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新たな未来を求めて  作者: イーヴァルディ
第一章 狭間の鬼
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第六十四話 デバイスシステム

デバイスについて軽く説明です。

全てが語るのは第一章後半の場面で語る予定です。


デバイスシステム。


レヴァンティンなど魔術器と呼ばれる科学に魔術を融合させた武器に使われるシステムだ。


本来、デバイスというものは身近にあり、召喚系のデバイスを除いて気軽に手に入れることが出来る。


召喚系。つまり、オレが持つレヴァンティンのようなものだ。武器を呼び出して手に入れることが出来るデバイス。収納魔術の刻印を刻まれているため、デバイスそれぞれ最大収納数が超えるまで収納出来る。


ただ、それは一般には流通しない。『GF』や国連軍など戦闘力を必要とする場所にしか流通しないのだ。


戦闘力を必要すると言ってもポジションによって能力は様々だ。一番新しいタイプは万能性を追求して器用貧乏になったもの。


レヴァンティンと一緒に使っているデバイスは『GF』から配布された万能性を追求したデバイスだが、レヴァンティンのデバイスシステムはあまりの万能性の高さにオーバーテクノロジーの力を実感する。


「ふわぁ」


オレは欠伸をした。


教壇の前では頭が禿げた先生が熱心にデバイスシステムについて持論を語っている。そう、持論だ。


デバイスシステム自体、未だにブラックボックスな部分が多い。理由は、デバイスシステムを制作する里宮家の会社が情報開示を拒んだからだ。


デバイスシステムの技術は里宮家が独占している。だから、そのブラックボックスの中身はわからない部分が多い。ただ、オレはその中身の中核以外全てを知っているけど。


「つまらん」


『言わない方がいいですよ』


レヴァンティンがオレにしか聞こえない声で話しかけてくる。オレの声が聞こえて来たのか和樹が振り返った。


「つまらんって面白いと思うんだけどな」


「持論自体の整合性が全く無いんだよ。あらゆるシステムは出力を追求しようとしたら処理速度が著しく低下する。対抗する手段としては出力補助を作り出して処理速度の減少を出来る限り防ぐやり方。先生の言っているやり方は処理速度を上げて作り出すというけど、そもそもデバイスの処理速度は元から決まっているんだ」


デバイスシステム自体ブラックボックスだが、一般的に知られて、いや、一般的には知られていないけど、一部ではデバイスの最高処理速度は約百兆桁の計算が可能なレベルだ。


集積デバイスはいくつものデバイスを並列で繋げることで処理速度のレベルを上げ、出力と処理速度を両立して十兆桁まで到達している。だが、今の出力をさらに上げた場合、処理速度の減少率が飛躍的に上昇するのだ。


「つかよ、出力と処理速度って同じようなものじゃねえの?」


「違う。出力は空気中の魔力粒子からエネルギーに変換する機能。処理速度はエネルギーから処理する機能。続ける動作だけど中身は全くの別物さ」


「ふーん。ややこしいな」


「デバイス自体が工業の分野で最先端かつややこしいものだからな。身近に溢れているものだけど、その中身は秘密の宝箱」


オレは軽く肩をすくめた。


今の最先端の遥か先を行くレヴァンティンがあるからこそ、デバイスに関してはいろいろと詳しい。そうでなければモードⅡなんて作り出せない。


あれはデバイスシステムの特徴を理解しなければ完成にはたどり着けないからだ。


「周は詳しいんだな」


「教えてくれる先生がいるからな。つか、ここの技術の先生はこれだけしか話さないのかよ」


「有名だぜ」


確かに有名になるよな。


聞く限りでは面白い話だし、一部を除けばちゃんと理論が出来上がっている。だが、オレからすればこれはデバイスシステム理論じゃない。


先生が言っているのを要約すれば、今のデバイスシステムを処理速度の観点を底上げすれば出力を上げても大丈夫ということだ。


そんな理論が通用するならレヴァンティンで達成出来る。


「処理速度の限界をどうにかするにはデバイス自体を大きくすればいい。確かにそれは賛成だ。理論上の数値は限界を越えるからな。ただ、理論上なだけだ。実際に出せた数値は出力を外部出力に頼って四兆程度。無理にもほどがある」


「じゃ、周ならどうするんだ?」


「オレが勉強しているのは開発じゃなくて新しい使用方法なんだよな。一応、新しい理論としては二重変化デュアルシフトかな」


「どういう理論なんだ?」


「二種類の武器を使い分けるやつだよ。剣と弓、槍と杖のようにパーツの交換で新しいものを作る」


レヴァンティンを使ってすらデバイスをもう一つ必要とした。レヴァンティンを使わないならデバイスは三つは必要だろう。でも、戦場での利点は上がる。


「そこ! 私語をしない!」


「すみません」


オレは軽く謝った。


先生は少しだけ眉をひそめてオレを見る。


「授業がつまらないか?」


「デバイスについては勉強したことがありますから、少し疑問点がありまして」


「生意気な。言ってみろ」


オレはニヤリと笑みを浮かべて立ち上がった。


一応時間軸の補足を。

設定公開の授業が始まってからまだ1日も経っていませんが、入学式からは日にちが経っています。周の和樹と俊輔の呼び方が変わっているのもそれが理由です。

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