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霊薬

死にかけたホーリーとセレスとアイザックの傷は思ったよりも深いものだった

ホーリーも暫くは恐怖に魘されていたものの外傷的には擦り傷で済んだ

あとは日にち薬しかない……

セレスの足の傷はポーションでなんとかなったものの

アイザックの方は原因となった薬物が王家が管理していたものだった

聖女の力か霊薬があれば元に戻せるそうだが……

アイザックはあれから眠り続けている


聖女はいや、あの女は騎士団に捕まり牢屋に入れられている

今もセレスが迎えに来てくれると信じているようだと騎士が教えてくれた


「アイザックは?」


『今日も眠っておられます』


「…………」


アイザックの顔は劇薬でドロドロに溶けており

目も両目とも溶けている

口は幸いにして無事なようだが……


アイザックは奴隷だ

でも、私にとって家族みたいな存在でもある

だから……


「霊薬ねぇ

この王都では見たことないよ主人殿

……でも、国の外れにあるエルフの里にはあるという噂を聞いたことがあるけど……」


エルフの里か聖女か……聖女は稀にみる職業で私が知る限り

あの女と隣国にいる彼女しか知らない……


「エルフの里に行ってみる」


「え?主人殿がかい?」


「うん、今回の件は元はと言えば聖女を放置しておいた私の責任でもある」


「それは違うよ主人殿、アレがこんな事をしでかすなんて誰にも分からなかった

誰の責任でもない

それに、そんな風に思ってはアイザックが気の毒だ」


「何が!

あんな風に痛かっただろうに!!

私の奴隷は私が治す方法を探す」


「主人殿、あまり思いつめない方が……いや、今は言っても無駄かもね

ぼくの方でも情報を集めておくよ

金に糸目はつけないでね

主人殿は冒険者ギルドの方に依頼を出して見ておくれよ」


「……分かった」


「ご主人様……俺も」


セレスが顔を出す


「セレスも休んでて今回はキツかったでしょう

護衛にはティルトを連れて行くから」


「いや……でも!」


「冒険者ギルドに依頼書を出しに行くだけだよ」


セレスが今回の事で責任を感じていることも分かる

でも、今はどんな声をかけていいのか分からない

セレスとは奴隷契約を再契約していない

今は頭がゴチャゴチャしていて何も考えられない


「ミコ、ミコ待つのだ!」


冒険者ギルドに着くと霊薬を探しているという依頼を出した

今回の事件を冒険者ギルドの職員も知っているようで丁寧に対応してくれた

その上で可能性が低いことも教えてくれた

霊薬を求める者は多く、手にできるのは僅かでしかないようだ


噂をあてにするか……

隣国の彼女に助けを求めるか……


冒険者ギルドに隣国の様子を聞いてみた

今まで聞いたこともなかったけど……

相変わらず王族が権力の中心にいるらしい


あの国に見つかれば私は殺される……


「ミコ……あまり思いつめない方がいいのだ

アイザックもそんなこと望んでないのだ」


「でも……」


正直、動揺していた

身近な人が誰かに傷つけられるだなんて思ってもみなかったのだ

どこかでこの世界をゲームのように感じていたのかもしれない……


「ティルトがエルフの里に行ってみるのだ!

だから、ミコは悲しんで欲しくないのだ

アイザックなら言うのだ『ハニーちゃんには笑顔が1番ってね』ってきっと言うのだ」


似てないモノマネを披露するティルトに涙腺が緩む


「アイザックを助けたい

力を貸してティルト」


「任せろなのだ!」


夢見草に帰ると

クラウドとホーリー、それにセレスが装備を整えて待っていた


「お、オラも行きますだ

ごご主人、置いていってもついてくだ」


「オレはマスターを守る、その為に存在している」


「俺も行かせてください」


「もっちろんティルトも行くのだ!」


「私もお供します」


「…………ありがとう」


こうして6人でエルフの里を目指すこととなった


「主人殿、ぼくは店があるから行けないけれど

情報は集めておくよ

あと、モンスターハウスをキャッスルから切り離して持っていっておくれ

あれがあるのとないのじゃ段違いだよ」


キキルの助言通りモンスターハウスをキャッスルから切り離すと

モンスタハウスは手の平サイズに縮んだ


「使う時は地面に置いてオープンって言えば使用できるからね

気をつけて行っておいで」


『アイザック様のことは私にお任せください

どうか気をつけて』


ロージーとキキルに見送られ私たちはエルフの里へ旅立って行った

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