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吸血鬼の夜  作者: 酢酸カーミスケ溶液
2/3

暴かれる吸血鬼の謎

2話です。正直この話は苦戦しました。

特に後半が。

深紅の月に映る影、それは間違いなく吸血鬼だ。

ライナルトは走った。

しかし吸血鬼には追い付かない。

それでも全力で走った。


ガルナの国の家の中では唐辛子やニンニクの臭いが充満している。

ガルナの国のメインストリートに吸血鬼が降り立った。

人々はその恐ろしい姿を見て腰を抜かしたり大声をあげる。

「血はあまり必要ではない、だが貴様らは囮になってもらおうか。ライナルトを呼べ!」

セシルが騒ぎを聞きつけてメインストリートに出る。

「ライナルトならここにはいない!」

吸血鬼はセシルの首を掴んだ!

「奴をどこに隠した?」

「知ら・・ない!」

そのとき、辺りに乾いた銃声が鳴り響く。

吸血鬼はセシルを放して自分の背中を手で押さえた。

「クロード!」

「吸血鬼は一人たりとも許さない!」

セシルの首を掴んでいた吸血鬼は倒れた。

「俺に挑むとはとんだバカが···ぐあっ。」

「一人だけだと思ったか?」

クロードは吸血鬼の蹴りに吹き飛ばされた。

ガルナの国の人々は希望を失った。

「ガルナの国の愚民共よ!助かりたいならばライナルトを呼べ!」

人々は少しざわめいた。

「どうした?命が惜しくないのか?」

そう吸血鬼がいい放った瞬間、人々はライナルトを呼んだ。

城壁の上に一人の人間の影が現れる。

「来たか、貴様はここで死んでもらおう!」

「俺は気づいた。クロード、俺はおまえに恨みがある。だが全ての人が悪い訳ではない。」

ライナルトは吸血鬼の力を解放した!

吸血鬼はライナルトに殴りかかる。

ライナルトは後退りし、なおも走ってくる吸血鬼に足払いをする。

吸血鬼は地面に強く叩きつけられた。

クロードが銃口をライナルトに向けた!

そして銀の弾丸が放たれた!

ライナルトはその刹那の時を見切っていた!

弾丸は空気を切り裂くように一直線に飛んだ。

ライナルトは右に跳び上がって間一髪弾丸をかわした!

その弾丸は起き上がろうとする吸血鬼に直撃した!

「死んだか。あとはライナルト。おまえだけだ。」

「クロード、待って!」

セシルがクロードを抑える。

ライナルトは人間に戻った。

そんな時、月に何かが照らされ、吸血鬼の形を象っていた。

「今までとは違う。強大な力を感じる。」

「我が名はヴァイロン。吸血鬼を統べる王なり。」

ヴァイロン、ライナルトの腕に噛みついた吸血鬼だ。

「吸血鬼になりかけた人間よ、吸血鬼とは人間の血液を栄養とする。当然味覚というものは必要ない。吸血鬼は味を感じないものだ。」

ライナルトは走った。

そして吸血鬼の力を解放!

しかし、後ろから声がした。

「ライナルト、戦っちゃだめ!」

「何!?それじゃこの国が!」

「あなたは人が人がって昔から言ってたよね。でも自分は?自分のこと考えたことあるの?」

ライナルトは黙り込んだ。

それでもライナルトにはガルナの国の人を助けたいた思った。

それはセシルのおかげだった。

だが今はそのセシルが戦うことを止めている。

「セシル、ごめん。」

ライナルトはヴァイロンの方に向かっていった。

「ライナルト、貴様の血はあのとき、完全に吸い尽くしておくべきだったな。」

「今後悔しても遅い!」

ライナルトの拳が空気の流れを乱す。

ヴァイロンはライナルトの拳を避け、抑えた。

「後悔はしていない。貴様の死が無様になるからな。」

「俺は死ぬ訳にはいかない!なぜ人を襲う?」

「いいだろう!冥土の土産に聞かせてやる。吸血鬼は人の血を吸わないと生きていくことはできない。だが人間を家畜にしたらどうだ?我ら吸血鬼は永久の生命を手にいれる。」

ライナルトはヴァイロンを睨んだ!

その目は強く、美しかった。

「生きるために犠牲をつくるのか!おまえが生きるなら誰が犠牲になってもいいのか!」

ヴァイロンは笑った。

「ならば貴様が今まで殺した吸血鬼はなんだ?」

「おまえの勝手な計画に従った犠牲者だ!」

「なるほどな、だが誰かの生命は犠牲の上で成り立っている。そうだ、犠牲無くして生命は続かない!」

ライナルトには答えを導き出すことはできない。 

「そこまではわからないようだな。ならば少し時間をくれてやろう!」

ヴァイロンは手から黒い闇を放つ!

それはセシルの身体を包む!

「何をする気だ?」

「こいつの命が惜しければウォール山脈にある我が居城に来い!」

ヴァイロンはそういって消えた。

ライナルトはひざまづいて地面を力まかせに叩いた。

「もっと俺に力があれば···。」

「力だけが欲しいのか?それだったらセシルを助けることはできない。いいか?人間はなぜ感情がある?人間はなぜ感謝する?おまえなら解るだろ?」

そんなことを言ったのはクロードだった!

「人間は誰か犠牲にする代わりに感謝するだろ!」

その言葉がライナルトの胸に響く。

「そうか、人間を家畜同然に扱うのとは違う。人間は助け合って生きていく。それは犠牲じゃない!」

クロードは少し笑いながら小さく息を吐く。

「フッ、やっと気づいたか。追放ごっこは終わりにしてやる!その代わり、セシルを必ず助けて来い!」

ライナルトは頷いた。

「ああ、必ず。」

ライナルトは歩きだした。

次回で完結します。

読んでいただきありがとうございます。

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