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南条翔は其の狐の如く  作者: つゆのあめ/梅野歩
【第二幕ノ肆】魂の在り処
144/158

<九>朝な夕な、烏天狗はこいねがい


 左手と両足に刺さっている羽根をお手製大麻で取り払うと、足の裏が地面に着く前に三尾で木の幹を勢い良く押す。

 足代わりとなった三尾の力は大したものではないが、軽く体を浮かせることくらい可能だ。


 みずから烏天狗に向かうと、浄衣を棚引かせ、お手製大麻で宙を裂く。

 着地のことまで考えていなかったため、錫杖で受け止めてくる天馬に全体重を掛けてしまう体勢となったが、三尾で器用にバランスを保ちながら相手を押す。少しでも動きを封じるために。

 大麻と錫杖がこすれ合う度に、双方の妖力が迸りあう。まるで火花が散るよう。それほど、容赦のないぶつかり合いだと言える。


「貴様の力など、張り合うほどでもない」


 蔑視と共に大麻を受け流し、翔の腹部に膝小僧が入る。

 患部が悲鳴を上げるも、「甘いのはお前だ」これしきのことで倒れるほど自分は軟ではない。額に二つ巴を浮かべ大麻を握りなおし、その柄の先端で烏天狗の横っ腹を突く。

 倒れることを予想していた相手の不意を突くことに成功すると、三尾のひとつで傾く体を支えて、もうひとつで足払いをする。


 すかさず宙を浮く烏天狗の翼を狙い、大麻で突く。

 己の妖気に耐えられないのか、衝突の度にカタカタと震えたが、翔は持ってくれと心の中で願う。どうしても、自分は負けられない。


 錫杖が顔の真横を貫く。

 顔を動かして避けるも、野寺坊が四股を踏むことにより、支え棒となっている尾が崩れて体が倒れた。

 そこを錫杖が薙ぐが大麻を地面に突き立て、吹き飛ばされる身を堪える。


 野寺坊が四股を踏もうとすると、「邪魔をするな!」翔は縫った患部を押さえながら大麻を振り下ろして、鋭い風を放った。青葉とギンコがすかさず野寺坊の相手も、ツネキが翔の下に行こうとすると太い錫杖を大地に叩きつけて地を震わせた。

 揺れる地は周囲の動きを封じる。動けるのは翼を持つ者のみ。衝撃と共に体が蹴り上げられた。


「終わりだ。南の十代目」


 満目一杯に広がる、烏天狗の姿。

 やっぱり天馬はすごい。次から次に自分の攻撃を受け流してしまうのだから。飛び上がった体が重力に従って落ちていく中、翔は素直に天馬の手腕を認める。

 視界の端に不届きな動きが映った。大麻で錫杖を受け止めることを諦め、尾で烏天狗を押すと体を反転させる。


「天馬に手ぇ出させるかクソが! これはこいつと俺の勝負だ!」


 誰にも水を差さないところで、それこそ真剣勝負をしたい。


 烏天狗の錫杖に背を叩きつけられる。

 しかし、翔はその痛みより飛んできた太い錫杖を大麻で受け止め、一妖を守ることを選んだ。このままでは自分は勿論、天馬にも被害が及ぶと分かってしまったから。

 しなる大麻で太い錫杖を振り切ってしまうと、後は野となれ山となれ。着地に失敗した翔は、その場で崩れるしかなかった。


 頭上からは羽ばたく烏天狗の羽音。

 振り切ったはずの太い錫杖は弧を描いて持ち主の下に戻り、再びそれは投げられた。野寺坊の下劣な笑いが勝利を謳う。


「これにて我等の勝利よ。足の不自由な妖狐など、取るに足らぬ相手よ」


 木々や茂みを薙ぎ、柱のように太い錫杖が倒れた獲物にトドメを刺す。

 軌道が逸れたのは瞬きのこと。反射的に目を瞑っていた翔が瞼を持ち上げると、「これにて敗北、の間違いだ」錫杖を片手で回して構えを取る烏天狗の姿がひとり。

 思わず顔を上げてしまう。自分を守るように構えを取る天馬が、そこに立っている。立っているではないか。


「どこの世に不自由な足で、師範の息子に喰って掛かる馬鹿がいるのでしょうか。翔、貴方のやっていることは無謀というんですよ」


「てん、ま? お前。正気に戻って」


「あろうことか敵に背を向け、その敵を守るなど笑止千万、と言ったところですかね。そのような無茶な武の心を教えたつもりは毛頭もないのですが。翔らしいですね。困った弟子です」


 烏天狗は此方に顔を向けない。

 正気に戻っているのか、相手の目を見て判断したい翔は幾度も声を掛ける。

 けれども、天馬は顔を背けたまま。野寺坊に視線を置き、構えを取って身を低くしている。


「あいや。まさか、正気に戻ってしまったのか。返り忠」


 野寺坊が嘲笑する。

 庇われた契機に、心の奥底に沈めていた正の意識が目覚めてしまったのか。せっかく相棒の野寺坊が“心象返り”の術を掛け、負の意識を呼び起こしてやったというのに。

 とはいえ、正の意識を取り戻したところで(うつつ)は変わらない。野寺坊は細い笑みを浮かべる。


「お主は既に大罪を犯している。よもや忘れてはなかろう。たった今まで、主君に刃を向けていた光景を。返り忠、正気に戻ったところでお主に待つのは地獄のみ」


 だったら黒百合に身を投じた方が良いのではないか、野寺坊の卑怯な問いに翔は奥歯を噛みしめた。誰が天馬にそのような行動を起こさせた。誰でもないお前たちではないか!

 反論の声を上げる前に、「何を勘違いしている」天馬は冷たく薄ら笑いを浮かべる。


「自分がいつ、宝珠の者達の下に戻ると宣言した。あれは名張に罰を与えた者達。そして名張は罰を与えられた一族。然るべき、鞘に戻るさ」


 烏天狗の横顔を見た翔の背に悪寒が走る。彼は何を言って。

 

「名張一族は、この名張天馬の代で終わりだ。返り忠らしく貴様の首を討ち取り、この命を持って罪を償う」


 それが名張一族がすべき本来の償いだ。

 天馬の覚悟を宿した怒号は天を裂き、烏天狗の身は火縄銃から放たれた弾のように、野寺坊の懐へ飛び込む。


 瞬きもできない動きの速さだった。

 彼は肥えた体躯に向かって錫杖を振り下ろし、急所である鳩尾を先端で突く。敵が分厚い脂肪が衝撃を和らげたと把握するや、身を裂くために懐刀を持つ。


 その間にも、野寺坊の柱のように太い錫杖が薙ぐが、烏天狗はこれっぽっちも避けるつもりはないようだ。

 左翼を叩きつけられようと、より脂肪の少ない急所を目で探して飛躍する。


「天馬殿! 無茶です!」


 一旦引くべきだと悲鳴を上げた青葉がギンコから飛び下り、彼に救いの手を伸ばすも既に遅し。敵は烏天狗が首元に狙いを定めたと分かるや、素早く錫杖を持ち、力任せに柄頭で彼の左翼を貫いた。


 数秒前に叩きつけられた左翼が、今度は貫かれた。

 風の流れに沿うように生えていた羽が乱れ、それが一枚、また一枚抜け落ちる。

 痛みがない筈などないのに、天馬は能面のまま野寺坊を捉え続ける。否、薄ら笑いを浮かべていた。


 青葉と距離が縮まると、「邪魔です」これは自分の獲物だと言わんばかりに錫杖を回した。手出しは無用だと主張する。


「野寺坊の次は貴方達だ。御覚悟を」


 巫女に向ける感情は、まごうことなき敵意だった。


「……天馬殿、貴方の起こしている行動は自棄と呼ぶのです。正気に戻った今、私達が諍いを起こす必要はどこにもありません」


「自分、コウモリですので」


「コウモリ?」


 青葉には意味が分からなかったのだろうが、翔には分かる。イソップ寓話のコウモリを言っているのだろう。コウモリは自分が鳥なのか、獣なのか、いつもどっちつかずのことを言っていた。

 言い換えれば、どっちにもつけるように振る舞っていた。コウモリは裏切り者の比ゆ表現なのだ。


「ふざけた奴だな。お前は」


 皆がこんなにも烏天狗を助けたがっているのに、天馬は両方に敵意を見せる。

 どうして拒んでしまうのだろうか。裏切るような行動を見せてしまったから? それとも秘めていた感情が表に出てしまったから?

 違う、天馬はそれ以上に己に対して失望してしまったのだろう。


 青葉に気を取られていた天馬の危機に気付いた翔は、傍にいるツネキに声を掛ける。

 自分の下した命令に、金狐はホトホト勘弁してくれと言いたげな面持ちだったが、「頼むって!」事は一刻を争う。ここは自分が行かなければならないのだ。


 諦めたように溜息をついた金狐が、翔の浄衣の襟を掴むとその場で身を回し、勢いをつけて投げ飛ばす。


 野寺坊の錫杖が天馬の脳天を叩きつける前に、お手製大麻で受け止めることに成功した翔だが、反動で後ろに倒れてしまう。


 よって烏天狗を下敷きにしてしまうも、翔は野寺坊から天馬を守るべく大麻を構えた。

 次の瞬間、無防備な体勢の二人をいっぺんに叩きつけるべく、錫杖が下りてくる。


「ンの、馬鹿力め」


 ぷるぷると腕が震えた。大麻の持ち手が大きくしなり悲鳴を上げている。このままでは折られてしまうだろう。


「青葉、ギンコ! 右から回れ! ツネキは左だ!」


「退いて下さい。貴方の相手は後でしますから」


「うっせぇよ。お前は後で相手してやっから、今は黙って守られとけ」


 「翔!」天馬の怒号など耳にも入らない。


「烏天狗を守る、とは? 若き十代目よ。お前はそやつに裏切られた現実を受け入れていないのか。返り忠に帰る場所などないというのに」


 野寺坊の皮肉も聞こえない。翔は鼻で笑ってやる。


「俺は俺の見た現実をありのままに受け入れているだけだ」


 この男ときたら自分の地位利用を目的に近付き、一族のため自分のために武の師を買ってでた曲者。未熟な十代目などお守も同然なのに、忠誠を誓って自分に尽くしている。

 利己的な一面から知り合った自分達だが、翔は知っている。天馬の努力を、先祖の罪を清算するために奮闘していることを。

 そんな彼を誰が裏切り者と呼ぼうか。

 たとえ、彼が宝珠の者達を恨んでいようと、翔は天馬を同胞と謳ってやるのだ。


「天馬はお前に負けた! ただ、それだけだ!」


 どこから聞こえてくる。違う、自分は裏切ったのだという声を遮るように、「だから俺達が代わりに勝つ」額に浮かべた二つ巴を光らせ、翔は馬鹿力を押し返すために三尾をバネにする。

 舌を鳴らす野寺坊の両側から妖狐達の癇癪玉が、狐火が、爪の斬撃が飛ぶ。それらを回避するために錫杖が浮き、力の重心が動いた。


「天馬! 頼む、背中を押してくれ!」


 今なら押し返せる。

 翔の願いは烏天狗に届き、両手が背中に添えられた。

 己の手腕に後ろから加えられる力が合わさる。微動だが自分が押している感触を掴み、翔はバネにしていた三尾を力の限り使い、声を張りあげる。


 「なに」巨体を押し返すと、「成敗!」大麻で腹部を突き刺した。皮膚に食いこむ大麻はその肉体こそ貫くことはできないものの、野寺坊を転倒させるための契機を作ることはできた。

 倒れる敵の身に襲い掛かるは、頼もしい妖狐達の裁き。


 救いを求める声が聞こえてくるが、誰も手を差し伸べることなく、その妖は身を焼かれ、肉を裂き、爆ぜる癇癪玉に怒りを宿す。


 哀れ、散った身は無に還っていくのだ。

 同胞でない妖に心を寄せることはないが、いつ見ても光景は見慣れないもの。哀悼の意くらいは表してもいいかもしれない。


「手ごわい相手だったな」


 ぐったりとその場に座り込む。

結局、野寺坊ですら一人で祓えなかった。翔は心の片隅で恐怖する。自分の身を狙う黒百合、黒狐の来斬、骨傘の弥助、そして九代目はこれ以上なのだから。

 どこまでも自分の無力さを思い知る。もっと、もっと強くなりたい。


「俺達は負けたな。お前は野寺坊に負けたし、俺は天馬に負けた。あれだな、負けるっつーのは、いつ噛みしめても悔しいな」


 背後にいるであろう烏天狗に同意を求める。

 返事はないが、己の言葉を聞いてくれているのだと翔は信じている。


「口ばっかりだ。お前に勝つと言いながら負けちまうし、野寺坊はひとりで倒すことができない。俺は弱い」


「……翔、自分は裏切りました。それは変えられない現実です。血は争えませんね、自分もまた名張一族なのだと痛感しました」


 だから、と言葉を濁す烏天狗と向かい合うために、体の方向を変える。

 天馬の表情は読めないほど無だった。それが作っている表情なのだと分かるほど。相手を見つめると、向こうも見つめ返す。

 その目に宿す感情こそ本物。彼は自分の言葉を待っている。

 それが十代目としての言葉なのか、南条翔自身の言葉なのか、どちらにせよ天馬は裁きを待っているのだろう。それほど相手は堅物なのだ。自分が許せずにいるのだ。


 そこで翔は問いかける。


「天馬。お前は一度手合わせに負けたら、それで終わらせる男か?」


 野寺坊の術策に嵌り、それによって負けた。正当な勝負ではなかったにしろ、天馬は術に屈してしまった。今回のことは敗北と称すべきだろう。


「お前は野寺坊にも、自分にも負けた。その現実を受け止めてくれ。俺にいつも言うじゃないか。負けた自分を見つめろって」


 その結果が天馬にとって、最悪の形で現れた。

 天馬は思っていたはずだ。自分は先祖と違う、決して相手を裏切らない。失望させることはしない、と。

 悔しいだろう。憎いことだろう。戸惑うこともあれば、無力に苛むことだってあるに違いない。翔とて同じだ。足の不自由関係なしに、自分の非力を思い知っている。口だけでは誰も救えないのだと痛感したのだ。


 大口叩いて、なにもできないのだからお笑い種だ。


「けど、悔やんだって何も始まらない。俺は何度だって、弱い自分に立ち向かわないといけねぇんだ。それこそ勝つまで」


 成長を待つ者達が、そこにいるのだから。


「お前も何度も勝負しろ。今回は負けた。なら、次回は勝て。勝つ努力をしろ。次回が駄目なら、その次だ。それでも駄目なら、その次だ。何度だって挑め」


 たった一度きりの敗北で諦める、など自分の師として名乗る資格もない。翔は辛辣に物申す。


「翔も見たでしょう? 自分は宝珠の者達を恨んでいる。根底には、逆恨みと言える憎悪が渦巻いている。今ここでトドメを刺さなければ、追々困るのは貴方だ」


「なら何度でも俺にぶつけろ。お前の気が済むまで。受け止めてやっから」


 面喰う天馬の表情が微かに崩れる。さっ、と視線が逸らされた。


「何故、そこまで自分に執着するのですか。代わりなど他にいくらでもいるでしょう」


「お前は俺の師をやると志願した。そして俺はお前が良いと言った。天馬、言ったからにやり通せ。逃げるんじゃねえ」


「逆恨みで身を滅ぼす。その危機が貴方に迫っているのですよ」


 苦言する烏天狗に苦笑いしか出ない。本当に石頭な奴だ。


「天馬。この勝負、いつか決着を着けようぜ」


 逸らされていた目が戻る。微かに揺らぐ瞳に、真剣勝負をしようと持ちかけた。自分が強くなり、天馬を唸らせるようになったら一対一の勝負をしたい。

そして自分は天馬に勝つのだ。師を超えて、必ず十代目南の神主として認めてもらう。その日を楽しみにしている。


「その真剣勝負にお前が勝ったら、天馬の望むことを叶えてやる。十代目からの礼もかねて」


 一族の汚名を返上したいなら、十代目の名を喜んで貸す。名誉が欲しいなら、師を務めあげた褒美として名誉を与えるよう。


「天馬、怨んでいい。憎んでもいい。それはお前個人の気持ち、先祖なんて関係ない。言いたいことがあったらハッキリ言え。お前が我慢する必要はどこにもない」


 名張一族の罪は、名張が負っていくものだろう。

しかし名張天馬個人の罪ではないのも確か。翔は聞きたかった。天馬の心の声を。一族ではなく、彼個人の声を。


「……自分は神に背いたのです。翔、自分は犯してはならない罪を犯した」


「また神様かよ。前にも言われたな。真面目な奴ほど神様を口にするのか?」


 震えている声音に気付かない振りをして、翔はおどけてみせた。


「だったら、ギンコとツネキに聞いてみっか? あいつ等が一応宝珠の神使だから。罪とは言わないと思うけど」


 向こうから二つの鳴き声が聞こえる。呆れたような、小さく笑うような、そんな鳴き声だ。こんなことで一々神様や神使を出されても困るのだろう。

 腰を浮かせ、小刻みに震える天馬の肩に手を置く。


「俺の下に帰って来てくれるか? まだまだ師の支えがいるし、お前が必要だ」



 ザ、ザザザ。ザザザザザザザザ。



 会話を断つ音は、まるでさざ波のよう。翔の耳がぴくぴくと動く。


「妙な音がするな」


 何やら音が聞こえてくる。足音にしては音が大きく、引きずる音にしては音に感覚がある。耳の良い他の妖狐達に視線を投げた、次の瞬間のこと。

 茂みの向こうから黒い物体が飛び出してきた。

 それらは一つ一つが狐の容をしており、まるで濁流のように翔に向かって雪崩れこんでくる。


「なっ、か、翔殿!」


 見覚えのある狐だと認識する前にあっという間に群れに呑み込まれ、翔は成す術もなく流される。視界すら利かない闇の中では狐達に噛みつかれるばかり。

 獣臭い、瘴気臭い、息ができない。瘴気に過剰反応を起こした体が咳を零し始める。


 小さな奈落に放り込まれた気分だった。


「ど、どうなっているんだ」


 がむしゃらに狐達を押しのけ、顔を上げると金銀狐に乗った青葉と天馬の姿。彼等は自分を探しているようで、先の方で翔の名を呼んでいる。

 声を上げようにも狐達が頭を押し付けてくるため、思うように声が出ない。まさしく自分は今、黒狐の群れに溺れている。


「いた、翔殿! オツネ、あそこです!」


 ギンコが踵返し、急いで宙を翔けた。


「翔殿、手を! はやく!」


 青葉が懸命に手を伸ばしてみせるが、黒狐の群れが一斉に翔の浄衣を食み、引きずり込もうとしてくる。

 指先が触れるも群れの力は侮れず、再び群れの中に沈んでしまった。

 何も視えなくなる世界。一寸の光も射さない闇は、まさしく生きている闇。そう呼ぶにふさわしい場所だ。


 体を動かさずとも己の体を呑んでいく闇は、白い狐に群がってはひしめき合う。浄衣の上から、銃弾を浴びた左肩、縫合した腹部に牙を立てられる。

 呼吸もできず、そろそろ意識が遠のきそうだ。


 抵抗する体に力が抜けた、その時だった。

 痛いほど力強く右の腕を掴まれる。ハッと我に返ると、群れから顔を出した向こうで天馬が身を乗り出していた。

 黒狐達に噛まれることも厭わず、彼はツネキから身を乗り出し、翼をはためかせ懸命に翔の身を引く。


 今の天馬は飛べないのだろう。先程、野寺坊の錫杖に左翼を叩きつかれ、貫かれたせいだ。それでも翼をはためかせ、無数の狐達の力に対抗していた。が、体はまた引き込まれていく。


「天馬、手を放せ。このままじゃお前もっ、ごほ」


「ふざけるな」


 咳を零す翔に、天馬は冗談じゃないと返事した。

 常に一線引いて物申す烏天狗がはじめて、翔に真っ向から反論した。それは夢心地のような気分だった。


「帰って来いと言ったのは翔だ。なら、自分は放さない。この手を、ぜったいに」


「てん、ま」


「自分の忠告を退いてまで、帰って来いと言ったからには責任を持て。今は黙って、自分に守られろ。十代目」


 つい、笑ってしまう。


「人の台詞パクんなって。聞いているこっちが恥ずかしいんだけど」


 天馬の目が笑う。気持ちは同じらしい。

 ここまでしてもらっているのだから、助けてもらわなければ決まらない。翔は絡みつく狐達を振り払い、左の手を群れの川から引き摺りだした。


 伸ばした諸手を天馬が掴むと、彼は渾身の力で身を引き上げてくれる。数多な黒狐の力達に 屈することもなく、一度たりとも引きずられることなく、ツネキの背まで翔を引き上げた。

 これが天馬の答えなのだ。

 翔は自分の下に帰って来てくれた烏天狗に感謝した。戻って来てくれたことに、心から感謝した。口は咳ばかりで、思うように声が出なかったため、心の中で何度も。


「油断してはなりません」


 ギンコの背に乗った青葉が、群れが襲ってくると指さす。

 振り向く間もなく、群れが大波のように押し寄せ、翔達を呑み込もうとする。

 ツネキとギンコが狐達の群れを避けるも、波のひとつひとつが黒狐だ。回避したところを狙うように、波から黒狐数匹が飛び出して襲いかかってくる。


 青葉が癇癪玉を放るも、散っていくのはほんの一部。群れはとどまることを知らない。呑み込まれた木や茂みは無残に踏み散らかされている。


「くそ、あれは来斬の狐じゃねーか」


 未だ黒狐の瘴気に当てられ、咳が止められない翔は涙目になりながら群れを観察する。


 悪夢が蘇る。

 あれを操っていた妖狐の、異常な血の気と残忍な笑みを。この黒狐達がいるということは、近くに来斬がいるのだから恐怖しか湧かない。傷を負った体が疼く。

 波のように襲い掛かってくる群れを回避して、イチョウの並木道を通り過ぎていると向こうに門が見えた。それは並木道の終わりを教えてくれる。また立派な木造建築が見える。別荘だ。目的地に到着したのだ。


 金狐達は糸も容易く門の上を通り過ぎると、黒狐達が一際おおきな波の形を作って二匹を呑み込もうとする。

 すると逃げ切るために別荘の周りを飛び回り、二匹は開かれた土蔵造りの建物に入る。


「ツネキ、オツネ。蔵の戸を閉め、常世結界を」


 青葉の指示の下、二匹の神使は巨体を生かし、大きな木造の戸を押し閉める。

 紅白宝珠の神使である二匹の結界が戸に張られることにより、黒狐達の魔の群れを振り切ることに成功した。

 戸の向こうからは引っ切り無しに爪で引っ掻く音や奇声に近い鳴き声が聞こえてくる。


「はぁ……助かった」


 結界が瘴気を遮ってくれたのだろう。ようやく翔は楽に呼吸することができた。

 胸を撫で下ろし、自分の身なりを確認する。ところどころ浄衣が破れ、ほつれている。ボロボロ、それが率直な感想だ。


「本気で噛みやがって。なんだったんだ、あれ」


「まだ気は抜けませんよ。翔」


 険しい面持ちを作る天馬が戸を睨み、ツネキの背から飛び下りる。

倣って青葉もギンコの背から飛び下りたため、翔も後に続くが、足のことをすっかり忘れていたため派手にすっ転んだ。

 可愛いギンコから大丈夫かと駆け寄られる傍らで、阿呆と言わんばかりにツネキが尾と耳を垂らす。


「アデデデ。二人とも、一体どうしたんだ?」


 青葉と天馬がひたすら戸を睨んでいるため、何かあるのかと尋ねる。途端にツネキから、お前は鈍いと溜息をひとつ頂戴した。


「お前達は分かるか?」


 ギンコや玉葛の神使に聞くとクーン、情けない鳴き声がひとつ、ふたつ。銀狐だけ元気よく鳴いた。皆、なにか察しているようだ。

 このままでは蚊帳の外に放り出されそうである。翔は説明を求めた。


「先程の黒狐達は、意志を持って私達に襲い掛かり、逃げ道を塞いでいた。そして偶然を装ったかのように蔵の戸が開かれ、私達はここに飛び込んだのです」


 先に口を開いたのは青葉だった。天馬が後に続く。


「簡単に考えれば誘導された、と言えましょうね」


 改めて思う。人語が通じる相手がいるのは心強いものだ。それが武に長けた二人なら尚更のこと。


「じゃあ、これは罠なのか?」


 天馬がこちらを向き、小さく頷く。


「そう思った方が賢明かと。しかし、結界を張れる空間に迷い込んだのは好都合でもあります。これならば骨傘も容易くは入れないでしょう」


 だったら今のうちに手当てをしておくべきだ。今後のためにも。

 天馬が片膝をついて翔に浄衣を脱ぐよう指示した。彼は腹部を蹴り飛ばしたことを大層気にしているようだ。


 けれども手当は天馬にも言えることである。翔は青葉に視線を配り、「こいつ優先な」痛々しい左翼を親指で差す。彼女は同意見だったようで、天馬の両肩に手を置き、先に手当てをすると微笑んだ。


 青葉に対しても決まり悪い気持ちがあるのだろう。自分は後からで良いと、彼は遠慮を見せる。こうなれば最後、否応がなしでも指示に従ってもらわなければ。


「天馬。時間は無駄にできないんだぜ?」


 後がつっかえていることを伝え、さっさと手当てをしてもらうよう促す。

 石頭には、これくらいの強硬手段が必要だ。


 おとなしく左翼を青葉に診せる天馬を待つ間、翔はハッタリとして作っていた大麻を取り出し、まじまじとそれを観察する。自分の妖力に反応し、術を発動させてくれたこれの威力はまさしく普段使っている大麻と同じものだった。

 ただし己の妖力が強すぎて、今にも折れそうである。現に持ち手が弓なりにしなっている。真っ直ぐにしようと軽く棒に力を加える。


玉串(たまぐし)を作るなんて、機転を利かせましたね」


 青葉が褒めてきたので玉串とは、と返す。

 それにより翔が意図的に玉串を作ったのではないことが分かったのだろう。丁寧に玉串の説明をしてくれる。


「玉串は神前に捧げる祓い枝です。我等の世界では、それを神事とは別に護身用として持ち歩くこともあります」


 神主は大麻を悪しき者を討つための祓い具として用いている。それを刀に例えるのなら、玉串は懐刀といったところ。

 まったくの天然であるが、翔は護身具を自分で作ったのだそうだ。

 お手製の大麻改め、玉串をいつまでも見つめる。これも武器として活躍できる、それが心なしか嬉しかった。ただの足手纏いより、抵抗できる足手纏いの方が断然いい。


「比良利さまが知れば、驚くことでしょう。玉串はまだ翔殿には早いと思っていましたので」


「大麻を奪われたから、必死に代用の武器を作っただけだよ。これだって本当はハッタリで作っただけだし。何事も勉強になるな」


 いつも頼りにしていた大麻を取られることで、大麻の大切さと、それに代用するための道具を作ることに思考を回した。同じように、いつも頼りにしていた天馬と対峙することで、彼の強さと凄さを改めて実感した。本当に勉強になるものだ。


「青葉、さっきから気になっていたんだけど、その模様は」


 翔が指摘すると、彼女の肌に這っていた模様が消えていく。

曰く、宝珠の勾玉の力だそうだ。一定の時間が過ぎると消えるそうで、まだ長時間は持たないとのこと。

 自分が知らないところで、青葉も奔走していたのだろう。同胞のために。


 ふと妙に浮かない天馬に気付き、翔は玉串で相手の額を小突く。


「いいか天馬。今回は負けたけど、次回勝負する時は俺が勝つんだからな。見てろよ、百年の間に必ず師のお前を超えてみせるから」


 そして、今度は自分が堂々と守る立場に回ってやる。

 それまで首を洗っておけと翔が小生意気な口を利くと、ツネキがフンフンと鼻で笑い、見栄を張るのはやめとけと尾を振る。百年経っても単純狐では勝てる相手じゃない、とのこと。


「な、なんだよツネキ! 百年だぞ百年! 一年じゃなくて百年なんだから、その間に俺が勝つ機会が一回くらいあってもおかしくねぇじゃん!」


 むりむり、ツネキが首を横に振る。二百年でも怪しいと舌を出した。


「お前はどうして、そうやって水を差すんだ。腹立つ狐だな! 勝つったら勝つんだよ。それこそ大麻にも頼らずに、自分の力でさ!」


 やめとけやめとけ、やはりツネキは舌をべろんと出す。頭にきた翔はツネキを睨んだ後、天馬に向かって言い放つのだ。


「おい天馬。俺がお前に勝つまで、誰にも負けるんじゃねえぞ。お前は俺の目標だ」


 呆気に取られていた烏天狗がはにかみ、「はい」と答えた。そこでまたツネキが茶々を入れるものだから、程なくして幼稚な喧嘩が勃発するのだった。





「体力だけはあるんですよね。翔殿」


 あれほどの戦をしたにも関わらず、そして怪我をしているにも関わらず、ツネキとギャアギャア喧嘩を始めた翔を見つめていると青葉が声を掛けてくる。

 彼女に合わせる顔が見つからないが、変わらない態度で巫女は左翼に塗り薬を施した。


「無茶ばっかりして私達を困らせるのに、最後は許してしまう。翔殿は不思議な術をお持ちだと思いませんか?」


「青葉さま。自分は、貴方に謝罪をしなければならない。数々の言動に対して」


「お互いさまです。私も貴方に手を挙げましたので」


 それこそ仕方のない状況下だっただろうに、青葉はそれを弁解として使用しない。謝罪したところで聞き流される。

 自分が心の奥底で宝珠の者達を怨んでいると知っているのに。


「貴方様は反対をしませんでしたね」


 名張を傍に置くと主張した翔に。


「私も天馬殿と似たようなことをしているので。あまり自分を責めても、翔殿に叱られるのですよ。“くよくよしても同じだ”と言って」


 後先考えない単純狐は、過去より未来を取って前進する。そういう妖狐なのだ。青葉は、そんな少年神主に救われているのだと目尻を下げる。


「あとは天馬殿次第だと思います。もし、思い余った行動を起こしても、翔殿が全力で受け止めましょう。約束は履き違えない方なので」


「あれでは長生きできませんね。神主の身分欲しさに、下心ある輩もいるでしょうに」


「だから私達がいるのです。彼には長生きしてもらわないと」


 本当にそうだ。天馬は心底同調し、長生きできない妖狐なら、周囲が支えて嫌でも長生きしてもらうべきだと考える。

 南条翔だけでは、到底長生きできない。そんなの惜しい。


「青葉さまにだけ、先にお教えしますね。真剣勝負で、もしも自分が翔に勝ったら」


「願いを聞いてもらう、あれですか?」


「ええ。自分が勝ったら――翔の右腕と名乗る許可をもらいたい。護影ではなく、堂々と隣に立ちたいのです」


 それにより名張一族の名誉も回復するだろう。いや、実際のところは名誉回復、汚名返上など考えてもいない。一族など関係ない。

 ただ認めて欲しいのだ。十代目に名張天馬という妖を。翔が天馬に認められたいように、天馬もまた翔に認められたい。これは個人の気持ちだ。


 そのためにも自分はもう、負けるわけにはいかない。野寺坊にも、黒百合にも、それこそ過去の名張にも、誰にも。


 ああ悔しい。今回負けたことが、本当に悔しくて仕方がない。利用されたことも、術に嵌った自分も、先祖の罪に自暴自棄になった己にも。

 敗北は懲り懲りだ。


「……天馬殿」


 塗り薬を施していた青葉の手が止まるが、天馬は気付かない。


「もう、負けません。誰にも。翔にだって、絶対に」


 生まれて一度たりとも、名張一族の名から解放されたことはなく、周囲から白眼視されてきた。名張天馬は名張一族として見られ続けていた。

 あの目が怖い、心苦しい、つらい。そんなもの、とうの昔の話。天馬の心は麻痺していた。疲弊していた。そして諦めていた。これが自分の生涯だと思い込んだ。


 けれど、今、心からこいねがう。


 十代目南の神主に名張天馬という妖を認められたい。一族ではなく、名張天馬個人を必要とし、真剣勝負を夢見る妖狐に勝ちたい、と。

 そうだ。本当は一族の名張ではなく、自分自身に誇れるものが欲しかったのだ。いつも欲しいと願っていたのだ。


「今日の敗北は深く胸に刻んでおきます」


「ならば、これは私と天馬殿だけの秘密ですね。翔殿に聞かれたら、それこそ意地でも勝ちにいきそうなので」


 落涙する滴に気付かず、天馬は乏しい表情をくしゃっと崩した。

 傍で見守っていた玉葛の神使二匹が頬を舐めてくるまで、ただただ顔をくしゃくしゃにしていた。



 ※



『なるほどのう。来斬の狐に襲われたとな。して、翔よ。お主は今、目的地におるのじゃな』


「……いる」


『なんじゃ。ずいぶんと機嫌が悪いのう。なにを怒っておる』


「怒ってないし。腹を立てているだけだし。どっかの誰かさんが水ばっか差すから」


 顔の引っ掻き傷もそのままに、ぶすくれている翔はツネキと視線を合わせ、青い火花を散らし合う。それによって、妖用携帯のカケがぶるぶると震えた。


 おおかたの予想はついたらしく、電話向こうの比良利が仲良くせえ、と注意をしてくる。ツネキが悪いのだと脹れ面を作る翔は、不機嫌のまま現状を報告した。

 青葉や天馬と合流したこと。来斬の黒狐らしき使い魔に襲われたこと。別荘の蔵に立てこもっていることを。


 比良利達はどうなのだ。目的地には着きそうか。

 疑問を投げかける。一刻も早く合流したいところだ。


『相も変わらず、イチョウの並木道が続くばかりよ。どうも術により、果てが見えてこぬようじゃ』


「え、それじゃどうすればいいの? さすがに俺達だけで乗り込むのはやばい、よな?」


 視線を青葉と天馬に流す。

 二人は口を揃えて比良利達の合流を待つべきだと意見した。


「黒百合は自分や翔にとって得体の知れぬ集団。過去を知る青葉さま達だけ、さすがに荷が重すぎます」


「また、骨傘の弥助と黒狐の来斬が一斉に奇襲を掛けてきたら、私達に勝ち目などありません。いくら天馬殿に手腕があるとはいえ、左翼を怪我している以上、万全の力は出せないと思います」


 だったら早く比良利達に来てもらうしかない。なにか良い策はないだろうか。比良利達がスムーズに来る、画期的な手は。


「ひとつ。自分から案があります。翔、妖用携帯の通話を維持したらどうでしょう?」


「え、カケを通話状態にするって?」


 翔は思わずカケに目を落とす。


「付喪神の器といえど、元は携帯なので互いの電波を辿ることができるのではないかと。ただ、問題が一つ。妖用携帯の体力が持つか。いえ、この場合は充電と言うべきでしょうか」


「そうだな。カケは一応生きた携帯だし」


 翔の想像する限り、通話状態を維持するということは妖用携帯にとってマラソンをするようなもの。

 ただの携帯なら充電を気にして終わりだが、カケは生きた電話だ。

 気まぐれで通話を切ることもあれば、気に喰わないことがある度に体を折り畳み、指を挟んでくることもある。カケにできるだろうか。

 充電、いやいや体力の兼ね合いもある。


「カケだけじゃなく、比良利さんが持つヒラも頑張らないといけないじゃん? どっちかが力尽きたら終わりだぞそれ……できっかな」


『しかしながら、他に手がない以上は、それでいくしかなかろう』


 翔は戸に目を向ける。結界もいつまで持つか分からない。やはり、その手しかないか。


「カケ、できっか?」


 問いかけにカケが不思議そうにバイブレーションで体を震わせる。翔の言っている意味が分からないようだ。

 理解していないのだろうか? 翔はヒラに電波を送って欲しいと頼む。しかし態度は変わらない。寧ろ、どうして電波を送る必要があるのかと言いたげな様子。


 この態度は一体。


「おうおう。また籠城か? こりゃあ引き摺り出すのに腕が鳴るな」


「あたしは不安ですけど。仕事は忘れないで下さいよ」


 聞こえてきた会話、皮肉、銃声により、結界が大きく振動した。眼を見開いた翔は呼吸を止める他ない。心臓に冷たい物が流れ落ちる。

 来た。あいつが来たのだ。骨傘と合流して。


『翔よ、如何した。翔』


「青葉、天馬! 急いで蔵の奥に行け! 黒狐の来斬と、骨傘の弥助が攻め込んでくるぞ!」


 電話向こうの相手にも聞こえるように声音を張り、翔は皆に逃げるよう指示した。




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