表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/101

93.兄が見ている世界 —期末試験③—

わたしは、

『それで、どんな匂いがした?』

と聞いてみた。


兄が真面目な顔で、

『メインはファ〇リーズ、その中に石鹸、奥底に……』


と答え始めたので、わたしは慌てて、

『ごめん! やっぱその質問なし!』

と言った。


兄は少し残念そうな顔をした後、

『記憶の続き、いい?』

と聞いてきた。


わたしは、

『どーぞ、どーぞ。』

と答えた。


ありさが、

『あっ、バス来たよ!

早く、まりちゃん離れて。』

と言った。


すると、まり姉が呆れたように、

『ありちゃん、私に離れてって言うのおかしくない?

言うなら、あっくんにだよね?』

と言う。


ありさは、

『あ、ごめんね!

まだ起きてすぐだから、ボーっとしてて言い間違えただけ!』

と慌てて弁解した。


まり姉はクスッと笑う。

『ありちゃんは、あっくんと違って、ちゃーんとテスト勉強してるからねー。』

すると、ありさが不満そうに口を尖らせた。


『あー、まりちゃん酷い。

私がこの中で一番成績悪いからって〜。』


兄も負けじと反論する。


『俺も今回はかなり頑張ったしー。

家庭科だけだけど……。』


まり姉は二人の反論に対し、

『あーはいはい。

あっくんも、ありちゃんも、よく頑張りましたー。』

と、子供を褒めるような口調で言った。


わー、まり姉。

朝から大変だねー。

と、わたしは思った。


3人はバスへ乗り込む。


すると、ありさが、

『次は私!』

と言って、兄に向かって自分の太ももを優しく叩いた。


さらに兄の腕を軽く引っ張り、自分の太ももの上へ頭を乗せる。

ありさは満足そうに微笑んでいた。


まり姉は、

しょうがないなー。

そんな顔をしている。

やっぱり、まり姉は大人だなー。


そう思っていた。


だが、わたしは見てしまった。

兄の手を握ってる……

しかも、恋人繋ぎ……

そして、その状態は他の乗客が乗って来るまで続いた。


当然、手は繋いだままだ。


学校に到着し、朝のHRで担任が話し始める。

『内定が出てる奴は、この試験が終わったら自動車学校へ行っていいからなー。

赤点なんて取らずに、さっさと終わらせろよー。』


兄は真剣だ。

なぜなら、まり姉に負けたくないから。


そして、期末試験1日目が終わった。

帰りのHR。


担任がプリントを片手に言う。

『家庭科の調理実習、どの日がいいか適当に決めといたから、それぞれ受けるように!

最初のグループは、今日の11時半スタートだ。

家庭科の先生が、毎年同じ内容は飽きたから、その日の気分で決めるそうだ!』


そして、まり姉、ありさ、兄の方を見て、

『仲良し3人組は、最初のグループに纏めておいたから。』


と言い残し、職員室へ戻って行った。


兄の顔から血の気が引く。


あれ?

なんで、そんな顔してるの?

わたしは首を傾げた。

ご意見 ご感想 よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ