙目になると、

手を開放してくれた。

さあ、みんなの所へいくぞと言って、

またお姫様だっこをしてくれた。


この格好もまた、恥ずかしいんですけど…。

さっき、戦闘の途中から呼び方がクリスになっていて

なにかくすぐったい感じがするし…。


「さっきいいかけていた出生の話だけどな、メレイカ先輩に聞いてみろ。あの人の方が、クリスが聞きたいことを答えてくれると思う。」

「メレイカ先輩が・・」


そういえば、資料の中にダスト様とは違う筆跡のもので書かれた資料もあったな。

私は、ライアー先輩の腕の中で揺られながら、

記憶を思い返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。