クリステル=アディール 16
「え、騎士科のライアー=レイモンドだって!?」
さっそく、学園に登校して、朝一番にフィンに
手紙交換について報告した。
書いた内容までは、言えないが第1回目の手紙なので、
自己紹介的なものにしたということだけ言うと、
かなり驚かれた。
「クリステル、知っていると思うけど、女性から自己紹介するのは、気がある男性にすることなんだよ。」
知らなかった…
私は、まだあって数日しかあってない人に
つきあってくださいといってるということ!?
「その…他にも、紙にも楽しめるようにマリンガという柑橘系の香りを施したの…。」
それを聞いたフィンは、額に手を当てて抱え込んだ。
「そんな手紙もらったら、相手は勘違いしてしまうじゃないか。でも、ライアー=レイモンドだったら、大丈夫かな…」
「なんで、ライアー先輩なら大丈夫なの?」
「貴族と平民なんて、身分的に釣り合いがとれないだろう。」
真顔でいうフィンに、クリステルは憤慨した。
「あのね、愛の前に身分なんて関係ないのよ。」
「もしや、殿下と婚約しないためにライアー=レイモンドを利用しようとしてる?」
まったく利用するとか考えていなかったけど、
ここでもし、はいっていったら…
私がライアー先輩のことを好きって誤解されそうだわ…
「私は一般的な愛について、語ってるだけでライアー先輩とはなにも関係ないわ。」
「ふーん。」
フィンは、疑っている目で私をみる。
本当に違うのに…
「それよりも、この国の浮気、婚約解消率が多いのが問題だわ。異様に多い気がするのよね。ほぼ、半分しているんじゃないかしら。」
フィンは、ため息を吐いた。
「いつの間に、浮気率や婚約解消率を調べたのさ。」
鞄から分厚い資料をだして、フィンの目の前に広げた。
「ダスト様にお願いしていた、生物学の資料に統計が載っていたのよ。」
「この資料、全部読んだの?」
「ええ、もちろん。」
あっけに見ているフィンに対して、私は冷静だ。
前世で、金融関係の仕事をしていたおかげで、
資料まとめ方や、計算、速読など得意だ。
そんなわけもあり、資料も比較的早く読むことができた。
人口の割に、浮気や婚約解消率が多いのは異常だわ。
それに、出産率も調べたけどなぜか100パーセントの確率で
正常に産まれている。
出産には、リスクが伴うことなのに、
ノーリスクっておかしいわよね…
これも、人が卵から生まれる影響なのかしら。




