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海戦の開戦

そう言えば黒ひげ危機一髪、一度もやったこと

無かったな~…………

90話


「お、おおーーーー!!」


『ドドォーーーーン!!』


 向こう側に見える船から何かが飛んできたかと

思いきや、自分達の船の手前で水飛沫を上げる

爆発を起こした。砲弾が飛んできたのだ。


「こちらも撃て!」

『ドドドン!!』


 レオナルドの合図に応じ、大砲の前に構えている

ジャンヌ達が砲弾を発射した。


「1発命中! 僕も砲主を狙い撃ちに入ります!」


 ジェルマンはスナイパーライフルを構え、

大砲の狙撃主めがけて発砲を始めた。


「よし、それじゃあ俺は空を走って敵船に

殴り込んできます!」

「うむ、存分に暴れてこい!」


 レオナルドの返事を聞きながら、アレウスは

甲板から跳躍した。

 空を飛ぶと言っても、彼は浮遊魔法的なものは

使えない。使えたところで敵船につくまでにMPが

無くなるという問題もある。では、どうするか。


「ウェイブ!」


 水弾を真下に落とした。アレウスより遥かに軽い

水弾は、早い段階から空気抵抗によって減速する。


「水を蹴って、空を飛ぶ!」


 水弾が足元まで後退した瞬間に蹴ることで、

僅かな上方向の力と大きな前方向の力を獲得し、

空中を走行することが出来るのだ。


「ウェイブ! ウェイブ! ウェーーイブ!!」


 後はこの動作を繰り返せば良い。あっという間に

敵船に到着してしまった。


「…………全く、アレ君って魔法の事を何だと

思ってるんかなぁ?」


 早口ゆえ、高い詠唱速度を活かして目の前に

迫った砲弾の処理をしているマリリンが、

呆れながら発言した。


「少なくとも、人類の知見が及ばない領域の分野

だとは思っていると思いますわ」


 イシュタルは、最も初級の魔法でさえ爆薬並の

威力が出ることを活かし、遠方で束になっている

砲弾を一掃する役割を果たしているようだ。


「だが、面白い発想力があるから、使い方が常識の

範疇を超えているのだろうな」


 レオナルドは飛ぶ斬撃を連射することで、

中距離まで迫った砲弾の処理を行っている。


 そして敵船では…………


「ホォアッ!!」


 アレウスが音速で錫杖を振り回し、船員の

スケルトン達を粉砕していた。関節外し+反動

による自傷ダメージが無い辺り、現実でも

かなり関節を外し慣れた事が伺える。


『スロリード』

(何だ?)


 1体のスケルトンが、何らかの魔法を

唱えたので、咄嗟に横へと移動した。


「アイツどうした??」


 スケルトン達を粉砕しつつ、1体だけやたら遅く

なったことに疑問を抱いた。


『スロリード』

『スロリード』

『スロリード』

「ほっ! はっ! よっと!…………そう言うことか」


 バック転、側宙、バック宙を繰り返しながら、

アレウスはスケルトンの囁きについて気づいた。

どうやら"スロリード"は敵の動作を鈍くする

魔法らしく、アレウスが紙一重で回避したことで、

他のスケルトンの動きを鈍らせていたのだ。


「俺にとって相性最悪って訳ね」


 そう、打撃は兎も角、他属性の防御力が大して

高くないアレウスは、回避に依存した戦いを行って

いる。したがって、"スロリード"は天敵とも言える

デバフ魔法だったのだ。


「それに、俺の場合は速度の低下はパワーの低下だぜ」


 リアルフィジクスモードを遊んでいるアレウスの

場合は、AGI関連の魔法が脚力に作用するため、

足腰が弱ることはスピードダウンだけでなく、

パワーダウンも意味するのだ。


「速攻撃破、サイクロン大回転!!」


 中級風魔法・サイクロンを放ちつつ、自らも

錫杖を音速で回転させることで、甲板の敵を全て

薙ぎ裂き倒した。


「ほう、部下どもをこうも容易く倒すとはな」


 年季の入った黒い髭を生やしたスケルトンが現れた。


「船長か」

「いかにも、我が異名は漆黒髭。かつて

最強の海賊としt…」

「え、黒髭じゃなくて漆黒髭??」

「そうだ」

「…………そうか」


 刹那、錫杖とカトラスがぶつかり合い、

衝撃が起こった。


「我が力に引けをとらぬか」

「んん? 俺は全く本気じゃないぜ。

メガフレイ・ボム!!」


 音速で飛ばすことで、着弾時に爆発する

メガフレイムが漆黒髭の頭蓋骨に命中し、

大爆発を起こした。


「うおっ!?」


 胴体だけの漆黒髭が、音速でカトラスを

振ってきたので、マ○リッ○ス回避で対応した。


「霊力的なので関節を外して鞭のように

しならせてる? つまり俺か! それに

そういやぁ黒髭って、斬首された後

胴体だけで船を3周してたっけ? 」


 相手の特徴を見抜いたアレウスは、

純粋に柔らかい身体を活かして4足獣の

ように駆け回り始めた。実は4足走行だと、

最高でチーターに匹敵するスピードが

出ることが分かっている。


「終わりだ! 連続メガフレイ・ボム!!」


 船を半壊させるほどの爆撃を行い、漆黒髭を

跡形もなく焼却した。


「一丁あがりっ!」


 まずは1隻、幽霊船を退治した。

ブクマ400人達成。そして…………総合ポイント1500

達成ありがとうございますっ!!

今後ともよろしくお願いします!


12/14 本日は14時台に投稿します。

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