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ネタバレ

ステージに上がると大歓声が聞こえた。

こんなに小さなステージなのに、どこから集まったのか周りは観客で埋め尽くされていた。


もう、やるしかない。

大丈夫、私は1人じゃない。

大丈夫。


無心で歌い切った。

今までで一番声を張ったきがする。

途中、少し裏返ったかも…。

でも、悪くなかった、と思う。

ステージから降りると気が抜けて涙が溢れ出てきた。

サトツさんが肩をぽん、と叩くと『サイコー!』と言って親指を立てた。

他のメンバーも次々に肩を叩くと、声をかけてくれた。


そのまま、サトツさん以外のメンバーはバンに乗った。

お互いに顔を覆っていたベールを取って自己紹介をした。

私以外のメンバーは定期的に練習をしていて、ボーカルが一度も顔を出さないから不安に思っていたらしい。


…私も同じです。


全てを仕組んだのはサトツだなー!なんて笑い飛ばしていると、遅れてサトツさんが乗り込んできた。

そのままみんなでサトツさんの家へ。


衣装着替え、メイクを落とすと写真で見た通りの面々だった。

ただ、他のメンバー達は私の顔を知らなかったらしい。


…私はCDデビューしてる事すら知らなかったけどね。


サトツさんが謝ってきた。

『りえは一般人だったし、仕事もあったから公にしない方がいいと思って…』


そこにYamaがヤジを入れる。

『サトツはりえちゃんを見せたくなかっただけだろー!きっと、取られると思って心配だったんだぜ』


サトツさんが慌ててYamaを止める。

なんだか、2人きりでいる時よりサトツさんが幼く見えて新鮮だった。


そのままケータリングを頼んで打ち上げをした。

まだ外は明るいけれど、初ライブの成功でみんな大興奮だった。





皆んなが帰って、2人だけになると、サトツさんは再度謝罪を口にした。


『りえの生活を壊したくなかったのは本当なんだ。』


そう言って頬に手を当てる。


『……りえを誰にも見せたくなかったのも本当だけど』


サトツさんが離れると、引き出しからCDを出して手渡してくれた。

昼間、りょうに見せてもらった物だ。

中を開くと、ライブの時と同じような衣装で写る4人のメンバーと白いシーツの中で口元だけ見せた女性が写っていた。


耳まで真っ赤になっているのが自分でもわかる。


『サトツさ…、この写真…///』


紛れもなく、初めての時の、写真だ。

以前、サトツさんに見せられたことがあった。

その時はこんな使い方されるなんて思ってなかったからサトツさんが待ち受けにしてても、少し恥ずかしいだけで嬉しかったのに。


『これならりえってわからないし、よく撮れてるだろ?みんなに自慢したくて…』


照れながら話すサトツさん。


…あれ?

サトツさんて意外にバカなのかな?


こんな写真が世間に出回ってるなんて知ったら恥ずかしくて外歩けない!


『大丈夫だよ、これじゃあ個人の特定はできないから。』


…確かに、口元だけだし誰だかわからないけど…。

でも、少なくともメンバーにはわかっちゃうじゃない!

私達がそういう関係だってことも含めて。


『それは牽制ってゆうか…』


サトツさんが何やらもごもごと言い淀んでいる。


怒る私に、サトツさんはもう一つ、何かを手渡した。

…通帳?


名義が私になっている。


『ここに、りえの分が入ってる』


何の事?


中を見ると、残高がとてつもない事になっている。

見た事ない桁なんですけど⁉︎⁉︎


『テレビとか全然見ないとは聞いてたけど、ここまでバレないとは思ってなかっだんだ。結構連日話題にはなってたし、ドラマの主題歌とかCMソングなんかにも起用されてるから…』


呆然。


何も知らなかった。

ジーザスって読み方だってさっき知ったところだよ。


目眩がする…。


『ごめんね?』


と、バツが悪そうに謝るサトツさんは、なんだか可愛くて。

これ以上文句を言っても仕方がないのも事実。

だって、悪い事じゃないから。

仕事を辞めて、貯金の尽きる前に次の職を探さなきゃって焦ってたけど、とりあえず当面は心配なさそうだし、ダーリンは予想外に有名人で、なんなら私すら有名人だったけど。

覆面バンド継続予定で、ライブはたまにするらしいけど、基本的には今の生活が大きく変わる訳ではないらしい。


ちなみに、さゆりさんはサトツさんのいとこらしい。

本名は里津隆平。これは本人より前にりょうに聞いてたけど。


てゆうか、私もL.C好きだったのに全然気付かなかった!

声が似てるなぁ…って思った事はあったのに。

なんで気付かなかったんだろう。


苦悶していると、サトツさんが後ろから抱きしめてきた。


『ねぇ、俺との約束すっぽかして話してたの誰?』


振り返えろうとしたけれど、しっかりと抱きしめられて動けない。


『すっぽかした訳じゃなくて…、懐かしくてつい話し込んじゃったの。それに、ジーザスのCD見せられて…』


『随分楽しそうだったよね。俺の前では見せない顔だった。』


なんか怒ってる?

そりゃ、当時好きだった人に会って懐かしい気持ちにはなったけど…。


『好きだよ、サトツさん』


そう言って抱きしめら腕を抱きしめ返した。


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