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追放されたけど、最弱スキル〈修繕〉で辺境スローライフ満喫します  作者: 妙原奇天


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第31話 王宮会議 ― 修繕士を巡る決断

 再び訪れた王都は、前回よりも緊張感に包まれていた。

 城門をくぐると、広場には兵士たちが慌ただしく行き交い、空気は重苦しい。

 敵国アルヴェリアの影が、確実に迫っているのだと感じた。


 僕は王宮の大広間へ通され、王と重臣たちの前に立った。

 黄金の椅子に腰かける国王は、鋭い眼差しで僕を見据えていた。


「修繕士リオン。そなたの力はすでに国中に広まっておる」

 国王の声は重く、広間全体に響き渡った。

「敵国はそなたを狙い、村すら襲撃した。――このままでは、王国の未来すら危うい」


 宰相が一歩前に出て言葉を続ける。

「ゆえに陛下は決断を下されました。リオン殿、あなたを“王国直属の守護官”として任じたい」


 広間がざわめいた。

「守護官……!」

「それは、国の象徴たる役職ではないか!」


 僕は驚きに息を呑んだ。

「守護官……僕が?」


「そうだ」宰相が頷く。

「修繕の力は、国の柱となりうる。だが同時に危うい。そなたが独りで動けば、国はその力を制御できぬ。ゆえに陛下は“王国の名の下”にその力を使ってほしいと願っておられる」


 王の眼差しが真っ直ぐに僕を射抜く。

「リオン。これは国を救うための使命である。――受ける覚悟はあるか」


 広間の視線が一斉に僕に注がれた。

 貴族たちの中には賛成の目もあれば、嫉妬や警戒の光もある。

 彼らにとって僕は“英雄”であると同時に、“制御不能の存在”でもあった。


(僕が守護官に……王国を背負うなんて……)

 胸が重くなる。

 だが思い浮かんだのは、村人たちの笑顔だった。


(村を守るためにも、この力を国と繋げる必要がある。逃げるわけにはいかない……)


 僕は深く息を吸い、はっきりと答えた。

「……僕にできることなら、やります。国も、村も、守るために」


 広間に静寂が走り、やがて国王が大きく頷いた。

「よくぞ言った。――この瞬間より、そなたを“修繕の守護官”とする!」


 高らかな宣言に、兵士や文官たちが一斉に拍手を送った。

 けれどその陰で、冷たい視線を向ける者たちもいた。


「……王国の犬となったか、修繕士」

 広間の隅で、誰かが低く呟いた。


 僕は振り返らなかった。

 ただ前だけを見据え、心に誓った。


(必ずやり遂げる。この力で、人々の未来を繋いでみせる!)

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