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Disturbance High School  作者: 林 奎
第壱章 金碧姫の決闘 
16/21

第13話 4月24日 16:21 美笠高等学校 格技場⑥

 ………すいません。

 寳野さん視点は次回です。

 まあそれは置いておいて、ようやく連載が安定してきました(もうすぐ終わりですけど)。

 できればこのまま最後までペースを……守れるといいなあ。

 



 僕が犯した最大の失敗。


 それは脅した不良達の行動は心が挫ける事だけだと思い込んでしまったことだ。

 だから僕達は、安心して漣さんから目を離してしまった。


 だが、不良達の予想される行動はもう1つあった。

 

「う、う……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

「「「!!!!」」」


 逆上。そして暴走する事。

 不良のボスの行動に、僕や寳野さんだけでなく鼎君も一瞬硬直してしまった。


 それに気付けなかった僕達は漣さんに襲い掛かる腕に気付くのがほんの少し、されど致命的と言っていいほど遅れてしまった。

 そして、


「うごくなやぁ!動いたら聯の命はねぇぞぉ!!!」

「えっ……。」


 漣さんの首筋に銀色に光るナイフを突きつけた不良のボスが立っていた。


「しまった……。」

「……。」

「聯!」


 今の漣さんは先程に比べれば、顔色こそ大分良くなったものの先程までの窒息、そして感電の影響で意識が朦朧としており満足に体を動かせる状態ではないらしい。

今すぐ病院に運ばないと危険な状態であることには変わりはない。


体を震わせ血走った眼は完全に破れかぶれになっている証拠だ。

 アレは理性などないに等しい。後先など当然考えている訳もない。

 ああなった人間にはもう世間一般の倫理だの常識だのは通用しない。


「ふざけやがってふざけやがってふざけやがって……っ!あの野郎……何が『素晴らしい力』だ。全然ダメじゃねーか!クソがああああああああああ!」


 何を言っているのか分からない。完全に意味不明だ。

 だが、今はそんな事を気にしている場合じゃない。


「マズイ……ッ!!」


ナイフを突きつけた。

その時その顔面に寳野さんの掌が突き刺さる。

それが掌底と呼ばれる格闘技の技であることぐらいそこらへんが疎い僕でも知っている(情報源=漫画)。


 よろめいている隙に寳野さんは漣さんを抱えできる限り遠くへ投げ飛ばした。

 投げた距離は大体5m。

 しかし、その代わりに寳野さんは投げる際に大きな隙を作ってしまった。


「こ、このアマ……!」


 その隙に気付いたかどうかは知らないが、体勢を立て直したボスはナイフを片手に寳野さんへと突っ込む。


「……っ!!ふざけんな……!」


 完全に標的を漣さんから寳野さんへと変える。

 マズイ。僕は咄嗟にそう思った。


 僕は思わず駆け出さずにはいられなかった。


「あぶないっ!!!」


 寳野さんに覆いかぶさる。


「キャッ……!」


 間一髪ナイフは僕の左腕を斬ってしまった。


「ちょ、ちょっと。大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫。ちょっと切っただけだから。」


 そこまで考えて気づく。


「どうしよう……。これからどうするか考えてなかった。」

「アンタ馬鹿?馬鹿なの?」

「……返す言葉もございません。」


 そんな間抜けなやり取りをしている間にもナイフが迫る。

 向こうは僕を軽くとは言え斬ってしまったことで箍が外れてしまっているようだ


「は、早くどきなさいよっ!」

「……ごめん。腰が抜けちゃった。」

「ばかぁぁぁ!!」


 ここでできる事は寳野さんを庇うことくらいか。


「ちょっと。何抱きしめてるのよ!とっとと離れないとアンタが……。」

 

 ここから先彼女が何て言ったのはあまり覚えていない。


 ああ。終わった。 


 誰もがそう思っただろう。僕もそう思っていた。

 しかし、痛みは来ない。


「……え?」

「ゲハ!!」

「な、なんだ!」


 不思議に思っていると悲鳴が聞こえてきたので思わずそっちの方を向くと、


「見下げたクソだな。お前達は。そして逢河。ナイスだ。」


 こんな格好悪い自分を見てどこがナイスなのか分からなかったがすぐに自分の行動が鼎君の時間稼ぎになった事を悟った。

 なんだか人の役に立って嬉しくなってしまう。


「ちょ、ちょっと……。」

「か、鼎……君。」


 しかし、その後に鼎君の方を見てそんな気持ちも吹き飛んでしまった。思わず『鼎君』と言ってしまったが寳野さんが何も感づいていないことから僕と同じ状態であることが伺える。

 それほど衝撃的だったからだ。


 その時鼎くんが掌で襲いかかるナイフの刃を受け止めていた。当然強い鼎君と言えどナイフを通さない掌などではなくものの見事に貫通し、傷口からは彼の血がゆっくりと滲みだしてくる。

 すでに真下の床には血だまりができている。


 衝撃的な光景に誰も口を開かない。いや、開けないのだ。


「どうした?何をうろたえている?」

「あ………え?」


 ナイフで刺された鼎君より刺したボスの方が動揺している異常事態。

 だが、驚いた理由はそれだけではない。先程まで僕達から10m位離れていた鼎君がいつの間にか不良達と僕達の間に立ちナイフを掌で受け止めているからだ。


 右手に刺さったナイフには痛がるどころか目もくれず何事もなくただ淡々と告げる。

 そんな人間は何をするか分からない。


「あ、あ、……あ…………。」


 さらにトドメの一撃を放つ。


「さて、相変わらずのようだな『ニーダー・マヘン』の副リーダー。ああ、いや。元がつくのだったか?」

「へ……。」


ボスが間抜けな声を上げた直後、鼎君の顔を見て何かに気付くと顔を青くさせた。


「あ、あ、あ………………。」

「ボ、ボス……。」

「どうした……?」


 ボスの様子を見て彼らの手下達も訝しんで話しかけた。

 僕が見た感じボスは栓の付いた瓶のように声が出せない状態だった。

そしてようやく言葉の栓が取れると、良く振った炭酸のように言葉を吹き出した。


「ま……まさか……か、鼎!!何故貴様がここに!!!」


 その名前を聞き周囲は一斉に戦慄する。


「か、鼎だと!!!」

「あ、あの……『怪物』。」

「ま、マジかよ……。あの『アヴェスタ』を……。」

「お、『鏖殺魔(おうさつま)』!!生きていやがったのか?」

「まさか女だったとは……!」


 その名を聞いて顔を青くさせ、不穏な台詞を並べ立てる不良共。

 ちなみにあとで調べたのだが鏖殺とは『皆殺し』という意味らしい。

 ……一体鼎君は中学時代にどんな生活を送っていたのだろうか?本気で気になる。

 こんな状況でなければ小一時間かけて問い詰めている所だ。


 そして、そんな事を考えている間にも空気がどんどん凍っていく。

 無論気温が下がっている訳ではない。

 彼の凍えるような殺気にあてられ背筋が寒いという比喩表現だ。



「お前らなど殴るに値しない。俺に攻撃を向けられなければ誰が殴られようが蹴られようがそれは俺の知った事ではない。」


 ナイフが手の平を貫通し、かなり痛いはずなのだが、何事もないようにポツリとつぶやくように語り始める。


「だが。」 


 彼は静かに続ける。


「貴様達は俺の友人を傷つけた。」


 その胸の内を怒りで荒々しく蠢かせながら、言う。


「それを黙ってみているほど俺は愚かではないぞ?」


 それは最後通牒。向けられた怒りに誰もが慄き恐れた。


「……………………ゴクッ。」


 もちろん、僕も(関係ないけど)。


「『鏖殺魔』って……アンタたちの最終兵器ってホントとんでもない女性だったみたいね。」


 それを聞いていた寳野さんあきれながらも戦慄を隠しきれていない。

 いつもなら彼は男だと心の中で突っ込んでいたところだが、さすがにそんな余裕はなかった。



「さてクソ共……覚悟はいいだろうな?」


 その時、彼はニコリと無邪気に笑いながらそう呟く。

 その時、僕は彼が笑ったのを初めて見た。

 その時、僕は無邪気な笑いが安堵だけをもたらすわけじゃないことを初めて知った。


 そして。

その時。格技場に《恐怖》が、蹂躙する。


「うわああああっ!!!」

「ひえええええっ!!」

「………………。」


 ある者は後ずさり。

 ある者は叫び。

 ある者は動かない。

 人数だの装備だのはもう関係ない。勝負は決した。


「くっ。落ち着けええええ!!コイツは絶対に鼎の名を騙る偽者だ!!!野郎共、出合え出合え!!!」


 士気を下げるのはマズイ。

そう思ってか手下を奮い立たせる番長(っぽい人)。

 そしてその声を聴き鼎に殴りかかる愚連隊。


 その行動は自分達が持つ力に対する壊れかけのプライドか。

それともただ自分達に圧し掛かる恐怖を払い除けたい行動故か。

 どちらなのかは誰にも分からない。

  

……けど、僕は今この人達に突っ込みたい!その台詞は時代劇とかの死亡フラグだから!!!と。




そして僅か数秒後。

フラグ通り、ゲスな不良共は『鏖殺魔』により殲滅された。

……先程の決闘と同じく彼が何していたのか分からないままに。




 登場人物紹介 7・8

 太加  某

  誕生日:秋 血液型:ポンペイ

  嫌いな教科:全部

  好きな食べ物:???


 越後屋 某

  誕生日:4月? 血液型:

  嫌いな教科:家庭科意外

  好きな食べ物:人間が食べられる物。


「な、何?これ!」


 私は思わず声を上げた。

 ここの所休載していたとはいえ、ようやくやる気にな……復活できたコーナーの再開第1回目がこんな杜撰なものだからだ。

 この惨状に思わず『作者を自分の作品に登場させない』と言う誓い(本編じゃないけど)を破ってしまった。


「そんなこと言われてもなー。やる気起きねえよー。」


 そんなふざけた事を抜かしつつ登場したのは本作一の情報通ハリヤマ君だ。


「播磨屋だ!せめて作者!お前は覚えろ!」

「やだなあ!冗談だよ冗談!後、ナレーション読むな。」


 なんだかあれだ。自分の声を読まれたみたいで気分が悪い。


「まあいいけど折角復活させたんだからこれをどうにかして欲しいんだけど。」


 ここで言うコレはもちろん上のプロフィールだ。

 一章のラスボス(?)の紹介を小学生以下の文章で書かないで欲しい。



「まあ待て、それは釈明させてくれー……次回で。」

「続くのかよ!!」


 (この茶番が)次回へ続く!

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