コワ!
アリアがトイレから出て来て少しは落ち着くかと思われたがそうはならなかった。
「斗馬さん、ちょっと良いですか?」
いつになく真剣な声の葵さんだ。
声の感じから緊急性を感じて争ってソフィアさんにアリアを任せて、2階に上がる。
「何かあったの?」
少し不安を感じていた。
「実はこのバスには排泄物で健康をチェックする機能がありまして‥。」
何それ?
俺聞いてないけど‥。
「もちろん斗馬さんのチェックも毎日してますよ。
それはそれは他の人より詳しく‥。」
コワ!
知らない所でそんなことになってたの!?
「黙ってたのは悪いと思いますが、これも女神様の斗馬さんを想う気持ちですから。」
まぁ、確かにそう言われると嬉しくもある。
「それで、アリアに何か問題あったの?」
健康チェックの事は黙認する事にする。
「結論から言うとアリアさんの余命は良くて半年です。」
突然そんな事を言われてビックリしてしまう。
「は、半年!?
そんなに悪いの?
嘘だろ?
だって元気そうだよ‥。」
葵さんが嘘のなんて言うわけないのに冷静でいられない俺は葵さんを疑ってしまう。
「嘘は言いません。
多臓器不全です。
尿からは麻薬の成分も出てますから、予測ですが薬で痛みを誤魔化していると思います。
地球でしたら集中治療室に入るレベルです。」
葵さんの報告を聞いて言葉が出ない。
「かなり無理してると思いますよ。」
無理をしているようには見えなかったアリアを思い出して驚愕するのであった。