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追放されたけど、最弱スキル〈修繕〉で辺境スローライフ満喫します  作者: 妙原奇天


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第41話 闇の逆襲 ― 女魔導師の真の力

 アレンが闇の鎖から解き放たれたその瞬間、森を覆う空気が変わった。

 冷たい風が止まり、代わりに息苦しいほどの瘴気が辺りを満たしていく。


「……くだらぬ」

 女魔導師が低く呟き、仮面に手をかけた。


 ギリ、と硬い音を立てて仮面が外れる。

 現れたのは、白磁のような顔に浮かぶ深紅の紋様。

 その瞳は血のように赤く、底なしの狂気を湛えていた。


「人の心など、幻にすぎぬ。弱さの象徴だ。だがいい……ならば見せてやろう」


 杖を振り下ろすと、地面から黒炎が噴き上がった。

 森の木々が一瞬で灰と化し、大地そのものが軋んだ。


「なんて力……!」

 セリーヌが震える声を漏らす。

「これは人の魔力じゃない。禁忌の核を……自身に取り込んでいる!」


「禁忌の核……?」

 僕が問うと、アレンが苦しげに頷いた。

「……アルヴェリアの禁呪。人の魂を削り取り、闇の器にする……。僕も、その実験で……」


 女魔導師は口元を歪め、嘲笑した。

「そうだ。影の修繕士は試作品にすぎん。だが私は完成品だ。――“人と闇の融合体”となったのだ!」


 次の瞬間、漆黒の翼が彼女の背から広がった。

 森全体を覆うほどの大きさで、羽ばたくたびに空が歪み、光がかき消されていく。


「……これは……」

 ルシアが剣を握り締め、顔を青ざめさせる。

「まるで……魔王……」


 女魔導師が冷笑する。

「名を与えよう。私こそが、“終焉の修繕士”だ」


「リオン!」

 ロイが叫ぶ。

「今のお前の力では太刀打ちできない!」


「でも……逃げられない!」

 僕は必死に立ち向かおうとする。

「ここで退いたら、村も国も闇に飲まれる!」


 アークレアが前に出て、赤い瞳を光らせた。

「主、命令を。戦闘継続可能。ただし……勝率、極めて低」


 無機質な言葉に、喉が渇く。

 それでも拳を握りしめ、僕は叫んだ。

「勝てなくても、繋ぐ! みんなを守るために!」


 女魔導師が翼を広げ、黒炎の嵐を放つ。

 森が一瞬で焼き尽くされるその光景に、誰もが息を呑んだ。


 その絶望の中――僕たちの決戦が、本格的に幕を開けた。

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