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シンデレラにお願い  作者: 高遠 泉
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微妙に違う世界だわ

戸棚をあさって気付いた事がある。

見た事のない野菜や小麦粉に見えた粉。

少しずつだけど自分の知っている世界とは異なると感じ始めた。

まぁ、食べれればなんでもいいけど。

見たことのない野菜なんて沢山あるはずだし、昔の世界だったらあり得るし。

とか思っていたら、決定的に違う事が解る。


そう。


魔法が使えるらしい。


まぁ。そうよね。魔法が使える世界じゃないと魔法使いのおばあさんが出てこられないじゃない。

あれ、でもまって。

うそ。

クラリスも魔法が使えるのよね?

そしたら魔法使いのおばあさんの力なんて借りなくても自分でなんとかするんじゃない?


なんて思っていたら、ほんのわずかなものらしい事もわかった。

強力な魔法を使う者は強制的にお城へ勤める事になっているらしい。

それに女性で強力な魔法使いになれた者はほんの一握りらしく、世間の女性たちは家事のほんのひと手間に魔法を使っている様子。


あぁ。ゴッドマザーはやっぱり存在するらしい。

あれ?ゴッドマザーって表現でいんだっけ?

まぁいいわ。


私にも覚えれば魔法とやらが使えるのかもしれないかと思うとわくわくしてきた。

ふふふ。

とりあえず、不適な笑みを浮かべるとクラリスが用意してくれたクッキーもどきをぽりぽり食べる。

御煎餅とクッキーの中間って味。

甘いけど、ぽりぽりしてる。

うまーい。

この世界、結構気に入った!


庭に出てメノピョンという名前の様はにわとりよね。の卵を籠に魔法でひゅんひゅん集めだしたクラリスを眺めながら、これからどうしようかなぁと草の上に腰を下ろした。


目の前にはのどかな田園風景?が広がっている。

緑の麦?畑のようなものが当たり一面に広がっていてとても気持ちがいい。

どうやら私の家は他の家々を一望できる丘の上に立っているらしい。

丘の下にはとても可愛らしい街が広がっていてその中心にあるのが、あのお城だ。

結構遠い。

なんたってその城や街までの距離が半端ない。

あー。だからかぼちゃの馬車ね。

なんていらん事を考えてた。


…お父様ってもしかして田舎の地主みたいな人だったのかな。童話のイメージでうっかり貴族とか貿易商とかをうっかり想像してたけど。

広大な土地があるから、そうなのかも。

魔法でちょちょいのチョイで刈り取るのかしら。この広大な麦。

風でさわさわ揺れている笛吹き田の様子が微笑ましい。

ここが、シンデレラの童話そのものって訳でもないわけだし。

決めつけてたけど。


だとしたら、どうしよう。

クラリスを王子様の姫にすれば帰れるんだとなぜかそう思っていたもんだから、眼がうつろになる。

とりあえず、収入源というよりは自給自足に近い生活をしている事は解った。

あとは我が家の経済状況を把握しなくちゃ。


うつろになっていた目をぱちんと頬を叩いて戻すと、やるだけやろうと煎餅みたいなクッキーをポリポリ頬張りながら家へと戻った。




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