表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七人の戦士  作者:
怪廻村編
PR
7/7

怪異が廻る村

 とある廃村の暗い部屋で1人の老人がパソコンを操作していた。

 

 「…!!とうとう完成したぞ!これで私の夢が叶う!この世界は…私のものだぁぁぁ!!」



 東京から帰還して3ヶ月が経過した

 

 「はぁー、お兄ちゃんどこまで行ったんだろう〜」

 「心配か?」

 「そりゃあね〜。ああ見えてかなり不器用だから」

 「うん。見たまんまだよ」


 キィの家でリナとルキアが話している。 

 任務で数ヶ月空けることは珍しいことではないが、東京での一件もあり危機感が増している。


 「そう言えばルキアさん最近よく城に行ってますが何してるんですか?」

 「ん?まぁ騎士団の特訓だな。今後キィとやり合った奴のようにとんでもないのが出てくるかもだろ?」

 「そうですね…私も修行しないとなぁ〜」


 王国の騎士団は確かに強いが、ガンダのような莫大な魔力を持つものが攻めてきたら対処が難しくなる。西とのいざこざもある以上、今以上に強くならないといけない。

 そんなことを考えていた時だった


 ドンドンドン!っと家の扉を誰かが叩いた


 「リナ殿!ルキア殿!いらっしゃいますか!」

 「誰だろう?」

 「王国の騎士か?」


 リナが扉を開けた


 「ああ!リナ殿!」

 「どうしたの?」


 来客は王国の騎士の情報部だった。ただ明らかに様子がおかしかった。


 「はぁ、はぁ、はぁ、リナ殿!キィ殿が…」

 「っ!!お兄ちゃんに何かあったの?」

 「キィ殿が…行方不明となりました!」

 「なん…ですって?」

 「どうゆうことが説明してくれ」

 

 ルキアも家から出てきた。

 キィがいなくなるということは相当なことが起こっていると感じた。


 「ルキア殿!」

 「あいつは今国王の任務中のはずだろ?

  国王はキィに何を依頼した?」

 

 国王からの任務での失踪…

 不本意ながらもルキアはハーレンを疑った。


 「…それは…」


 情報部の騎士は内容を隠していた。

 一応任務のことは口外しないようにと言われていたからだ。

 ルキアは騎士の胸ぐらを掴み上げた


 「言えぇぇぇぇ!!」

 「ちょ!ちょっとルキアさん!」

 「依頼内容は言えません!

  ですが…行き先は…怪廻村です…」


 この言葉を聞いてリナとルキアは驚いた。

 ルキアは騎士の胸ぐらを離した。


 「そうか…。おい!国王に伝えておけ!

  キィを見つけたら全部話してもらうと」

 「…分かりました」

 「お兄ちゃん…」


 こうしてリナとルキアはキィを探すために怪廻村へ向かった。


―3ヶ月前ー


 キィは怪廻村の近くの村、リード村の宿屋に来ていた。


 「よし!明日には村に着くなぁ。今日はここに泊まるか。」

 「ほぉお兄さんあの村に行くのかい?」


 宿屋の店主が話しかけてきた


 「はい!」

 「心霊調査とかかな?」

 「まぁそんな感じです。どんなとこなんですか?」

 「んーそうだなぁー、昔はよく研究者がいたんだ」

 「研究者…ってどんな?」

 「まぁ、あんまりいい話ではないんだけどよぉ」


 店主がキィの耳に手を添えて小さい声で昔話を始めた。

 

 「昔、この辺りで疫病が流行ってなぁ〜。

  不治の病とも言われてたんだぞ。

  あの病気にかかったら最後、死を待つだけだった。

  俺のダチも何人も死んでった。

  この事態を王国に伝えようとしたが、こんな郊外の村なんて貧乏だったから最先端の医師を呼ぶなんて夢のまた夢だった。

  だからこの辺の村だけで解決する必要があったのだ。」

  

 こんな話は聞いたことがない。本当に王国には何も伝わっていなかったようだ。


 「あの村の医者は死体を解剖して研究を始めた。

  結果は徐々に良い方に向かっていき我々は彼が作った特効薬で命を救われた。

  ただ…この経験が彼を狂わせた。」


 店主の顔が暗く険しくなっていく


 「大量の死体の解剖…、これが彼に快感を覚えさせた。研究者としての探究心、そして人の分解という快感…、なぜあの村が快廻村と呼ばれるのか。私は彼に対する怨霊が彷徨っているからだと思っている。」


 人を解剖するのをやめられなくなったのだろう。

 その快感は死者だけではなく、生きているものにも。


 「なるほどね。徘徊する怪異…、何かありそうだな。 

  ありがとう。明日いろいろ調べてみるよ」


 こうしてキィは明日の準備に取り掛かった。

 宿屋の部屋でキィは東京での一件について考え事をしていた。


 「ん〜難しいなぁー。ガンダの魔力は何だったんだ?」


 キィは戦士や王国の騎士たちと比べても魔力量が飛び抜けている。

 莫大な魔力によるプレッシャーはほとんど感じることはないが、東京でガンダが持っていた魔力はどこが次元が違っていた。


 「恐らくハーレンが言っていた奴とは別のやつが魔力を与えている。

 ってかもし奴と戦闘になったらこの村ヤベェかも!」


 もし冥界の死者を大量に呼ばれたら制御が効かないかもしれない。

 色々な可能性を考えてキィは一つの答えに辿り着く。


 「まぁ〜いっか。」


 見たまんまのカスであった。

 翌日、怪廻村へ行くためにリード村の宿屋を後にした。

 昼過ぎに村へ到着した。


 「ここが怪廻村かぁ〜」


 建物はボロボロになりながらもまだ残っている。荒らされた畑や崩壊している家を見る限り、誰かが勝手に住んでは離れてを繰り返していたらしい。


 「んー別に何もいないけどなあ。やっぱこうゆうのって夜にならないと出てこないのか?」


 怪異が廻っているとは聞いていたが、特に何かあるわけでもなくて少し拍子抜けだった。


 「とにかく研究してた場所でも探すか」


 こうしてキィはいろいろな建物を次々と見ていった。そうしてしばらく時間が経ち、夕日が落ちてきた頃に一つの建物に地下があることに気がついた。


 「うぉーここかぁ」


 床に隠れた入口を開けて地下室に入るといかにもという感じの研究室があった。

 本棚いっぱいにある大量の本。全て人体に関する本ばかりだ。

 理論を追究していたと思われる机には、脳の図や研究の結果の紙が山積みになっている。


 「すっげーな。」


 紙を一枚一枚見ながらそう呟いた。


 「ん?何だこれ?」


 引き出しを開けた瞬間にキィは何かを見つけた。

 

 「日記か…?」

 

 それは当時の研究者が残したであろう日記が残されていた。

 その内容は、人を壊す喜びを永遠と綴っていた。

 同じようなメモが何枚もあった。

 

 「狂ってるな。何枚あんだよ!」

 

 イラつきながら1枚ずつ見ていくと、2枚だけ震えながら書いたであろう字で書かれた紙があった。


 "もうダメだ…このままだと壊される…壊してきた報いだとするなら私は私を怨み続ける…永遠に…"


 もう一枚にも目を向ける

 

 "自分の力に目覚めた。殺したはずの人間が現れる。使ってくうちに自分の意思を死者に流すことで操り人形とすることができるらしい。

 あの方は私にさらなる力をくださった。もう呼び出す者に何のリスクもない…

  私が…いずれ…あの方を超える"


 「あの方…恐らくガンダに力を与えた奴と同じだろう。それ以上に…」


 そう。それ以上にキィが危惧したのは、死者をノーリスクで呼び寄せれることだった。


 「これはまずいなぁ。戦争になる」


 予感がした。予感というよりも確信だった。近い将来こいつらは全勢力を持ってこの世界に戦争を起こす。


 「とにかく戻って報告しよう」


 そうして紙を置いた。

 その時だった。


 「っ!!」


 とてつもない気配がキィを襲った。


 「上に…何かいる!」


 キィは急いで建物から出た。外はとっくに暗くなっていた。

 キィが目にした者…それは人ならざる怪異?が彷徨っていた。


 「マジかよ…、これが…快廻村!」


 キィは悟った。

 無事では帰されないということを。


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ