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歌謡曲雑感  作者: 前田智
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ここらで寺尾聰をはさんでおく、と。

私の音楽遍歴上、3人ほど大好きな歌手(皆日本の方です)がいて、寺尾さんはその筆頭のような方です。中学時代からだから、もう50年近いんだ。そういった方の音楽ばかりある時期は聴いていました。他のお二人は加藤和彦さん(亡くなられてしまいましたけど)と、判る方には「日本のポールマッカートニー」として著名な方です、こちらの方の弾き語りライブには何度か行きました。その内ご紹介しようと思います。ダメでも書く。なんて押しつけがましい。

 寺尾聰は、結果的に考えると和洋を含め、最も好きなアーティストです。昨年仙台にコンサートでおいでになって、40年来の念願がかないそのステージが見ることが出来た、しかもご自分の作曲した歌も歌ってくださった、ファンとしては夢のような時間でありました。何故ここまで感激するか、と申しますと、寺尾さんはご存じの通り、1981年にシングル「ルビーの指輪」、アルバム「リフレクションズ」をヒットチャートのトップに叩き込んで一世を風靡した方ですが、その後はアルバムを2枚『アトモスフィア』と『スタンダード』を出してはくださったものの、俳優業の方での活躍が目覚しく、黒沢映画「乱」とか、「雨あがる」とか「半落ち」とかそれ以外にも様々な映画で主役を張られており、東京の方ではたまに洋楽のDスタンダード曲をメインにコンサートを行われていたようですが(そちらのライブDVDも出ています)地方の田舎者にどうしろと。何とかして東京に行ったとしても何歌ってるかすらわからないじゃん。わたしゃ、「今夜でピリオド」とか「夏嵐」とか、「終着駅」とか、「九月」とか「恋のトランス・コスモス」とか「砂漠」とか、「偶然」とか「リフレイン」とか、とにかく寺尾聰のオリジナルが聴きたいんだよ。もちろん、外国の曲でも悪くは無いんだけど(DVDの「カサブランカ」も良かった)、ともかくご本人のオリジナルが聴きたかったので。コンサート会場で他のお客さんの迷惑も顧みず10曲くらいあったオリジナルを寺尾さんの歌唱にあわせて声を張り上げてきました。それ本当にコンサート観に行ったの?と問われれば、どうなんでしょ?邪魔しに行ったつもりはないので無問題でしょう。多分、目に余るようならつまみ出された筈だし。でもここで思いだしてみよう。筆者は見た目のゴツさだけなら齋藤ブラザーズ並み。止められたかな?警備の人。・・・いやいや、そこまでアレでは無かった筈。一応心に飼い主はいますので。何処かに。・・・ダメやん。

 そんなわけで自称ディープな寺尾ファンである私としては、実は昔からある寺尾聰コンサートでのお約束がわかっておらず自分勝手に恥をかいておりました。「飛行少年」を演る時に紙飛行機が飛ぶことは何かの雑誌で見たはずなのに完全に失念していたし、他にもイントロで次の曲が当てられなかったり。だって40年前何て、コンサートとか行った事すらなかったし。グスッ。中学生当時ですが、一応仙台であったコンサートに行ってきた同級生に「良かった」旨の話は聞いたけれど、羨ましくて仕方ないじゃん。羨ましすぎてちょっと虚勢を張ったりはしたな、そういえば。それはともかく、お年を召してなお素晴らしい声の持ち主で、さすが一線の映画俳優、という思いを新たにしました。同時期に野口五郎の仙台公演にも行ったけれど、こちらはこちらで素晴らしい美声。歌手ってすごい。これぞ歌謡曲。昔の思い出も現在の感動もどちらも満足させてもらいました。あれもこれも聴きたい曲はあったけれど、あの時の自分のテンションでは上手く捉えきれたかどうか。なんて迷惑な観客だろう。寺尾さん、野口さんも、大変失礼いたしました。

 なお、一つだけ不満があったとすれば、寺尾さんがライブアルバム「スペシャルLIVE IN TOKYO」でのみ歌った「メリーゴーランド」が聴けなかったこと。まあこれは、巨匠・堺正章に贈った歌なので仕方ないのか。そういえば堺さんのこれもオフ系店舗巡りで見つからなかったな。タコの4コマ漫画がジャケットだったはずだけど。歌詞も微妙に違うんだよな。欲しいな。でもできれば、ご本人のオリジナルアルバム第4弾を出してくれないかなと切望しております。『ReCool リフレクションズ』は10年ちょっと前に出たんだけどね。そちらに収録された「ハバナ・エクスプレス」もいいですよ。もちろん「出航さすらい」も。基本的にすべて無鑑査です。



一度ファンになると、ついつい視野が狭くなってしまいます。でも、他に聞きたくなるような歌い手がいないのですよ。ただ、自分の趣味が一般人とかなりかけ離れているのは感じます。自業自得と言うか、自縄自縛が正しいか。

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