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追放されたけど、最弱スキル〈修繕〉で辺境スローライフ満喫します  作者: 妙原奇天


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第48話 終焉の修繕士との決着 ― 命を超えて

 光と闇がぶつかり合い、王都全体が震動した。

 黒炎の翼は空を覆い尽くし、夜が永遠に閉ざされるかのようだった。

 だがその闇を裂くように、修繕の光が奔流となって広がっていく。


「馬鹿な……! 命を削る程度で、この闇を凌げるはずが……!」

 女魔導師の叫びが響く。


「違う……!」

 僕は震える声で応える。

「これは“命を削る”力じゃない。みんなの命を……“繋ぐ”力だ!」


 光の糸は僕だけでなく、ルシアの剣、ロイの盾、セリーヌの魔法、アレンの修繕――仲間全員と結ばれていた。

 さらに兵士たち、市民たちの願いまでもが糸となって絡み合い、王都全体を包んでいく。


「この光は……!」

 女魔導師の瞳が初めて怯えに揺らいだ。


 闇の軍勢が一斉に咆哮し、黒炎の波となって押し寄せる。

 だがルシアの剣が光を纏い、道を切り裂く。

 ロイの盾が砦となり、兵士たちを守る。

 セリーヌの魔法が夜空を照らし、闇を打ち砕く。

 アレンの修繕が僕と重なり、絶望そのものを繋ぎ直していく。


「これが……僕たちの修繕だ!」


「やめろォォォォッ!!!」

 女魔導師が翼を大きく広げ、終焉の黒炎を解き放った。

 世界そのものを呑み込むかのような闇。

 人々の悲鳴が響き渡る。


「みんな、力を!」

 僕は最後の力を振り絞り、光の糸を束ねた。

「〈修繕〉――未来を繋げ!!!」


 光が爆発的に広がり、黒炎と正面からぶつかり合う。

 闇と光が拮抗し、やがて――光が闇を飲み込んでいった。


「馬鹿な……私が……人の心ごときに……!」

 女魔導師の身体に亀裂が走り、闇が剥がれ落ちていく。

 その奥から見えたのは、ひとりの若い女性の面影だった。

 疲れ切った瞳で、それでも確かに涙を浮かべていた。


「私も……守りたかったのに……どうして……」


 その声は、かつてアレンが抱いた願いと同じだった。


「……あなたも、本当は誰かを守りたかったんだね」

 僕は静かに手を伸ばした。

「奪うためじゃない。繋ぐために……一緒に戦えばよかったのに」


 女魔導師の瞳から涙が零れ、次の瞬間、闇は完全に崩れ去った。

 黒炎の翼も消え、王都の夜空に月が戻る。


 ――終焉の修繕士との戦いは、ついに終わりを告げた。


 膝をついた僕の耳に、歓声が届く。

 兵士たち、市民たち、仲間たちの声。

 そのすべてが光の糸に結ばれ、確かな未来へと繋がっていくのを感じた。


(これが……修繕の極致……命を超えて繋がる力……)


 目を閉じた僕は、静かに深呼吸をした。

 戦いは終わったのだ。

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