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Ch.1 アブナイ姫様

異世界に転移した結城(ゆうき) 克己(かつみ)は、目の前で止まった馬車を呆然と見つめていた。

「おい、退け!馬車道でボーっとするな!このバカ者!」

馬車から顔を出して怒鳴るのは、甘さと幼さの中にどこか憎めない愛らしさがある鈴の音のような声の幼いお嬢様。

「ん?そなた、変わった格好だが中々に小綺麗だ!良い所の出と見た!」

一人でしゃべるお嬢様を呆然と見ていた結城 克己はお嬢様に引っ張られて馬車に乗せられた。

異世界に来た結城 克己は当然の問いをする。

「ココハドコ?アナタハダレ?」

結城 克己はぎこちなく動きながらお嬢様を見る。

「お主、妾を知らんとはどれほどの田舎者なんじゃ・・・」

お嬢様は結城 克己に呆れた眼差しを向ける。

「妾は偉大なるトリヴァーズ王朝の創始者、ユーグリット・アーサー・トリヴァーズの血を引く高潔なる姫、マデリン・アーサー・トリヴァーズ!いずれは女王となる姫なのだ!」

お嬢様もといお姫様のマデリンは胸を張って自己紹介するも結城 克己の反応は薄い。

マデリンはそんな結城 克己を不服そうに見る。

「で?お主は何者だ?どこから来た?」

マデリンは結城 克己に迫る。

「結城 克己・・・名古屋から・・・」

結城 克己は低く落ち着いたどこか安心感を与える声で自己紹介していくも、マデリンの反応を見て言葉を止める。

「日本から来た」

結城 克己の自己紹介を聴き終えたマデリンはドスンと乱暴に座った。

「聞いたことがない。それに、変な名前だ。ユウキ・・・ユウキ・・・もうユウキで良いや」

マデリンは腕を組んで不機嫌そうに呟く。

「お主!」

マデリンの声に結城 克己は驚きながら返事をする。

「妾の婚約者になれ」

マデリンの言葉に結城 克己は言葉を失う。

マデリン姫は隣国の王子と婚約することが決まっているらしい。

隣国を取り込むためのいわば政略結婚。

その政略結婚から逃げるため、マデリン姫は馬車を走らせていたということらしい。

「待てよ・・・?俺が関わっても何も解決しないんじゃないか?というか、酷い目に遭いそうだから降ろしてくれ」

結城 克己は嫌そうに話す。

「妾を見捨てるというのか!?」

マデリンは結城 克己に怒鳴る。

「見捨てるも何も、自己紹介しただけの関係だろ?」

「なんて奴だ!妾の話を聞いて可哀想だと思わんのか!?」

マデリンは西洋扇子で結城 克己を叩く。

「何しやがる!なんて奴だ!」

結城 克己は西洋扇子を腕で防ぎ続ける。

アブナイ!異世界大恋愛 キャラクター紹介

結城 克己(ゆうき かつみ)

この小説の主人公

ひょんなことから異世界に来てしまった男。


王(おう)

威厳あり気な王様。

実は昔、すごかったんです。


王妃(おうひ)

王都の中ではかなり賢い人。

王宮の図書館を管理している。



アブナイ姫様(ひめさま)編

マデリン

わがままなお姫様。

人に指図するとき使う西洋扇子は大好きなおばあちゃんからの贈り物。

本名はマデリン・アーサー・トリヴァーズ

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