大航海時代を盛り上げし海賊共
エドワード・ティーチ、エドワード・ロー…………
他にも結構名字とか被る海賊が居るのは
どこかロマンを感じます。
91話
「ふぅ、1船だけでこんなに色々と手に入るんですね~」
幽霊船『アン・ボニーズ・リベンジ号』の
幽霊船長・漆黒髭を倒したことで、アレウス達は
豪華な戦利品を多く得ることが出来た。
「それはそうだ。いきなり幽霊船でも最高クラスの
難易度を誇る『Hell's darkness beard pirates』を
倒したのだからな。これくらい報酬が出ても
おかしくはない」
「早いうちにジェルマンが砲主を撃ち抜いた
お陰で防衛が楽だったわ」
「ありがとうございます」
「いえいえ」
魔法系の2人がお礼を言い、ジェルマンが
答えている。
「今度は俺も暴れてぇなぁ」
今回砲主だったレイルは、暴れ足りない様子だ。
「そう言えば海賊って幽霊船以外にもいるんですか?」
ミューが大航海イベントをかき回す海賊達について
疑問を投げ掛けた。
「ああ、海賊は大きくわけて3種類存在する。
普通の海賊、今制圧した幽霊船、そして私達だ」
ジャンヌが答えた。
「え? 俺達ッスか!?」
その言葉のワンフレーズにアレウスが驚く。
「そうだ。海賊を狩る海賊…………賞金稼ぎではなく
海賊だ。その名も私掠船だ」
「「「「「しりゃくせん??」」」」」
レオナルドの言葉に、大半が首を傾げた。
「私掠船は政府公認の海賊だったんだ。自国を
守ったりする代わりに、褒美や他国での海賊行為が
認められていたのさ」
クラフトが付け加えた。
「外国を襲うことを除けば、今の私達にそっくりだと
思いませんか?」
イシュタルが問いかけてきた。
「ん-、でも今のところはどっちかって言うと
海軍じゃね??」
「そうよ~、街襲わないし~~」
レイル、マリリンが否定した。
「フッ、だったら"他のギルドの私掠船を襲える"
としたらどう思う?」
ジャンヌが少々悪そうな顔で問いかけた。
「えーっと、他国の政府公認組織をボコるような
もんだから、立派な海賊ッスね!」
アレウスが良い笑顔で快活に答えた。
「公式見解としてはそんなところだ。ギルドを
1国と見立てれば、全世界(SAF)視点で見て
我々も私掠船ということだ」
「ただし、流石にトラブル回避のために、互いに
開戦の花火が上がらないと、襲ってはいけない
決まりになっている」
「相手に戦意がないなら無視か協定を組めば良い。
決まりを守らない相手は容赦なく潰せば良いのさ」
ルールを熟知している3人が全ての説明を終えた。
「ま、最低限のルールは守らないとだな」
「でも海マップって広そうですね。他の私掠船
なんてそうそう会わなさそうですね」
「実際1日に1船会えばよく遭遇する方だと言える。
海は広いから基本自由に過ごすと良い」
と言うわけで、各々自由に過ごし始めた。
アレウスは中級jobマリンテイマーに転職して…………
「腰と胸を逆に捻れ!」
「ウキッ!!」
『パン!』
パンチ力アップの秘訣をウッディに教え、
ウッディはそれに答えてアレウスの腹筋に
拳を打ち込んでいた。
「もっと速く!」
「ウギッ!!」
『ドン!!』
先程の3倍ほど強い一撃が打ち込まれた。
会心の一撃だ。
「良いねぇ。その調子だぜ! 後5回! いち! に!…………」
「ウキッ!! ウキッ!!…………」
5回『ドン!!』と良い音が響いた。
「頑張った! この練習は確実にウッディの
パワーを上げたぜ」
「ウキキッ」
アレウスは練習を完遂したウッディを撫で、
ウッディも嬉しそうにしている。
「ふにゃあ」
「カチカチ」
ウィントとスパロウもウッディの脚に
すり寄ってきた。
「…………よし、折角だから海を冒険するぞ!
スパロウ!」
「シュシュシュシュッ!!」
糸を撒きながら激しく足を動かした結果、
全員の足に水に浮きやすい糸靴を履かせたのだ。
「水面を走れーーー!!」
ウィントが足をつければ、小さな身体は大きく
跳ね、スパロウが8足をつければ、その身を大きく
前進させた。ウッディも連続ジャンプを行う猿の
ように前進していき、アレウスは水柱を立てながら
爆走していた。
『グオオオオッ!!』
水竜・リヴァイアーが水中から現れた。
敵意MAXだ。
「全速力でぶちかませ!!」
アレウスの号令で、全員が攻撃を開始する。
「フニャニャ!!」
「カッ!」
「ウキッ!!」
「オラッ!!」
『グオアアアアッッ!!!』
それぞれドリルストライク、アクセルファング、
ナックルスマッシュ、ただの飛び蹴りを炸裂させ、
一撃で沈めてしまった。低級モンスター3体を
率いる素手のマリンテイマーだとはとても思えない。
「おっ…………俺が見定めたモンスターは、お前だっ!!」
そう言うと、アレウスはギターを取りだし、
正午の名を冠する昔のゲームの曲を弾き始めた。
"ミュージカル・テイム"
それは、幾つもの水滴が落ちる池の水面のように、
或いは絶え間なく寄せては引いていく波のように、
旋律を奏でることで、モンスターの心を掴む
技である。…………しかし
「フシャッ!! グルルルルルルッッッ!!!!!」
あまりの下手くそさにウィントはブチギレ…………
「キリキリ…………」
「ウキ…………」
スパロウとウッディは音を拾う感覚器官を
両手で塞いだ。
『テイム…………SUCCESS!!』
「「「!?」」」
だが、成功してしまった。空飛ぶ魚、
フライングフィッシャーのテイムに
「よろしくな、フラッシュ」
これまた安直に略したニックネームを
つけてしまったのだ。彼も元気よく水面に
尾を打ち付けてホバリングをしており、
喜んでいる…………らしい。
「二、ニャ~~」
「カチ……カチ……」
ウィントもスパロウもフラッシュの変わった
感性に気圧されており、ウッディに至っては
「ウキッ!? ゴポポポッ!!?」
草由来の身体組成部分が多いため、泳ぎが
得意なはずなのに、何故か溺れていた…………
ブクマ、評価、感想、レビューがとても励みに
なっています。イラストも今週中に上げたいと
思ってます。
尚、明日からは急がしめなので、次話は午前の
7時に上げようと思います。




