3、野獣に合う
ピン~ポン~
こういう時がチャイムが鳴るとは、何とも言えない嫌な予感だ。
「シロネコヤマトと、お荷物でーす」
なんで今宅急便がくるの?先日補給したばかりの一ヶ月が持ちこたえる程の量だ、まだ配送員のおっさんに合うのは大分時間があるのはず!何をやらかしたなこの神め!
「ミッションをクリアしないと、まだ死んじゃうよ~まだ死んだら不良品(転生不適合者)として天界に渡ししかない。私のボーナスがなくなるのは確かに痛いけど、君は転生できなくなって魂の底から消えてしまうよ~それでいいの?」
先までここにいった自称神様の野郎の言葉が耳に残る。あ!もう!この宅急便がミッションの一環だとしたら、無視してまだ死んじまったらどうする!やもえん!
「はい~」
決心して勢い良くドアを開けると、シロネコヤマトの制服を着ている男の人がそこに立てる、視界に入ったのは首下の体のみ!?身長は180センチ超えてるな!何それ、巨人?僕が男だったときの身長なんで160でさえ超えていないのにぃ!ムカつく!
「お前は何者だ!いつもの木村のおっさんはどこだ?」
つーん!不機嫌なので激しく言ってやる!
こんなに高い人はどんな顔がしているのだろう。必死に不機嫌オーラを放して頭を上げて見ると…何それ、怖い!猛獣かよこいつ!不良っぽくて目つきが怖い、体がついつい震えてきたよ。怖いよ!
「あっ!はい!木村先輩は就職先が決めたので、いまこちら辺は僕が代わりに担当してる!佐渡です、よろしくお願いします。」
何よこの人、急に目を瞑って頭を片方にむいてる?怪しいぞ、でもやはり怖い…早く終わりにしたい、おしっこが漏れじゃうよ。
「な、なるほどね、早く荷物をくださいにゃ!」
し、しまった!怖くて舌嚙んじまった。
「お、おう!サインお願いします!」
奴は目を瞑ったままだ。
手が震えてサインをして荷物のダンボールを受け取って、ドカンとドアを閉じた瞬間両足から力が抜いてしまった。地面に座ったまま深呼吸して頭を冷やした。
そう言えば、さき神のことばっか考えて不意にシャツ一枚だけ着て出たな…なるほど、だから目を瞑ってるのか、外見と違って結構良い奴かもしれないな…つい見た目で人を判断してしまった。あの圧倒的な身長は確かにイライラするけど、次回に合ったときはお詫びしよう。
それをほっといて、ごっくり、荷物を開けてみよう、神が言ったサポートかな、なんなんだろう。
ダンボールを開いたら、最初目に入れるのは…これ…いわゆるパンツという女性の聖域を包んで、下着に分類されて男にとってはロマンそのものってやつか!
なんと!僕はいま夢を掴んでいるだというのか!
そのパンツを両手で持ち上げて、前に広げた僕はつい目前の光景に見とれてしまう。
ほほ~ややエロっぽい黒いレースパンから清純さが立つピンク色の紐パンまである、全部ネットで写真しか見たことのない逸品だ!
「おやおや~、これは君が履くものよ、感心したらどうする!さあ履いて履いて、私の趣味がためだ、自信を持ってはきなさい!」
まだお前が!急に消えてまだ直ぐに現して人に痛いことを押し付ける!なんて鬼畜な神だ。
無視しよう、うん、そうする。
さてと、パンツを横において。そう言えば下にまだ何かあるようだ、これは…ブラか!パンツと揃いものか。そして…セーラー服?広げて見れば、全体黒ずくめに黒いスカーフ。スカーフの留めに黄色の星と月の刺繍が入っている。それに短いマントがある。淑女風が漂うユニフォームだ。
「いいでしょう~私立星月高等学校、通称「星高」。その制服は評判だよ~特にそのマントだ。カバンもあるよ~」
「学校に通う手続きも済ませた、明日から通われるのよ、どう~驚いた?私凄いでしょう~」
ああ、確かに驚いた、そこまで完璧で迅速に準備できるとは、さすが神って感じ?
「明日から学校か…」
親が亡くなった以来、学校という名詞は僕にとってはあんまりにも遠いもの。行ってもみんなが僕のことばっかり言う、かわいそうとか、ざまみろうとか、勝手なことばっかり。僕には同情などいらない、只々静かに生きたいのに。聞きたくない、見たくない、だから僕を見るな、喋るな!やがて、他人の言うことと目線が怖くなってしまた。気付いたときはもう学校を行かなくなった。
「まさか僕がもう一度学校に行くなんで、とんでもない冗談だな。」
皮肉なものだ。
僕を答える声が響かなかった、そうか、まだ消えたな…
あの頃の僕と同じだ、何も変わりゃしない。あれ、目から何か出ているようだ、口角まで流した。ちょっとしょっぱいな…僕が泣いているのか?僕は…初めて泣くことを知った。
どうも、タイサです。泣く場面は唐突かもしれないですが、前に神が言った魂が体に合わないので、以前の主人公は一部の感情を得られなくなってしまたので、すべてが正しくなったときは泣きました。筋が合うように修正します。m(_ _)m