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5接地転回法

ブクマ260人ありがとーうございますっ!

今回は一部気持ち悪目の描写がありますが、

筆者の趣味では無く、ギャグなのでご安心を

次回からVRパートになります

50話


「やったね! これで昼ごはん食べるのに移動しなくて

済むよ!」


美優が喜んだ。


「そうだな。まさか3人揃って近くに座るとは

思わなかったよな!」


拓人も喜んでいる。


「おうよ! どうでもいい話も、勉強で分からんことも、

これでいつでも話せるな!」


当然、隆二も喜んでいる。


「おいおい、俺達も忘れるなよ」


美優を挟んだ男子席に盗塁王こと()(かい)武三(たけぞう)と、

その上にデキスギこと池中(いけなか)(ほう)()が座っていた。


「折角近くになったし仲良くしようね」

「そうだな。つっても盗塁王は拓人に勉強

教えてもらおうとか考えてそうだが」

「マジか…………隆二にバレるとは思わんだぞ」


予想外の人物にバレたことで、武三は動揺した。


「あはは! カッコ悪いわね~」

「何ぃ~~!」


美優のストレートな物言いに武三は分かりやすく反応する。


「まぁまぁ、だけど僕も1度道先君と

勉強してみたかったんだよね~」

「それなら言ってくれればいつでもしたよ? ま、

この機会にするのが丁度いいのは否定しないけどさ」


しばらく席替えの余韻に浸ったあと、HRは進行して

終了までたどり着いた。


「じゃあね、僕は春期大会に向けて調整に入るよ」

「俺もさっさと行かねぇとどやされちまう!」


法二と武三は部活へ足早に向かった。


「俺達も行こっか」


拓人の一言で行動に移ろうとした時だった。


「筋骨隆々金子く~ん! 美優ッチと隣になれて

嬉しそーだねー!」


運動神経抜群(笑)の補欠4人組がやってきた。


「体育でもねぇのに何の用だよ」


隆二が聞き返した。


「見せ筋に用はないド! 用があるのは美優ッチだド!」


動けるデブ氏が答えた。


「…………何の用? 後美優ッチって呼ぶの止めて

くれない? 正直気持ち悪いわ」


「まぁまぁ、そう言わずに。今日さ、暇なら今から

俺達とカラオケ行こうよ~」

「美優ッチみたいな子が居れば、とっても盛り上が」

「弓道の大会が近いからお断りするわ! 行こ、2人とも」


鞄を担いでさっさと行ってしまった。

隆二と拓人も同じくだ。


「あいつら何なの!?」


美優が廊下を歩きながら行き場のない怒りを吐き出した。


「残念だが俺にもわかんねぇんだよ。俺が

どれだけ運動神経を見せつけても、拓人が

レスバで圧勝しても、それでも止まらない。

それがアイツ等だ」


「関わるだけ無駄だね。あんまりにも

しつこかったらセクハラとかで訴えたら

良いと思うよ。俺達も証人になるし」


「…………そうだね。2人ともありがと」


「じゃ、俺は塾に行くよ。今夜SAFで遊ぶためにも

怪我や事故に気を付けてね!」


「おう、お前も事故に気を付けろよ!」

「ばいばーい」


そして2人でそれぞれの道場に向かった。


~2時間後~


「ふぅ、この調子なら大会も上手く行きそう

だな…………ん?」


美優は1枚の紙切れを見た。


『的場さんへ


練習が終わったら校舎裏の倉庫前に来てください。


                金子 隆二』


歩みを速める美優を物陰から見ているガリガリが居た。


同じ頃…………柔道場では


「いやぁ、長々と付き合わせて済まなかったな!」

「いえ、やるからにはこれくらい付き合うのが

礼儀ですよ。こちらこそ30分起きにプロテインを

飲ませろなんて言ってすいませんでした」

「お前の武器を維持するためと思えば安い代償だ。

というか柔道部の給水タイミングと同じだし無問題

だな」


大会が近く、助っ人の隆二もしっかりと

練習していたようだ。


「ん?」


隆二は1枚の紙切れを見つけた。 


『金子くんへ❤️


あの……❤️ 練習が終わったら……❤️ 話したいことが

あるの…………❤️ だから、終わったら屋上に来て

くださいっ❣️❣️


        あなたの❤️的場 美優より❤️❤️❤️』


(う、嘘だろ…………これってラブレター……ってか、

的場さんこんな手紙書くか!?)


「どうした…………お、おお……これはまさしく

ラブレターじゃないか。隆二、行ってやれよ」


「剛毅先輩、的場さんってこんな書き方で手紙を

書くと思いますか?」


「う~む、確かに美優ちゃんのイメージと違うな

…………だが、これ以上手がかりも無い。一先ず

行ってみるのが良いだろう」


「ですね。じゃ、お疲れさまでした!」


「おう!」


それを物陰から見ていたデブが居た。


~同時刻・保健室~


「そっか。……的場も見せ筋も動いたってさ」


1人のガリガリが保健室で寝ている不良女子に報告した。


「一時はあんたらの無能さでどうなることかと

思ったが、いよいよ大詰めね…………」


悪そうな顔をしてほくそ笑んで居る。


「まだ仕事あるだろ。さっさと行け!!」


「わ、わかったよ」


もう一人の叱咤で2人のガリガリは屋上へ走っていった。


~校舎裏の倉庫前~


「金子くん…………キャッ!?」


いきなり懐中電灯を照らされ、驚いた。


「っおいおいぃ…………中々上玉じゃねーか」


金髪のリーゼントを中途半端に垂らした不良が

舌なめずりした。


「あんの取り柄の無さそうな地味どももたまには

役にたつんだなぁ」

「場所指定をミスったペナルティと報酬を

チャラにしようかぁ」

「それで決まりだなぁ…………」


辺りを見渡すと、この6人に囲まれていた。


「あ…………あ…………」


いくら男子並みの身体能力があっても、コイツら

6人がかりには勝てない。

その頃屋上では…………


「的場さーん。居るかーー??」


隆二が軽く声を出している。


「…………ぜってぇあの4人のイタズラだ。的場さんが

こんな手紙書くわけねぇ! 後、恋愛に発展するほど

俺を好いているのもあり得ん」


「ごっめいっとお~~」


奴等がやって来た。デブが息切れしていることから、

急いで来たようだ。


「お前ら人様に迷惑かけてんじゃねーよ」


「だけど~、手紙を書いたのは俺達じゃなくて、

()()()()だよーん!」


「えーと、あ、今朝フラフラ逃げた地味不良女子か」


隆二は道理で下品なハートマークの書式だったんだな

と思った。


「ってことは、的場さんはどこに居る!」


彼女等が関与しているということは的場さんも

危ういと感じた隆二は、居場所を聞くことにした。


「ああ、美優ッチなら倉庫裏でヤクザのしたっぱな

にーさん達とエンジョイしている頃だよ」


「何……!!」

「おっと、オデ達の任務はオメェのスタミナを

削らせる事だどぉ!」


と、その時


「助けっ…………!!!!!」


下の方から助けを呼ぶ声が一瞬聞こえた。


「ま、お前がどれだけ急いでも、美優ッチは

ヤクザのオモチャになるって訳さ!」


しかし、隆二の口角はあがり


「そうでもねぇぜ」


と、一言だけ言い、何やら狙いを定めた。


「はぁ?ここから倉庫裏までどう足掻いても2分は」

「情報提供感謝するぜ!」


隆二はそう言って、屋上から助走を着けて飛び降りた。


「「「「……………………死んだ」」」」


これには4人も唖然とし、冷や汗がタラタラになった。

そして倉庫裏では


「あっ…………うっ…………」

「ケヘヘヘッ! 中々良い蹴りだったぜぇ。けど、

こうなったら後は邪魔な衣を剥ぐだけだなぁ」


1人が首を押さえ、もう1人がナイフを取り出した瞬間だった。


「おおおおっ!!!」

『ズゥン!!』


謎の重低音を響かせて、倉庫裏への入り口に

大男が落下してきた。


「な、何だぁ!?」


全員の注目が大男に集まった。


「よーし、5接地転回法は完全にマスターしたぜ」


「こ、コイツは例の始末してほしい男じゃねーか」

「屋上に居るんじゃねーのか!?」

「あの糞地味ブス共! やっぱりお仕置きだ!」


ヤンキー達が次々と話し始めた。


「あ、俺はさっき屋上から飛び降りてきたんだぜ」


その一言に


「「「「「はぁ!!!??」」」」」


ヤンキー達は口を揃えて驚いた。


「それよりも的場さんを返してもらうぜ」


その瞬間


「人質に取れ」


と、リーダーが言った。


「それだー!」


ヤンキーの1人が美優に飛びかかった。


「ヒッ!!」


今まさに犯されそうになっていたので体が強ばる。


「ひはハグォ!?」


しかし、ヤンキーは明後日の方向へと吹き飛んで、

悶絶し始めた。


「てめぇ、いつの間に!」

「遅すぎて話にならねぇな」


「畳み掛けろ」


リーダーの号令で、全員が隆二に襲いかかる。

1人が拳を振るおうとすると、隆二の長い脚が

鳩尾にめり込み、もう1人が回し蹴りを繰り出すと、

足首を持ち上げられる事によるバランスの崩壊で

頭を地にぶつけた。


「強い……ガッ!?」


更にもう1人が怯んだタイミングで、一瞬で

間を詰めてから丹田にボディブローを入れ、


「うわああっ!!」


最後のしたっぱが錯乱したタイミングで裏拳を入れた。


「…………」

「ほぅ、この暗闇でナイフを見切るか」


夕暮れ時の暗さでも、隆二は飛来したナイフに

掠りすらしなかった。


「いかんせんスピードが遅すぎるんだよ」


「フッ、だったらひと突きにしてやるよ」


そう言って、ヤンキーのリーダーはナイフで突いてきた。


「…………え?」


彼は驚いた。何故ならナイフの柄を掴まれ、

ねじ曲げられていたからだ。


「さっさと失せろ」


「い、いや…………ナイフを…………曲げたn…」

「失・せ・ろ」

「はいすいませんでしたぁ~~!!!」


彼は部下達全員を背負って逃げようとしたのだが、

足首を捻って動けなくなってしまった。


「…………」


隆二はその姿を確認し、放心状態の美優の元へと

向かった。


「肩貸すぜ。立てるか?」

「か、金子くぅん…………」


涙目になり、腕にしがみついた。


「ここは色々とまずい、少し動くぞ」


お姫様抱っこし、時速50kmで学校の敷地を抜けた。


「ふぅ、何にしたって無事で良かったよ。地味女共の

嘘の手紙であそこに誘われたのか?」


「…………やっぱりアイツ等の差し金だったんだ。

……うん。絶対にあり得ない内容の手紙だったけど、

本当だったら良いなって思って行ってしまったの」


「狡猾な罠って奴だな。兎に角、今日は俺が家まで

護衛する。ヒグマレベルの猛獣でもない限り、負ける

ことは無いぜ!」


「ありがとう…………本当に、ありがとう…………」


美優は隆二の腕にしがみついたまま、ずっと

泣いていた。隆二は道の途中で恥ずかしくなり、

顔が赤くなっていた。


「ここか。今日はゆっくり休めよ。SAFも気が

乗らなかったら来なくて良いし、拓人と相談して

適当な理由つけとくからさ」


「重ね重ねありがとう。近いうちにしっかりとした

お礼をするね。楽しみにしてて!」


「おう!」


別れを済ませ、隆二も学校に自転車を取りに行き、

家へと帰った。


~隆二の部屋~


「さて、こんな時こそSAFで強くならなきゃな。

現にSAFで強くなったからこそ、間に合った上に、

昔は怖かったヤンキー軍団にも適切な対応を出来る

ようになったんだ。精進以外に道はねぇぜ!」


隆二は再びアレウスとなった。

ブクマ、星5つを着けてくださると、やる気が上がります。感想やレビューも、お待ちしています!

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