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追放されたけど、最弱スキル〈修繕〉で辺境スローライフ満喫します  作者: 妙原奇天


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第50話 繋がる未来 ― 修繕士の物語

 王都を覆っていた闇は消え、静かな朝が訪れた。

 傷だらけの街並みにも、人々の声が戻っていた。

 泣き声と笑い声が入り混じり、再び生活が始まろうとしている。


 玉座の間で、国王は深く頭を下げた。

「リオンよ。お前こそ、この国を救った真の英雄だ」


「……僕は英雄なんかじゃありません」

 僕は静かに答える。

「繋ぎ直したのは、僕一人の力じゃない。仲間がいて、人々の願いがあったからこそ……」


 その言葉に、ルシアが微笑む。

「まったく、最後まで謙虚なお方です」


 セリーヌが歩み寄り、優しく肩に触れる。

「でも、あなたが光を示したから、みんなが立ち上がれた。それだけは忘れないで」


 ロイが豪快に笑い、背中を叩く。

「そうだ! お前がいたから、俺たちは一歩も退かなかったんだ!」


 アレンは隣に立ち、深く頷いた。

「僕も……君に救われた。だから今度は僕が、誰かを繋ぐ修繕士になる」


 戦いは終わった。

 けれど傷跡は、まだ街にも人の心にも残っている。

 修繕が必要なのは、これからだ。


「なら……僕は続けます」

 胸に手を当て、静かに言葉を紡ぐ。

「壊れたものを繋ぎ直すだけじゃない。人と人との絆を、未来へ繋いでいく。

 それが僕の……修繕士としての生き方だから」


 王都の空に、柔らかな朝日が差し込む。

 光の糸が空を舞うかのように見え、人々はその下で笑顔を取り戻していった。


 パンを焼き、街角に花を植え、子どもたちが駆け回る。

 そのすべてが、繋がる未来の証だった。


「リオン!」

 村の子どもたちが駆け寄り、小さな手で僕の手を握る。

「ありがとう!」


 僕は微笑んで答えた。

「こちらこそ。……これからも、ずっと一緒に歩こう」


 仲間たちと、人々と。

 そして、まだ見ぬ未来と。


 ――命を削るだけの〈修繕〉ではない。

 命を繋ぎ、未来を築く〈修繕〉の物語。


 その始まりは、追放された辺境の地で、小さな修繕を重ねた日々からだった。


 今、ようやく分かる。

 僕はあの日からずっと――未来を繋ぎ続けてきたのだ。


 空を仰ぐ。

 朝日が眩しく、涙が滲んだ。


「これからも――繋いでいこう」


 そう誓い、僕は歩き出した。

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