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聖女、復讐する!

キキルから暫くは1人でキャッスル外に出ないように言われた

なんでも、聖女がとうとう城から追い出されたらしい

魅了の力で侍らせていた坊ちゃん連中も魅了が解けて離れていったり

親に捕まって魅了耐性を身につけられるよう特訓されているものや

謹慎処分になったものもいるらしいということで

恨みを買っているであろう私は出来るだけ1人で行動しないようにということだった


「あ、あのオラにつきあってもらってよかっただか?」


「うん、丁度弥生に薬卸しに行きたかったから丁度よかった

それにホーリーと一緒だと色んなものが食べられるから楽しいよ」


「そっが、それなら、よがったけど」


ホーリーと一緒に街をぶらついている時だった


ドン!という衝撃が体を襲ったかと思うとナイフがお腹の中心部に埋まっていた


「ごご主人!」


「大丈夫だから」


慌てるホーリーに大丈夫だと伝える

ナイフは私の体をすり抜けている

相変わらず便利な体だ

それにしてもこんな街中の真昼間からこんな行動に出るとは予想していなかった

刺してきた相手の腕を掴み捻りあげる


「いったぁ!なんなのよ!確かに今刺したのに!

何で平気なの!?

……そうか、あんたもチート貰ってるんでしょ?

だから、平気なのね!

ふざけないでよ!?」


案の定、鼻眼鏡の聖女だった


「『ふざけないでよ』はこちらの台詞だ

一体何の用だ?いきなり刺してきておいてどういう了見だ!」


「はあ?だから、なんであんたばっかりいい男侍らしてんのよ!

あたしは1人になったのに!」


「だからって、普通刺してくるか?」


「いいじゃない!死ななかったんだから!離してよ!」


そう言われて離すバカはいない


「ごご主人、どうするだか?」


「騎士団に突き出す」


「そしたらあんたはナイフに刺されても死なないって言わなきゃならないわね」


……それは困るが……


「言いたきゃ言え、頭の狂った女の戯言だと思ってもらえるだろうよ」


鼻眼鏡の魅了の力が封じられた聖女の何が怖いものか……


「なによ……なによ……だって、なんであたしばっかり……」


今度は泣き落としか……


「せ、聖女さん、な、泣かねぇで」


その泣き落としに引っかかるホーリー

優しいのは美点だけどね

コイツは私を殺そうとしたのよ……


「ごご主人……」


「縋るような目で見てもダメ

騎士団に突き出す」


「ふっく、ひっく、もうやだぁ……ぱぱぁ……ままぁ……うぇえええん」


街中で盛大に泣き出す聖女

周囲の注目を集めまくりである

……それに一見、私が聖女を泣かしているようにも見える

実際は殺されかけたんだがな……!


「ちょっと君、どうしたんだい?って聖女様!?」


騎士団の中でも聖女は知れ渡っているらしい


「どうなされたのですか?

お城を出られたとは聞きましたが……オイ、そこのお前!

聖女様に何をした!?」


そういえば夢見草や桜月亭のお客様にはとことん評判が悪かった聖女だが

街中での評判は悪くなかったんだっけ?


「実はそこの人が私を殺すと脅してきたんです」


堂々と嘘を吐く聖女と

間の悪いことに体をすり抜けたナイフが足下にある私


涙ながらに助けを求める聖女と

その聖女の腕を捻り上げている私


騎士が判断するのは早かった


「聖女様に乱暴を働いた者だ!捕まえろ!」


仕方なしに聖女から手を離し

抵抗しない意味も込めて両手を上げた


「ごご主人!?ど、どうしたらいいだ!?」


「ホーリー、キキル達にこのことを伝えて、私はこの騎士様と騎士団詰所にいるから」


抵抗の意思がないと見えたことで取り押えるのはやめてくれたようだが


「その女、他にも武器を隠し持ってます!」


武器など持っているはずもないのに聖女はそうのたまった


「何!?」


「武器など持っていません

ローブを脱げばよろしいか?」


ローブの中はTシャツとホットパンツなのだが……

……まあ、いいか……

ローブを脱ぐ

すると聖女は私の頭に手を伸ばしてきた


「これよ!これに毒が塗ってあるんです!」


この間、セレスに貰った髪飾りを奪うと足で踏み潰した


「……オイ、ふざけるなよ」


髪飾りの中に毒など仕込むやつがどこにいる

これはセレスが自分を買うはずのお金を出してまで買ってくれた大切な……


「まさか!流石は聖女様です!」


信じた奴がここにいた……


その後、手錠のように縄を後ろでに縛られ騎士団詰所に連れていかれた

聖女はまた別の用があるといって別れた

それからは尋問である


「何もしていない

襲われたのは私の方だ」


「何故、聖女様がお前などを襲う必要がある」


「彼女の魅了の力を封じたからだ」


「あの鼻眼鏡はお前の仕業か!?

やはり、聖女様を害したのではないか!」


話にならない

誰か他の騎士を……


「聞いているのか!」


机を叩く騎士


「……聞こえている

何度も同じことを言わせるな

あの女には何もしていない

襲われたのは私の方だ」


「ふざけるな!あの清らかでお優しい聖女様がそのような事をなさるわけがない」


……どうやら思い込みの激しい騎士に当たってしまったようだ

もうキキル達が来るまで黙っていよう


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