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58・・・「2つの魔龍」


ブクリス達とも和解し、しばらく環境も安定するだろう。

そう思っていた。


…確かにそうだった。

……長くは続かなかった。小1時間くらいしか続かなかったのかな。


突如地面が揺れた。

そしてあろうことか地面が盛り上がって弾け飛んだ。


亀裂も走ったがちょうど蘭太達のいない方向へ割れたため直ぐに対応する必要はなかったが、その場の全員に衝撃を与えた。

そこから現れたモノは…。


「でかい…」


カルナがそう零すほどの巨大な龍だった。


ずっしりとしたガタイに4本の足、そして背中にはまるでフタコブラクダのように2つの小火山がついている。

どうやら頭部と尾部の先端にも火口がついているようだ。

何よりの特徴は目が真っ黒に塗りつぶされているということ。


どんな龍なのかは見てわかる。溶岩の龍だ。

溶岩龍は大きく息を吸うと、その漆黒の目で蘭太達を捉える。


「あの属性…まさか…!いや、そんなはずは…!」


龍を見たブクリスは呻くが、龍はそんなことを意に介さず、


グオオオォォオオオオオォォォンン!!!!


重低音の響く咆哮を轟かせ、力を溜めるように体を丸める。


「なんか…嫌な予感する…」


蘭太の胸のルルが呟く。同じことを思っていた蘭太がリーチャに指示する。


「リーチャ!共鳴して!」


「は!?」


「早く!奴が動いてからでも余裕持てるように!!」


緊迫感が伝わったのだろう。リーチャはペアの妖精と共鳴し、待機する。

直後。


先ほどの重低音と共に熔岩龍が力を解放する。

すると背中の火山から大量のマグマが噴き出した。

そのマグマは地面に到達すると四方八方へ流れていく。全方向へ流れるのだから蘭太達の方へ来るのはいうまでもない。



この龍を作った者はこの龍を【熔岩魔龍・ゴグボルケ】と名付けた。


この魔龍はブクリスの推測通り2代前の怒りの厄災の持っていた能力を移植・増幅されて生み出された物である。

ゴグボルケはその能力で無尽蔵に体内から熔岩を生成し、不定期に排出する。

その特性を生かした特殊能力、それが【灼熱の舞台】というもの。

間違っても外気温を上げるのではない。

主に戦闘に入る際、自身の無尽蔵にあるマグマを過剰レベルで排出し、そのエリアを強制的に溶岩の海にするのだ。


つまり、ゴグボルケと対峙出来る権利を持つのは空を飛ぶ術を持つ者か、たまたま近くに山があった時たまたまそこにいた者のみということになる。


また例え戦闘権を得られたとしても、ゴグボルケにはただでさえ堅い甲殻にプラスでマグマが冷え固まってくっつくことで堅牢な防御が出来ている。バカ正直に外側をつつく程度では何の成果も得られない。


そして、蘭太達は運悪く地上にいた、ので。


「やっぱり!リーチャ!隔絶で守って!」


「なんなのよ!??」


「ボサッとしてると溶けるよ!?」


リーチャは一方的に指示されることを癪に感じてはいたが如何せん状況が状況。

どうせ溶岩だ。待てば冷え固まるだろう。

そう思って耐えていた、が。

一向に固まらない。それどころか大量のマグマを抑えているため圧が強くなっている。


「冷え固まるのまで待つのは…」


「無理!バカなの!?絶対無理!!どうあがいても無理!!!」


「んー………っっ!」


蘭太は頭を抱える。

正直リーチャの隔絶が無くても死者は出ない。

この場の全員が飛べるからだ。

ではなぜこんなにも苦労しているのかというと、後ろにある拠点である。

個々人は飛べても流石に拠点は飛べない。かといって物資などが全て拠点にあるため、捨てるという選択肢は論外なのだ。


ということで悶々と考えるわけだが、ふと気づく。



何で拠点を()()()()で守らないといけないって思い続けている?



そもそもなぜあの位置にあることが前提だ?


「あ……いいこと思いついた」


「?」


ぽそっと呟かれたその言葉にブクリスが反応する。

続いて蘭太から出てきた案は気を疑うものだったろう。


「拠点を移す」


「…え、は?」


「分かった。急ぐよ。ウロボロス!」


「了解」


狼狽するブクリスを置いてカルナとウロボロスは他の龍達と共に作業を開始する。


「そんでもってブクリス。あんたは俺達と一緒にあのデカブツの気を引くよ」


「え…僕アクティブバトラーじゃなーーー」


「つべこべ言わない。何かしらの役には立つでしょ?それともカルナ達のお手伝いする?」


「い、いや、戦う」


答えを聞くや否や三重共鳴変身をして巨龍へ向かう蘭太。


『そういえば…あいつら4人はなぜそもそも1つになって変身できる上分離が出来る…?』


追いかけながら変身しつつブクリスは疑問に思う。

共鳴変身は、同化する双方の理念が共通しないと成り立たない。

それでも咄嗟に変身が出来るのは、育ちも遺伝子も共有した間柄で、このお陰で大体の考え方が共通しているためである。


だが。

聞いた話によれば蓮藤蘭太という人物はまずもって龍人であるはず。故に遺伝子を共有するペアはいないのだ。

ハーフフェアリーですらない彼がなぜそもそもハーフフェアリーの特殊能力である共鳴・共鳴変身の能力を得ているのか?


疑問はなくならない。

100歩譲って4人の意思が共通しているものとして、どうやったのか。

そもそも最も距離の近いルル・イーリアなる女は何者なのか。


悶々と考えると枚挙に暇がない。


「…リス?ブクリス!おーい!」


「はっ!」


思考で意識が吹っ飛びかけていたようで、蘭太に揺さぶられて我に帰る。


「なんか考え事?」


「ああ。あとで聞いてもいいか?」


「……?いいよ?知る限りだけどね」


そして今度こそ2人とも飛び立つ。何かしらの遠距離攻撃をした際に流れ弾でカルナ達の方へ行かないようにわざと時計回りに90度回っておく。


「…さて」


蘭太は空から熔岩龍を見下ろす。

改めて見るとバカでかい。

どうするかと考えていながら熔岩龍を見ていると、蘭太はソイツと目が合った。


……ん?

()()()()()


あんぐりと熔岩龍が口を開けるとそこからマグマが飛来。


「やばやばやばやば!!」


なんとか避ける。液状のものを吐き出しているため、距離を取るほど範囲が広くなるようだ。

躱した蘭太は通り過ぎていったマグマをじっと見ていた。


『どうしたの?今はあの熔岩龍のほうが…』


『いや、そうなんだけど…』


ここで思い出そう。蘭太はまだ10代の子どもである。

彼は子ども特有の好奇心でうずうずしていた。


『あのマグマに装甲纏ったままちゃぽんって入ったらどうなるのかなぁ…』


『『『んー…、あほかな?疲れてる?』』』


『ゴメンナサイ』


珍しく、同化している3人にシンクロ率200%で冷ややかに好奇心を踏みにじられた。

当たり前だ。いくら共鳴変身で装甲を纏っているとはいえ纏えるのは体力が続く間である。

マグマなどという殺意10000%の環境でなどまともに浸かるだけで即死コース。

もし仮にブラッディアンの再生能力で再生したとしてもマグマの中であることには変わらないのだから詰み確定である。


意識を精神世界から肉体へ戻し、ブクリスに尋ねる。


「ねぇ、なんかない?巨龍討伐兵器とか?」


「残念ながら無い。あったらまず君に使ってたよ」


「」


「黙るな。そんなに口尖らせるな。……そんな画期的なモノは無いが…、奴の火口、入れるような気がするんだ」



ーーーーーーーーーーーー



一方元世界でも魔龍が出現していた。


その名はアディヨンポリズ。

そいつは上空にいたグラビティ達にむけ咆哮したあと、()()()


「は!?そんな腐った翼で飛べんのかよ!?」


黙って接近を許すほど優しくはないので圧力の能力で上昇を食い止めるが、逆の力も凄まじい。


そんな時にグラビティめがけ抜け殻の龍が襲う。


「なっ!ちょ!横から失礼はマジでやめろ!」


「集中しなさい!」


ブリザードが抜け殼の龍を飲み込み、飛行能力を失わせ落とす。真麗の仕業だ。

そうして真麗が落とし続けていると、グラビティの感じる抵抗力が弱まっていった。


何事かと思えばアディヨンポリズは自ら地上に降り、

腹を空かせていたのか落ちていた抜け殻の龍を貪るように喰らい始めたのだ。


「野郎…どんだけ腹空かしてんだ…?」


しばらく待ってもアディヨンポリズは食事に夢中であり、こっちを完全に無視している。


「あいつ…もしかして俺らには無害?」


「むしろ掃除してくれてるのかしら…?」


と思った矢先。

アディヨンポリズは不要物を排出するように、体上部にある4つの首から液状のブレスを吐き出した。

その液体は地上にあった建造物などに触れるや否や炭酸ジュースのような音を立てて溶かし始めた。


「酸…!?」



【万物ヲ消シ去ル強酸】

体内環境が極限まで不安定なアディヨンポリズが身につけた固有能力。

体の各所が腐っている理由は以前述べた通りなのだが、本来であれば体が腐る時点でその生物は死んでいるはずである。

だがアディヨンポリズは強靭な魔龍として生まれたため、この程度で命を落とすことはなく、逆に自らの力とした。

能力の詳細はまさに名前通りである。


ちなみにこの酸は変身能力者の装甲にも影響がある。



強酸の塊がグラビティ達に迫る。

咄嗟にベクトル弄りで防ぐが…。


「ぎゃ!」


しまった。咄嗟すぎて真麗までフォローできてなかった。


「ちょっと!食らったじゃない!!」


「すまん…、というより自分で回避行動取るなりしろ…ん!?」


グラビティは驚きで目を見開いた。

酸を受けた真麗の装甲が溶けて消えたのだ。


「え!うそ!?どうなってるの!?」


「くっそ!下がれ!生身同然で巨龍と戦うなんざ無謀すぎる!」


グラビティは真麗を退避させた。

変身能力者の装甲への影響。

それはあまりの強酸すぎて装甲を腐食し、大幅な弱体化を招いてしまうこと。


つまりアディヨンポリズの酸を受けてはならないということ。

さて、巨龍を1人で相手取らなければならなくなったグラビティだったが、彼の表情から不安は感じることはできなかった。


「そーいうことなら…俺で十分だ」


グラビティは自らアディヨンポリズの前に浮遊し、敵の存在を認識させる。


「今日がお前の命日だ。ゾンビが」



どうもどらっごです。

ガンガン魔龍達出して行きますよぉぉぉぉ(といっても3体しかいない件)


あ、先に述べておきますがグラビティさんはラスボスでありませんよ!ただ決め台詞的に合うかなと思って引っ張って来ました()



ではでは、また。

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