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悪役令嬢は全能ですっ! ~前世は女傭兵!? 四季咲きのミア・ローズ、最強の領地を目指して~   作者: 葉月双
六章

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6話 フルコース大好き


 ハウザクト王国の王城で、子供たちだけの夕食会が開催された。

 参加者はローズ公国から私、ローレッタ。

 ハウザクト王族からジェイド、クラリス、アラン。

 ハウザクト国民からノエル、レックス。

 計7人である。

 前菜を食しながらクラリスの学園生活についての話を聞いた。


 とっても楽しそう!

 私も早くローズ公国のアカデミーに通いたいな!

 ミア・ローズ学園編!

 まぁアカデミーを作るところからなんだけどね!

 もう計画はしてあるので、12歳の春には余裕で間に合うと思うけど!

 この辺りの国は、12歳で学校に通い始め、15歳で卒業するのが一般的。


 うちもそれに合わせる予定だけど、コースによっては1年伸びるかも?

 細かい調整は講師陣を雇ってからだね。

 と、配膳係が前菜を下げてスープをテーブルに置いてくれる。

 私はスープをグビグビと飲んだ。

 うめぇ!!


「……ミアって感じですわね」


 スプーンでちまちまとスープを飲みながら、クラリスが言った。


「私だってテーブルマナーは知ってるよ?」

「ミアにマナー、それは咲き誇るバラが人語を解するのと同義」


 アランがなぜか神妙な顔で意味不明なことを言った。

 相変わらずだな、と私は思った。


「知ってて無視するのすごいな」レックスが言う。「俺とか元から知らないんだよな!」


 とはいえ、レックスはみんなの動作を真似しているので、惨事には至っていない。

 そもそも、なぜレックスがこの場にいるのかって?

 私が誘ったんだよ!

 乙女ゲーのキャラ勢揃いさせたかった!

 知り合いの、って意味ね。

 主人公ともう1人の攻略対象者にはまだ会ってない。

 そのうち会えるといいなぁ。


「君たちと私の仲じゃないか」私はニヘラっと笑って言う。「気にしなくていいだろう?」


「お、おう」


 ジェイドが少し照れたように言った。

 なぜか他のみんなも照れたような表情を浮かべながら頷いた。


「それはそうと姉上」ジェイドが言う。「ミアはどうやら、神殿と事を構えるらしいぞ」


「なんですって!?」クラリスが酷く驚いた風に言った。「神殿って大勢力ですわよ!?」


「もちろん知っています」とローレッタ。


 澄ました感じのローレッタって本当可愛いなぁ。


「いくらローズ姉妹でも、神聖連邦を相手にするのは分が悪いですわ」


 クラリスは心配そうに言った。

 実際、心配なのだろうけど。


「そもそも何が原因なんだ?」


 レックスが首を傾げながら言った。

 私はいきさつを丁寧に説明。

 その間に、スープが下げられて魚料理がやってきた。

 私は丁寧に魚の身をほぐして食べつつ、説明を続けた。

 魚が下がってソルベが出てくる頃には、全て解説できた。

 ちなみにソルベはレモンのさわやかなシャーベット。


「なんて生意気な司祭!」アランが怒った風に言う。「助祭も生意気だし、そもそも神殿の方針が生意気!」


「まったくですわ」クラリスも頷く。「ちょっと自分たちが強い立場だからって……」


「そもそも、我が国で奴隷を連れているというのも気に食わんな」


 ジェイドが言った。

 ソルベが下がって、お待ちかねの肉料理!


「そのヤバい連邦と喧嘩しそうなミアが、1番脳天気に飯食ってんだけど……」


 レックスが引きつった表情で言った。

 最近のレックスは敬語を使うことを完全に諦めている。

 なにせ、私らみんな「無理に敬語使わなくていいよ」って言ったからね。

 誰にだって得手不得手はあるものさ。


「まぁ焦っても仕方ないですからね」


 ローレッタも「あら美味しいですね」とか言いながら、肉料理を口にしている。


「なんかオレに手伝えることある?」アランが言う。「漆黒の闇の末裔の力しか使えないけど」


「先祖にそんな物騒な人はいませんわよ……」


「特に手伝うことはないですけど」ローレッタが言う。「暇なら戦闘を見学に来ますか? 色々と将来のためになるかと」


「いいな!」アランが立ち上がって言う。「行きたい!」


「あたくしも行きたいですわ!」

「それなら俺様だって実戦経験が欲しいぞ!」


「や、あんまり多いと面倒ですし」ローレッタが淡々と言う。「アランだけで」


「……俺様、前から思ってたんだけど、ローレッタってアランに甘くないか?」


 私とローレッタ以外の全員が強く頷いた。

 仲いいなぁ、とは思っていたけど、これは……。

 もしかして……。

 ローレッタはアラン推し!?


「別に甘くしてないです。誰かさんと違って素直だから接しやすいだけです」

「その素直じゃない誰かって俺様のことか!?」

「さぁ、誰ですかねぇ」


 フッとローレッタが笑う。

 はい可愛い!

 てか、ここにいるみんな可愛い!

 私のハーレム!


「話を変えるけど」レックスが言う。「ノエルって今、ローズ公国に遊びに行ってるんだろ?」


「うん? そうですけど?」とノエル。


「……泊まるんだよな、ミアたちの、その、家に……」

「そうですけど?」


 ノエルは珍しく、胸を張って少し大袈裟に言った。

 そしてローレッタ以外のみんなが私を見た。

 何?

 その視線は何!?

 襲うと思ってる!?

 私がノエルを襲うと思ってる!?


「心配には及びません」ローレッタが言う。「部屋は別ですし、あたしがお姉様を抱いて寝ますから」


 拘束すると!?

 私がノエルに夜這いしないように、拘束すると!?


「あたくしも泊まりに……」

「俺様だって……」

「オレもオレも!」

「じゃあ俺も……」


 みんながワチャワチャ始めた頃に、肉料理が下がってジュースが出てきた。

 大人だったら、ここはチーズとワインが出てくる。

 談笑するためだ。

 私たちはジュースを飲みながら、しばらく談笑を続けた。

 結局、もしも神殿勢力と戦争になったら、アランだけ見学に来ることになった。



 その後、私たち3人はフィリスを連れてローズ公国の屋敷に戻った。

 トランプして遊んでから、私たちは眠りについたのだけど。

 宣言通り、ローレッタは私を抱き枕の代わりにした。

 ああ、ローレッタ可愛い!

 可愛い!

 私もギューッとローレッタを抱き返したのだった。



「おはようございます、ローレッタ様、ミア様!」


 メイド服に身を包んだフィリスが、私たちを起こしに来た。

 ああ、そっか、今日から早速、側仕えの仕事やるんだっけ。

 フィリスは侍女たちと一緒に、私とローレッタの朝支度を済ませる。

 私たち姉妹は今日は完全にオフの予定なので、軍服ワンピースではなくドレスを着た。

 いわゆる普段着である。


 戦闘服の方が私は落ち着くけど、まぁたまにはね。

 ノエル、ザカライアと合流して朝食を摂って、私はザカライアの服を買いに行くことを提案した。

 だってザカライアが着てるの、女性物だし。

 ちなみに侍女の私服で、ズボンとシャツね。

 昨日、ザカライアを風呂に入れたあと、男の子の服がないからと貸してくれたのだ。


「ねぇミア」ノエルが言う。「ザカライア君をこれから、どうするのです?」


 私たちは朝食後のジュースタイムである。

 侍女たちが護衛騎士を手配しているので、待っているというのもある。


「どうしようかな? ザカライアはどうしたい?」


 まぁ、護衛騎士と言っても確定でグレンとニーナが来るのだけどね。

 彼らは屋敷の隣に住んでいるので、特に問題がなければすぐに来るはず。

 ちなみに、我がローズ公国では騎士団は軍務省ではなく警察庁の管轄にしている。

 いわゆるセキュリティポリスとして、要人警護を担当させるから。

 名称も時代と共に騎士からSPに変える予定だね。


「僕は……よく分からない、です……」


 ザカライアは俯き気味に言った。

 そりゃそうか。

 今まで奴隷として、命令に従って生きていたのだから。


「そっか。じゃあとりあえず、我が家で勉強して、将来はアカデミーにでも入ってみるかい?」

「命令ならそうします」

「命令じゃない。でもまぁ、生きていくのに勉強はした方がいいし、なんならうちで皿洗いでもすればお金も稼げる」私は視線をザカライアから侍女に移す。「明日からでも厨房に入れてあげて。あと、基礎知識を教える家庭教師も雇っておくれ」


 侍女が返事をしたあと、護衛騎士が到着したと、別の侍女が報告に来た。


「じゃあ買い物に行こう!」


 私はピョンと椅子から飛び降りた。


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