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プロローグ

挿絵(By みてみん)

ひんやりとした春の朝に、俺は思わず身を縮めた。それでも笑顔を作ろうと努めながら、子供たちに、そしてもちろん保母さんにも手を振り続けた。


この児童養護施設を出てから何年経ったのか、もう正確には言えない。人生で最高の日々だったとは言わないが、きっと楽しかった思い出の数々が、二十七歳になった今の俺をここに戻したんだと思う。寄付した金が、この子たちを俺より成功させてくれるといいんだが……誰かのポケットに消えるだけじゃなければな。まあ、それを確かめることはもうできないだろう。医者からは二ヶ月、いやもっと短いかもしれないと言われている。日に日に悪くなっていく体調を考えると、あと二週間ってところか。


でも怖くはない。むしろ悔しいんだ。俺の後には何も残らない。誰もいない。キャリアを追いかけるのに必死で、家族を持つことなんて考えもしなかったからな。


はっ、でも落ち込んでる場合じゃない。イヤホンを取り出して音楽をかけると、痛みで顔をしかめた。ため息をつきながらまた一錠薬を飲み込み、昔みたいに笑顔を作ろうとして、バス停へと歩き出した。


「駆け出して、崖から飛び降りる! 俺はいた、そして俺はいなくなる!」――イヤホンからボーカルが叫んでいた。いや、悪いけどまだ早いって。結構悲しい歌詞なのに、俺はすっかり聴き入ってしまった。というより、この曲は楽しかった学生時代を思い出させるんだ。何でも手に入りそうで、世界中が足元に広がっていた――どこへでも行けるぞ!って思えた時代だったな。


俺は乗合バスに乗り込むと、隅っこで身を縮め、窓の外に目をやった。太陽がようやく姿を現し、小さな積雲が浮かぶ青空を嬉しそうに照らしていた。乗合バスが橋に差し掛かると、俺は貯水池のさざ波に映る光を眺め始めた。ああ、最後に海にでも行ってみようか? 太陽、海、水着の美女たち! 悪くないアイデアじゃないか。


車内で急に声が大きくなり、俺はイヤホンを外した。


「おい、どこへそんなに突っ走ってんだ? 頭おかしいだろ!」


「ママ、見て、くるま!」


誰かがスマホを取り出して撮影し始めた。俺の席からは何が起きているのかよく見えなかったが、誰かに聞く間もなく、猛スピードのトラックが乗合バスの側面に激突した。


衝撃で双方の車両は橋の欄干を突き破り、水中へ転落した。


ボロボロの乗合バスはみるみる水で満たされ、衝突の衝撃に耐えられなかった乗客たちの体を水中へ沈めていった。パニックが起きた。比較的無事だった者たちが席を飛び出し、意味もなく押し合いへし合いを始めた。


「どけよ、くそったれ! 窓から出るんだ、早く!」


俺の叫びにビクッとしたのか、何人かは無駄にパニックになるのをやめた。中には素直に従う奴もいた。バスが沈み始めたので、俺は急いで後部ドアを開けようとした。やった、開いた! これで後ろの連中は、乗合バスがさらに勢いよく沈み始めたとはいえ、比較的落ち着いて脱出できるはずだ。


俺は潜って中央まで泳ぎ、足を怪我してパニックになっている親父と、その小さな子供を抱えた。息を止めろと警告してから、二人を後部ドアまで引っ張って浮上させた。


もう一度潜って、生き残った乗客が全員脱出したか確認した。けど――そういえば、運転席の窓はまだ割れていない。まさか、誰も逃げようとしなかったのか?


潜ってみると、助手席には意識を失った女の子がいて、運ちゃんはシートベルトから必死に抜け出そうともがいた。車内に残った空気はわずかで、天井付近にほんの少しだけ。運ちゃんは俺にジェスチャーでグローブボックスを指差した。中身が床にぶちまけられている。床で鈍く光るナイフを見つけ、俺はそれを掴んでシートベルトを切った。男は大丈夫だと合図すると、出口へ向かって泳いでいった。女の子は? 水を飲んでいても、まだ蘇生できる可能性はある。俺は彼女を抱えて出口へ泳ぎ始めた。片手で必死に水をかく。


こんな時に限って痛みが! 体が引きつり、反射的に息を吸ってしまった。水を飲み込んだ。窒息が始まる。もう無理だ。悪いな、見知らぬ女の子。残りのみんなが、俺たちの分まで生きてくれることを願う。


「Aliis inserviendo consumor」――「他者に仕えて、我は燃え尽きる」。それが俺の最後の思考だった。


◇◇◇


美しい声が言った。


「未知の存在を理解する試み……成功。直感的理解のための再構成、インターフェース生成中。インターフェース読み込み完了、脳解析完了」


あ、何? なんだこれ?


俺は真っ暗闇の中にいて、自分の体を感じない。でも、目の前にタッチスクリーンのようなものが浮かび上がってきた。


志願者:


名前:ニコライ・ヴィノグラードフ


年齢:27歳


惑星:未調査、ソラール・セグメント


種族:???


その後、ウィンドウがポップアップした。


「種族の自動スキャンを開始しました。処理を高速化するため、手動でデータを入力しますか? はい/いいえ」


ふむ、「はい」か? 我ながら、なぜ驚かないんだろう。ここはどこだ?


「種族のパラメータ。


名称*:???


平均身長:???


平均体重:???


平均寿命:*???」といった具合だ。


項目が何百もある! だが、アスタリスク付きは二つだけ。俺は「人間」と入力して、寿命は……もし「1000」にしたら?


「変更を保存しました。送信します」――再びあの美しい声が響いた。


眠気が襲ってきて、俺は意識を失った。


◇◇◇


成功したぞ、みんな! うおおおっ!――誰かが目の前で叫んだ。


俺は力を込めて目を擦り、なんとか目の前の光景に焦点を合わせた。長く深い眠りから覚めたような感覚だった。


目の前に立っていたのは、色とりどりの模様で派手に飾られたローブを着た老人だった。糸の一部はキラキラと輝いていて、確かに見栄えがする。老人の手には、先端に優雅な渦巻き模様があり、大きな青いクリスタルを縁取る杖が握られていた。


その老人は長い白髭を揺らし、耳まで裂けるような笑顔で、今にも抱きつかんばかりに俺へ両手を広げてきた。


そしてその時になってようやく、俺が全裸で立っていることに気づいた。見知らぬ連中の前で一物を晒すのはあまり上品じゃないと判断し、振り返ると、畏敬と歓喜に満ちた何百もの視線とぶつかった。


誰かが手を挙げて歓声を上げ始め、多くの者がそれに続いた。こうして俺は、全裸のまま、歓喜に沸く群衆の前に立たされ、後ろには俺を抱きしめようとする爺さんがいる。だがそれだけじゃなかった。変なことはまだあった。


目の前のほぼ全員が鎧を身につけていた――革の胸当て、脛当て、ブーツ、籠手、兜――が、よく見ると明らかに様々な種族が混ざっていた。まあ、ファンタジーもSFも好きだったから、見分けるのに困ることはなかった。


華奢な体型で、繊細な顔立ちと長く尖った耳を持つ者たち――明らかにエルフだ。ずんぐりしてゴツい髭面の男たちと、その髭のない女性のドワーフ――ドワーフだろう。


ヘルメットを被っていない可愛い女の子たちが、頭のてっぺんに猫耳、狐耳、犬耳を生やしている。そして彼女たちのそばにいる、あまり可愛くない男たち(それとも雄、か?)は、叫ぶときに長い牙がはっきり見えていた――獣人だ。


普通の人間もいた。それ以上に変わったものは、たぶん、なかった。みんな粗末な剣と盾で武装している。まあ、これは俺にそう見えているだけかもしれないが。遠くには建物が見える。様式は中世ヨーロッパといった感じだ。


小さな町か村か、この距離でははっきり言えないが、丘と丘の間のくぼみに広がっている。まったく、景色のいい場所だ。足元には緑の草、信じられないくらい青い空に雲ひとつない、太陽が二つ……って、ふざけんなよ?


いや、異世界転移とか転生とか、そういう話は知ってるけど、まさかこんな風になるとは……


ぱっと見た感じ、自分の体調は普通だ。いや、正確には、病気になる前の、もっと昔の俺にとっての普通、という感じだ。俺の体は運動神経のいいアスリートのような体型とは程遠い。どちらかと言えば痩せてひょろ長い。顔は確認できない。


群衆の雰囲気が何か変わった。みんな静まり返り、どこか一点を見つめている。


俺のほうへ、薄着の美少女が二人、何かを盆に載せて近づいてきた。


さて、俺はできるだけ女の子たちに注意を向けないようにした。こんな群衆の前で一物を晒すわけにはいかないからな。


少女たちが俺のそばまで来ると、目の前でひざまずいた。顔が俺の、その、腰のあたりに近い。いや、何を考えてんだ俺は……


見知らぬ二人は盆から革の切れ端でできた腰布のようなものを取り上げ、俺に着けてくれた。それから立ち上がり、俺の両脇に並んだ。


ふう、これで少しは落ち着く。ありがとう、美人さんたち!


老人が俺の前へ回り込むと、髭を撫でながら話しかけてきた。


「名を名乗れ!」


「あ……ニコ……」


その瞬間、女の子の一人が我慢できなくなったのか、俺を抱きしめてきた。驚きと賛同の声が上がる。


「ではニコよ!」老人は周りの者たちへ向き直り、大声で繰り返した。それから続けた。


「死すべき者が名乗りを上げた!」


群衆がどよめき、拍手し、口笛を吹いた。俺から手を離した勇敢な少女は顔を真っ赤にし、両手を頬に当てながら言った。


「やった! 死すべき者に、死ぬ前に触れたわ!」


ちょっと待て待て待て。


おい、マジで俺は死んだ後に転生して、また死ぬためかよ? なんつう悲しい猶予期間だ。


その間に群衆は再び静まり返り、今度は二人の男が俺に近づいてきた。他の連中と同じような剣と盾を俺に手渡してきた。


老人が何か呪文を唱えると、俺の体が宙に浮いた。浮遊の魔法か何かか? どうやら、いわゆる死すべき者の召喚ってやつは完全にシステム化されているらしい。こんなクソみたいなことに自分から志願する奴なんてほとんどいないってのが一発で分かる。


わめき散らしたり、あのクソッタレなマーリンについて思っていることを全部ぶちまけても無意味だと判断し、俺はただ次に何が起こるかを見ていた。空中を街から離れる方向へ引きずられ、魔法使いの老人本人は少し後ろをろくに歩き、群衆は俺たちから500メートルほど離れて揃って行進していた。


すぐに俺がどこへ連れて行かれているのか分かった。前方には、枯れかけた木がまばらに生えた小さな岩だらけの平原が広がり、その真ん中の空中に薄汚い黄色に輝く楕円が浮かんでいた。中心部では光が渦を巻いてきらめいている。ポータルってやつだろうな。


兵士たちは相変わらず同じ距離を保って後方に陣取り、老人は緊張した面持ちで楕円を凝視していた。しばらく間が空いた。突然、この状況にはあまりにも馴染み深く、あまりにも場違いな音が響いた。耳をつんざく銃声だ。


老人の頭が弾け、脳みそと血を周囲にぶちまけた。俺は呪文に支えられなくなり、地面に叩きつけられた。


ポータルから轟音とともに二台のバギーが飛び出してきた。それぞれに迫撃砲が取り付けられていて、ズドンという重い音を立てて群衆に向けて発砲した。

本作は、私自身が執筆したオリジナルのロシア語小説を、AI翻訳(Claude)を下訳として使用し、私自身が日本語のニュアンスや台詞の調整・推敲を重ねて作成したものです。ロシアの文化・風習については、日本の読者に伝わりやすいよう一部調整しています。至らない点もあるかと思いますが、誤字脱字や不自然な表現があれば教えていただけると幸いです。楽しんでいただければ嬉しいです!

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