三男は兄達の苦労を知っている
「ラインナルト。ロベルトと一番歳が近いお前が話してやれ。私やランドルフでは歳が離れ過ぎて話にも並んだ郎からな」(骨は拾ってやる)
「兄上!聞こえましたよ!わかりました。ロベルトと話をしてみますが、どう転ぶかはわかりません。それに父上からはロベルトを貴族籍を除籍すると聞いてますが…。多分これって俺の部隊に入るってことだ〜ぁ!!ロベルトォ!何てことしてくれてんだ〜!!折角俺が入って以来、第三魔獣騎士団は生存の奇跡部隊だと言われて来てるのに!!これでアイツが俺の部隊に入ればまた、屍部隊だと言われるんだぞ!!では兄上、ロゼリアにも今回のスタンビートで大活躍した事を話して起きますよ」
「あ、おい!!それは…」
強制的に通信を切ると、思わず口元が綻んでしまった。
今頃、兄上達はきっとロゼリアへの言い訳を考えている事だろう。
本当のことを言えば、ロゼリアは怒りの鉄拳で兄上を伸してしまうか、兄上とは口を利かないと拗ねられるかどっちかだろう。大体、スタンビートを抑え込むのに妹の声を使おうと言い出す方が悪いに決まっているだろう。
俺、ラインナルトはロベルトとは五歳違いの兄弟だ。俺は二十。ロベルトは成人したばかりの十五。可愛い妹のロゼリアは四日前に十歳になったばかりだ。
一番上の兄、ローレンス兄上は魔法学院騎士科と魔法学科、領主候補生科を首席で卒業。(この偉業は父のラファエルが最初にやった領主候補生科、魔法学科、騎士科と全ての学科の最優秀取り、文句なしの首席で卒業した。その後は兄がこの偉業を成し遂げた。以来、ホーウェインス家では無茶振り偉業を他の兄弟も!と言う風になった。お陰で俺もだが、魔道士のランドルフ兄さんなんかは特に大迷惑してる。
騎士科には行かないと言っていたランドロフ兄さんまでもが、ホーウェインス辺境伯の子息が騎士科に志願しないとはなんたる事だと強制的に騎士科に入れられた。ランドルフ兄上の凄いところは嫌々ながらも、父やローレンス兄さん達と同じ偉業をさらっと達してしまった。しかも、歴代最速で。その上、新たな学科まで作ってくれた。魔導騎士科。
これって益々俺へのハードルが高くなるんすけど!!
オイオイ、三男はいつも出涸らしと言われるのが普通なんだよ。そんな俺に期待するな!!
そんな泣き言など我が家には通用しない。
言ったら言ったで、次の日には顔の原型が変わるって事だけはよーくわかってるし。
バケモノじみた両親と二人の兄達からのスパルタ特訓で、何とか俺もその偉業の仲間入りは出来たが…。
何をやっても周りはいつも親父、兄達と俺を比べるばかり。
『君のお父上が君くらいの年には成績も優秀だったのに、君は…』
『おや?ラインナルト様ではないですか!少しはお兄様方を見習ってホーウェインス辺境伯家の意地を見せて下さい、あなたと同じ年にはローレンス様は騎士としても領主候補生としても優秀でね…』
『ランドルフ様は御自分の得意分野とモンスタービートへの懸念も考えられて、新しい学科を作られたんだ。君もどうかね?君は出来ないのかい?はぁ〜それでも君はあの、ホーウェインス辺境伯の血を引くのかい?』
いつも周りからそんな声に晒されれば、誰だって潰れるに決まってる。
実際、俺も潰されそうになったし。
俺はそんなホーウェインス辺境伯の血云々から、逃げたかった。何処でもいい、とにかくあの家からも、あの領地からも王都からも離れたかった。
そんな俺が志願したのが第三魔導竜騎士団。
俺みたいに実家にとってのあぶれ者なんて実際探さなくても何処にでもいた。そんな奴らを集めてたまたま出来たのがこの第三魔導竜騎士団だ。もちろん竜に乗るが、その竜さえも北の死の森で自分で見つけ、竜との契約を行わなければならない。それさえも死を覚悟して。もちろん竜が契約者との契約を嫌がれば、即俺たちは腹の中。これほどシンプルな駆け引きはなかったし、竜にはホーウェインス辺境伯なんて関係ない。そんなの腹の足しにもならんだろう。
勿論、家族に第三魔導竜騎士になると言っただけで、両親からは大反対され、妹には泣かれた。(これが一番堪えた)第三魔導竜騎士団は冗談抜きで、死を覚悟しろといわれてるからな。
一説によれば、毎回の討伐に向かう際に必ず遺言書を書かせられると聞いてる。
(聞いたときはマジかよ!と思ったが、初討伐前に死んだ目で遺言書を書けと副長に言われた時には、『何故?』と聞いてしまったがな。あれもいい経験だった…)
そんなこんなで新人一年目の頃は、百人いた新人隊員達が半月も経たないうちに三割が脱走。(初討伐前の遺言書が決め手だったな)三ヶ月後には二割が怪我や心神喪失で退団。半年もしないうちに残った隊員達の中でもその内の半分が四肢欠落で退団して行った。そうして残ったのは、俺を含めて二十五人。先輩達に言わせると、これでも例年よりも多いらしい。だが、この後にある死の森での竜とのワイルドなお見合い(竜を自分で捕縛し、竜の魂を自分に服従させる)で絆の儀式で竜に気に入られれば、そのまま生きて第三魔導竜騎士団に残れるが、パートナーが見つからなかった場合、運が悪ければそのまま竜の腹の中。これほどはっきりした事などないだろう。竜にはホーウェインス辺境伯家や貴族など関係ないのだから。どちらが強いか。それだけだ。
俺はもうこれ以上仲間を失うのは懲り懲りだ。どんな些細な事でも情報を網羅させ、いつ如何なる時でも万全の体制で魔獣と言う最大の敵と戦う為、部隊の中で何度も話し合いをし、時には争いも勃発した。
そんな紆余曲折の末、ようやくここ二年で第三魔導竜騎士団も纏まり、皆が安心して生きて故郷の土を踏めるようになったと言うのに…。
俺が大三魔導竜騎士団に入ってから二年くらい経った頃、何故ローレンス兄上が魔法学院で最優秀を毎年撮り続けていた理由を知って、あの時腐りかけてた自分を殴りたくなった。
父上が魔法学院で学生をやっていた頃、丁度半世紀に一度の大雨が降り、領地の作物はもちろん不作続きでその上に連日の大雨で川が氾濫し、多くの田畑と共に領民達も家や家族を失った。
魔法学院では最優秀の学生にだけ賞金とその学生の出身領地から国への納税が免除される。そのことに目を付けた父上は領主候補生、騎士科、魔法科全ての専門科目で最優秀を取った。
それぞれの専門科目での最優秀と言うことで、父上の時は三年間の納税免除と賞金が来たと言う。
それで領地の復興の為に使った。
ローレンス兄上の時は隣の領地(サザンブルジェ伯爵)で長雨の後の台風で土砂災害が起きた。サザンブルジェ領は未曾有の危機に陥った。ローレンス兄上の幼馴染だったラズレリア樣との婚約があわや白紙に…。兄上は父上から聞いた学院での最優秀者に贈られる賞金と納税免除を聞き、『必ず手に入れるからラズレリア様を妻に欲しい』とサザンブルジェ伯爵に告げ、三年間もの間ずっと最優秀を取り続けた。
婚約者の実家を支援したいからと最優秀の賞金と納税免除対象をサザンブルジェ領に使った。
それまで一人娘を守る為にと常に張っていた緊張が緩んだのか、サザンブルジェ伯爵は兄上の献身なまでの心に安堵したのか、天の源へと駆け上って行かれた。
婚約中だったが、一人娘で父と娘の二人家族だったサザンブルジェ伯爵家には、ラズレリア様が他領へ嫁ぐよりも他領から婿に来てもらわなければならなくなった。
そうなると、兄上との婚約は当然白紙に。その半年後にサザンブルジェ女伯爵になったラズレリア様は同じ領地の分家出身のロペスと結婚された。兄は全ては天の采配だと納得していたが、それ以来、兄は笑わなくなった。
二人の悲恋は社交界でも話題をかっさらうほど有名だったが、兄とランドルフ兄さんだけは事実は全く違うんだよと笑っていた。
だが、ラズレリア様が結婚された二年後、事態は急変した。サザンブルジェ女伯爵とその夫ロペスは兄上が率いる騎士団に捕縛された。
密かにご禁制の天使の雫を密輸入し、それを使って中級下級貴族達子息や令嬢達に売り捌き、各当主達を脅した。反王制に汲み従う事を約束させていた。あれだけ儚く優しげだったラズレリア様が、全ての指に指輪を着け、横に転がれる方が早いくらいに丸くなっていたのには、流石に兄も驚いた事と思う。
しきりに彼女は『こんなはずじゃなかったのに』『貴方まで私がやったと言うの?』『お父様が貴方まで私を疑っていると知ったら、悲しまれるでしょう』そこまで言っていたと言う。
一体どの口がそんなことを紡げるのか、その頭の中を切り開いて見てみたいものだ。
その後の調べで、前伯爵は病死とあったが、天使の雫を多量摂取の上での殺人だったとわかった。決め手は生前に前伯爵から兄へ宛てられた手紙だった。すでにその頃から天使の雫の虜になっていた娘を処刑してでも止めて欲しいと言う親御心からだ。
処刑台でつらつらと読み上げられる罪人達の罪状に、貴婦人達は気を失うほど酷いものだった。
サザンブルジェ領内で不自然に諸外国からの武器が大量に調達され、反王制貴族達を集めての会合や既に王宮にまで間者を送り込み、王族達を殺害しようとしていた。
その後サザンブルジェ領は解体され、王家に戻された。
中には、兄の事を恋人だった女を自分の出世の為に売ったと中傷する輩もいたが、兄はこの事件のことは終わったことだと何も話さない。
次兄のランドルフ兄さんはローレンス兄上とは違って筋肉モリモリなのにインドア派だ。そんな兄さんもローレンス兄上とラズレリア様との縁談に怒っていたし、サザンブルジェ前伯爵が亡くなったことにも疑問をあげていた。
キナ臭いし、あまりにも彼らにとって都合が良すぎじゃないのか?とかずっと言っていた。当時魔法に目覚め、火水風木光闇の全魔法を操ることが出来た兄さんの目には、きっと常人とは違う風景が見えていたに違いない。だから悲劇の恋人と言われたラズレリア様のことをずっと疑っていたんだろう。
ただの学生では他領の事に口出しなど出来ない。だが、最優秀を頂いた学生のみが王へ進言できるし、希望を叶えてもらえる。(一つだけがかな)その時のランドルフ兄さんの希望と言うのが、『故サザンブルジェ伯爵の遺体を検体させてほしい』これを最優秀賞の希望にしてしまう兄さんも凄い。
兄さん曰く、前伯爵からは生前に『自分に何かあった場合には、魔法での検体を切望する』頼まれていたと言う。伯爵も死ぬ前にすでに検体に必要な書類さえも揃えていたと言うから、驚きである。
その後地道になる魔法の調査でサザンブルジェ伯爵は他殺だったことが分かり、現伯爵の夫が横領、婦女強姦、と殺人示唆の罪で処刑された。
魔導師としても優秀だったランドルフ兄さんは、魔法でサザンブルジェ前伯爵の遺体を検分し、毒を検出した。それが天使の雫だと判明。ラズレリア様は最後まで否認されていたが、彼女が自ら父親に毒入りの紅茶を毎日飲ませていた事がわかり、ラズレリア様は処刑され、サザンブルジェ領は王国に返上された。
『女って怖いな。あの領地が元々カツカツだったのは、彼女と祖父母の散財だったし、それを止めようとしていた母親を三人で亡き者にしたって聞いた時には、あれは人間じゃないって思ったな』
女って怖いな…そんな事をポツリと呟く兄さんにも、いつか素敵な嫁が来る事を俺は祈ってるよ
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オリジナル魔術で空間移動術を使い、王都にある屋敷へ帰宅した。当然魔力はごっそり持って行かれるわ、全身血まみれで気持ち悪い。かと言って、走って自分の部屋まで行く体力は残ってない。腰につけてた回復薬の蓋を開け飲み干した。
多少気怠さは残るものの、魔力は完全回復した。早くロゼリアのところへ!そう心が焦ってた。だからか、ロゼリアの叫びの内容が理解できてなかったんだよな。音声ひび割れてたし。
ロゼリアに会う前に身なりをきちんとしないと…我が家の妹姫は身だしなみにとにかく煩い。
髪が少し跳ねてただけで、もう一度風呂に入って来てと言われるほど。
そのお陰で、学院では他の学生達からは『ラインナルト様って、綺麗好きなんですね』などと言われていた。
全ては妹のためだ!
身なりを整え、広間へ向かう俺の足元には転々と続く血痕。…俺の眉間は段々と険しくなってく
疾走りで血痕を辿り、逸る気持ちで広間の扉を魔術で吹き飛ばした。
「う、嘘だろ?」
俺の目の前には、無残にも散らばる長く美しかった妹ロゼリアの髪と真っ赤に血の上に横たわっている母ロスヴィータの姿だった。
「母上!」
母の様子を診てみると、ロゼリアの髪に籠められた回復魔法で何とか、母子共に命だけは助かっていた。だが、目を覚ますかどうかはわからない。
「ロゼリア…」
母をこのまま床の上に横たわらせていたとなれば、それを父の耳にでも入れば…消しクズにされる事間違いない。
洗浄魔法で血染めの服を元に戻し、癒しの水玉に母を入れたまま主寝室へと運んだ。
余程、強い力で母を殴ったのだろう。強い母がここまでやられるのは最も強い相手か、母自身が攻撃を躊躇うほどに溺愛している者かのどちらかだろう。
まあ、十中八九ロベルトか。あのバカは何を焦ってんだ。母上も母上だ。身重で魔力の殆どを胎児を育てるのに持って行かれると言うのに、何故ロベルトと戦おうとしたのだ。俺や父上を待つことも出来ただろう。
母上のことだ。ロベルトを説得して改心させようと試みたんだろう。俺も通った道だが、ロベルトもこの家の偉業である全科目最優秀であるべきだと言う無茶苦茶な圧力で潰されそうになったんだろうよ。
どこかでガス抜きをするコツを学べばよかったんだがな。
俺の場合は、ギルドに加入して魔獣討伐で憂さ晴らししてたがな。
床に両手を付くと俺は俺の中の奥にしまっていた魔力を解放させると探査魔法の探査区域を広げた。
人にはそれぞれ異なる指紋があるように、魔力も人それぞれ違う。ロベルトとロゼリアの魔力を探し始めた。
別邸の地下…にロベルトとロゼリアそして、二つ妙な魔力があるが…誰だ?
別邸の地下へと急いだ俺の目の前にいたのは、ギルバルト殿下とアルベルタ嬢? 確か二人は平民になったと聞いていたが(王子は王籍除籍処分に子爵家は王国に爵位返上)何故我が家の別邸にいる?
隠匿のスキルを使い二人の後をついて行けば、地下牢だった所には幾人もの若い死体が転がっていた。
その奥では怯えたロベルトが縛られているのが垣間見える。
何があったんだ?
「大体、何故俺が鉱山で鉱夫をしなければならんのだ!賠償金を払えばすぐに自由の身になれるんだ。俺とアルベルタのためにロベルト、君もやってくれるんだろう?」
「エーミール…は?マイケルは?」
「可笑しなロベルトさん。お二人共、さっきからずっとロベルトさんの目の前にいらっしゃるじゃないですか」
ほら、ここにと指差した先には、焦げた箇所が人の形になっている。そこに転がるのはロベルトの親友達ではなかった。二つの魔石と聖職の者だけが着用することが許される白銀のローブと。その近くには猪に牡丹と言うカナン宰相家の紋章が入ったタイと緋色の上着があるだけ。
「う、嘘だ」
「魔石って隣国では高値で売られるんですってよ」
「ま、まさか…」
「私達にはどうしても大金が必要なんですのよ。ギルバルト様は今まで人の下で働いたことなどありませんからね。これはやはり私達のために出来る人がやるべきよね? 適材適所って言うでしょ?
あなたも私達のために魔石になってくださいませ。ロベルトならさぞや大きな魔石になるでしょうね。楽しみだわ」
あ。その前に魔石になってもらうのはロゼリアさんかしらね。
アルベルタはまるで明日の天気の事を言うかのように、天使の様な微笑みで恐ろしい事を平然と口にしている。
ロベルトへと振りかざされる聖剣は落雷と共に粉々に砕けた。
「誰!!私達の崇高なる行いを邪魔する愚か者は」
「やあ、平民で脱走鉱夫のお二人さん」
俺の弟を回収しに来たんだよね、そう優男の笑顔のままで微笑みながらも、氷の様な目で指先はさっきからずっとバチバチとスパークさせてる。
「おっと、そこの二人は動いちゃダメだよ。すでに此処は第三騎士団が周りを取り囲んでいるからね」
それを聞いたギルバルトはガクンと膝をつき、うなだれた。
ギルバルトとは対照的にアルベルタは隠し持っていた魔剣を構え始めた。
「君って、(うちの妹に比べると…全てに)残念だね」
彼女の頭上に何百ボルトもの雷が落ちた。それを合図に第三部隊が雪崩れ込んで来ると元子爵、男爵子息達が取り押さえられて行く。あのまま大人しく鉱夫とその妻として働いておけば、慶事になれば恩赦になって平民にっててもあっただろうに。本当に過ぎた欲望は男もだが女も狂わせるんだな。
「君たちの事なんて本来ならば、生かしておきたくはなかったんだよね。あーこう言うのを空気の無駄遣いって言うんだってさ。僕もそこまで非情じゃないからね〜。まあ、薬の事もだが、君がスパイだって事ぐらいわかって泳がせていたんだよ。お〜っと逃げちゃダメだよ。君は本当に煤汚しの様だね、ダメだよ逃げちゃ。犯した罪の責任はきちんと取らせないとね」
それでも這いつくばって逃げようとしたアルベルタに電撃を加えた。
俺の妹に手を出そうとした事、死ぬほど後悔させてやるからな。
まあ、聞こえてないか…少し残念そうな表情で縮れた金髪アルベルタを見下ろすラインナルトは、連れて行けと顎をしゃくった。 最後に未だ放心状態の元王子は股の部分の布地が濃くなっているし、感電し失神状態の元子爵令嬢は頭もだが、眉毛まで縮れている。第三騎士団の隊員達はそれを荷物の様に小脇に抱え、今回の鉱夫脱走、監禁殺人の物的証拠、反王政主義を謳ってるを押収して行った。
未だ震えているロベルトの方へ近寄るが、ロベルトの目の焦点が合っていない。
目の前で親友達が殺されて心が折れたか。それとも、妹まで魔石にされそうになって漸く目が覚めたか。
どっちかだな
「こいつは第三騎士団の訓練室へ連れて行け」




