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猫と横浜  作者: のらしろ
第一部 猫に引っかかれて明冶にまいる …

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第13話 関内での初デート……かな



 銀行を出てから明日香さんの案内で少し関内を散策することにした。

 いくつかの店に立ち寄っては中を覗いてみたりしていく。


 日本人経営の店と、海外から来ている人が経営している店の半々くらいの割合で覗いてはいるが、これと言ってほしいと思うものは無かった。

 ただ、ドイツ人経営している店は、特殊で色々この時代では珍しいとも得るものが取り揃えてある。


 なんと顕微鏡まであったのには驚いた。

 しかも値段がすごい。

 俺の買った家の半分とまではいかないが、2割くらいしていただろうか。

 俺が店を覗いてみて感じたのは総じてガラス製品が割り高だ。

 特にレンズなどはそれこそ眼鏡一つとっても高価だと思われる。


 だいぶ慣れてはきたが、俺はまだこの時代の経済感覚があるとは思えないので、はっきりとは言えないが、まあ、明治時代ならばある意味納得ができる……あ、明治ではなく明冶だった。


 もうどうでもいいけど、とにかく江戸時代生まれがまだ中心となって働いていそうな時代だけあって、俺のいた令和と比べる方がおかしいのだが、俺はその時代しか知らないのでそう感じるのは当たり前だ。


 だが、できるだけ早くこの時代に俺の感覚を合わせないとこの後色々とまずそうな気がする。

 そういう意味では、この時代に来てからすぐに明日香さんを味方につけたのは大殊勲だと思う。

 グッジョブ!俺。


 見て回った限り、食品を扱う店もあるが、乾物類が中心となっており、食指を惹かれるものが無かったのだ、俺も拠点を構えてこの時代で生活するには必要なことだし、そのあたりも見て回る。


「旦那様……あ、私は金田様のことをなんとお呼びしたらよいのでしょうか」


「一とでも呼んでくださいな、明日香さん」


「そうですか、一様。

 先ほどはすみませんでした。

 小妓楼時代から教えられていたことなもので、身請けされてもそのように相手様のことを呼んでおりましたので、以後気を付けます」


「それで、俺のことを呼んでいたようなのだが、何か」


「ええ、旦那様……失礼しました、一様。

 この関内では、どうしても取引相手が海外から来た人や、ホテルや小妓楼などの特別な方を相手に商売をしております関係で、どうしてもお値段が……」


「ああ、そう言うことなのか。

 そんな気はしていたけど、この近くに俺たちが食べる際に使えそうな物を売っている店はあるのかな。

 庶民相手とまではいわないけれど、普通の、あいや、普通の商店主などが使っているところが」


「ええ、ここからですと少し歩きますが、それこそこの先の野毛山あたりにも店はありますね」


 少し足を延ばすというのも、今からだとな~。


「ありがとう。

 いずれ、近いうちにでも案内してくれ。

 今日のところはホテルに戻り休もうか。

 少し疲れたこともあるが、今後について落ち着いて考えておきたいので」


「私もご一緒していいのでしょうか」


「ああ、先にもいったが、治療が終わるまでは俺と一緒にホテル住まいだ。

 同部屋なのは勘弁してほしい」


「いえ、そんな」


「ではホテルに向かうぞ」


 関内のそれもホテルのある浜とは反対側になる場所から、ホテルまでは少し距離もあるが、俺たちは来る時と同じように歩いてホテルに向かった。

 夕方には少し早い時間だったが、俺たちはそのままフロントで鍵を借りて部屋に向かう。

 部屋に入ると俺はすぐにスーツを脱いで、普段着に着替えたのだが、明日香はそのままだ。


 そういえば、明日香はそれほど衣装を持ち合わせていなかったな。

 特に下着類が少なすぎる。

 出張途中の俺でさえ、今日までの分を持っていたのに、俺よりも少ないとはどうなのだ、その、女性として。


「明日香さん。

 病気の治療上大変重要なことなのですので、教えてほしい。

 明日香さんの下着ってどれほどお持ちなのでしょうか」


 そこから聞いた話は、はっきり言って、この時代に闇を感じた。

 洗濯事情も、あまりに酷い。

 女性の重労働の大半を洗濯が占めているようなことを教えてもらった。

 

「俺の下着もそろそろ足りなかったこともあるのだが、洗濯は、こういう場合どうしているのかな」


「ホテル住まいの方では、ホテルで雇っている人に有料ですが、頼むと聞いております」


「それって、ここでも頼めるのかな」


「はい、そのはずですが」


「なら、今持っている明日香さんの下着と俺のを頼んできてもらえないか」


「ええ、わかりました、一様」


 俺は、明日香さんに長野から貯めてきた洗濯物を渡して、2円ほど一圓札で明日香さんに渡しておいた。


「一様。

 これ、多すぎます」


「残ったら、返してくれればいいよ」


 俺はそういうと、明日香さんはかなりの量にまで膨らんだ洗濯物をもって部屋から出て行った。


 しかし、この時代の洗濯物って洗濯機も無いのだし、やはり洗濯板でも使ってなのかな。


 拠点の移ってからも考えないとまずいか。

 いずれそのあたりについても明日香さんに聞いておくとして、今回の選択についてはどうにかなったと考えていいだろう。


 その日も、明日香さんが戻ってきてから治療と称したセクハラ……いや、一応効果も期待できるはずなので治療でいいだろう。


 それも行ってから早めに寝ることにした。

 翌日も、昨夜と同様に治療を行ってから食堂で朝食をとってから、第二国立銀行に向かった。

 

 翌日も、昨日と同じ時間に起きて第二国立銀行に徒歩で向かった。

 当然、俺のリュックの中には家の代金になる千五百円も入っている。


 尤も、現金と国債の全てを持ち歩いているからそうなるが、銀行でいや、多分だがあのオランダ商人の店でだろうとは思うが、そこで取り出すときに他の現金に目がいかないように昨夜別けてきたが、それを持って銀行に向かった。



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