第四十四話「泊まっていく?」
第44話「泊まっていく?」
「羽咲ぃぃっ!!」
俺は立ち上がって叫んでいた!
茂みの中から”なけなし”の勇気を振り絞って……
「……フン」
そんな俺を一瞥だけした異国人は構わずゆっくりと羽咲に歩み寄る。
――くっ!
完全にターゲットを変えたのか!?
――異国人……
自称、フィラシス公国所属で天翼騎士団の七つ騎士”が”一つ槍”とやら……
ジャンジャック・ド・クーベルタンという危険な男が羽咲に一歩一歩、確実に近づいてゆく。
「あ……」
プールサイドでキョロキョロと俺を探していたプラチナブロンドのツインテール美少女は、叫んで立ち上がった俺に気づき、場違いにもニッコリと微笑んで大きく手を振っていた。
「盾也くぅぅん!おーい」
薄いブルーのパーカー風ラッシュガードを羽織った美少女、
太もも丈まであるそれから眩しい白い水着とさらに透き通るような白い太ももがチラリと覗くなんとも眩しいプラチナブロンドの美少女……
――超可愛いがそれどころじゃない!
ダダッ!
俺は件の男と羽咲の距離が、もう殆ど無い状況に焦りながら大きく踏み出していた!
「……」
俺が行ったところでどうなるものでもないのは、さっき受けた攻撃で十分承知している!
――けど!いま!丸腰で無防備な羽咲を守れるのは今は俺だけだ!!
――!?
「……貴方?」
歩み寄っていたフィラシス人と殆ど重なる距離で……
すれ違いざまに、羽咲はトンと半歩――
軽やかなバックステップを踏んでいた。
「…………だれ?」
俺の位置からも……
一瞬で”ピリリ”と空気が張り詰めるのが解る。
「ここで事を構えるつもりは無い。ファンデンベルグの”月華の騎士”よ」
「……!」
男の碧眼は油断の無い光を発しながらも、落ち着いた口調でそう言い残す。
「……」
暫し、そのまま遠ざかって行く異国人の後ろ姿を見送る、プラチナブロンドのツインテール美少女。
「…………はぁ」
安堵と拍子抜けで肺の中の空気を吐き出した俺は、
大きく踏み出した格好のまま、その場で固まっていた。
――な、なんとか……助かったのか?
少しして、此方に歩いてくる羽咲、
そして現在は完全に姿を消した異国人。
――必要以上の騒ぎはフィラシスの騎士にとっても予定外なのか?
何事も無く済んだことに胸をなで下ろす俺だが、疑問も残る。
「盾也くん、あれは……」
「おお!羽咲!待ちくたびれたぞっ!」
俺は羽咲の言葉を遮って殊更に大げさなリアクションをした。
「盾也くん?」
腑に落ちない表情で俺を見る美少女。
その時、俺は、なんとなくだが……
羽咲にその”フィラシス人”を追わせてはいけないような予感がしていた。
「おおおっ!めちゃくちゃ可愛いじゃないかっ!その水着!」
俺は大きなジェスチャーで直ぐ近くにまで来ていた彼女に歩み寄った。
多少わざとらしいかもしれないが、正直な感想でもある。
――そうっ!こんな眩しすぎる!!
周囲どころかプール中の男の視線を集める超美少女の水着姿を褒めないで済ませて良いわけがないっ!!
「え、えと……」
白いワンピース型の水着は清楚でありながら艶っぽくもあり、そしてその美しいボディラインを奥ゆかしくも薄いブルーのパーカー風ラッシュガードを羽織って遮るところは、もどかしくもあるが、それ故に余計にそそるモノもある……唯一無二の真理!
――ものすごぉぉぉぉく!!解ってるじゃないかぁ!羽咲さんよぉぉっ!
「百点満点だ!スウィートエンジェル!」
俺は思わず満面の笑顔と共に親指をグッと差し出していた。
「ええと……その……」
――そうそう!その恥ずかしげな乙女の表情が男心をそそる……
「…………なんで葉っぱまみれなの?」
「…………」
――そっちかぁぁぁぁっ!!
当のプラチナブロンドのツインテール美少女からは、なんとも冷静な質問が返ってきたのだった。
「盾也くん?」
「…………そ、それは」
「それは?」
「それは!夏がそうさせるからだっ!!」
俺は既に差し出した親指はそのままに、意味不明な言い訳をしていた。
「そう……なんだ。夏も大変だね……」
「……う」
残念な人を見る瞳で羽咲はクルリと背を向けた。
――べらんめぇ、ちくしょうめ……
男として格好つけるのも楽じゃ無い。
「あと……なんか、わざとらしい大げさな褒め方なんだけどぉ?」
落胆する俺に背を向けたままの羽咲は少し間を置いて、小さい声を発する。
「…………」
「…………なん……だけどぉ?」
夏の日差しに輝くプラチナブロンドの変形ツインテール……
その合間に見える白いうなじが……僅かに朱を帯びていた。
「……く……くぅぅぅぅぅ」
――これだよっ!!
「くぅぅ!キュンキュンさせやがるぜっ!さすが伯爵令嬢様!」
「ばっ!?……ばか!!大声で!!それに伯爵令嬢は関係ないぃっ!!」
今度は明らかに顔を真っ赤にして振り向く美少女!
そんな彼女の取り乱し様にも、俺は意味不明のハイテンションにてニヤリと笑った。
「それは夏が……いや、羽咲の魅力がそうさせるんだ!」
「う…………もぅ……それでいい」
プールサイドには、羽咲の魅力云云は扨置いて、
確かに夏にどうかされた男……
ぶっちゃけ馬鹿がいたのだった。
――
―
ザヴゥゥゥゥゥゥーーーーン!
「わぁぁ--!!」
「きゃぁぁーー!!」
そう!ここは黄色い悲鳴が彼方此方で飛び交う高級リゾートプール!
「いやぁ、思ったより凄かったな?あのウォータースライダー。どうだ?もう一回?」
「そうだね。でも、もうちょっとスピード出るともっと面白いのに」
結局、俺達は難しいことは取りあえず忘れ、輝ける夏の一頁を楽しむことにした。
「なんだ?羽咲……スリルが足りなかったのなら今度は俺が後ろでも良いぞ?」
羽咲は濡れたプラチナブロンドの髪から水をきり整えながら即答する。
「それはヤダ。なんだか後ろから変なとこ触られそうだから」
「…………」
凄く失礼な事を”しれっ”と言う少女。
「おいおい、俺を見くびるなよ?俺は”遊ぶときは遊ぶ”男だ!」
そんな可愛い娘ちゃんに俺は断言する。
「ホントに?」
うんうんと自信満々に頷く俺をじっと見つめる翠玉石は――
”わかったわ”とばかりに軽く頷き、”トンッ”と俺との距離を詰めた。
「じゃ、お願いします。ふふ」
そして、おもむろに……
プラチナブロンドを靡かせてクルリと白い背を向けて見せた。
「…………」
――なんだ?
この白くて、良い香りがして、柔らかそうな生き物は……
――ってか、濡れた”うなじ”が滅茶苦茶色っぽい!
俺は暫し”うなじ”を見つめて目の保養を十分に済ませる。
――
「や、やっぱり…………やめとこう」
そして彼女の華奢な肩に両手を置いて、ぐいっと引き離して前言撤回していた。
「”遊ぶときは遊ぶ”男じゃなかったの?」
こんな、”ありがとうございましたぁぁ!!”的な方法で俺を試しておいて……
無邪気に聞いてくる茶目っ気たっぷりの美少女。
――だが、鉾木 盾也を侮るなよ
「”遊ぶときは遊ぶ”が……俺は”触るときは触る”男でもある!!」
――
「…………盾也くんって、時々すごく正直だよね」
立派に断言する俺を、少女は呆れた翠玉石の瞳で見ていたのだった。
「それほどでも……」
「褒めてない!!」
――
と、結局……
俺達は夕暮れまで散々プールで遊び、かなりの疲労状態でラウンジに戻って来ていた。
「ふぅぅっ」
俺は満足した息を吐き出す。
「はぁぁっ」
羽咲が美しい翠玉石の瞳を細める。
やけて火照った肌にヒンヤリとした室内の空調が心地よい。
「うう、軽いめまいが……」
そして俺は眉間の辺りを親指で押さえながら、崩れるようにラウンジのソファーに腰掛けた。
「それは、あれだけ”はしゃいで”たら疲れもするわよ……ほんとに、小学生ですか?キミは?」
呆れながらも、自販機で買ったばかりの冷たいスポーツドリンクを俺の頬にグイグイ押しつけてくる美少女。
「いて、いて、ひゃっこい!……って、やめろって!」
「ふふっ、せっかく買ってきてあげたんだからぁ、ちゃんと堪能しなさい!」
グイグイ!
「いふぁ……ドリンフはぁ……のふもので……」
グイグイ!
調子に乗って押しつけられ、俺の頬は歪んで舌足らずに……
――ちっ!
「だから!!ドリンクは飲み物で!頬にグイグイする代物ではなぁぁいっ!!」
バッと!俺はそれを奪うように受け取ってから、プルタップを開封し――
プシッ!ゴクゴクゴクゴクゴク…………ゲップ!
そのまま、一気に咽に流し込む!!
「うわぁぁ!!すごい!すごい!」
「ふふ、恐れ入ったか?本来、缶ジュースとはこういった飲み方が利休の作法的にも正しいのだ!」
――いや嘘です!ごめんなさい千さん、昌夫でない方の千さん、ごめんなさい!!
*一気飲みは非常に危険なので決して真似はしないで下さい。
*この男の一連の行動は専門家と医師による立ち会いのもと十分な検証の結果……
――それも嘘です。重ね重ね、すみません!!
「ふっふっふっ……ふっふっ……うぅぅん」
一時は勝ち誇った俺だったが……そのままフラリと二、三歩、蹌踉めいた。
「盾也くん?」
流石に驚いた羽咲が直ぐに俺を支えようと近づくも、俺はそれを左手で制す。
「大丈夫だって。ちょっと昨日、徹夜気味だったのを忘れててな……」
「……それって!?」
”はしゃぎ”過ぎて少し恥ずかしくなった俺が目を逸らすも、彼女の翠玉石の瞳は心配以外の原因で陰る。
――ああ、コレは不味ったな。感づかせてしまったか
勘の鋭い彼女のことだ。
今の会話で俺の現況を知るには充分だったのだろう。
――”羽咲”専用剣の制作をにおわせるような事を言ってた俺が、それで余計な心配と責任を羽咲に感じさせるのはな……
咄嗟に俺はそう考えて改めて言い直そうとする。
「気にするな、俺が勝手に……」
「”あの娘”とのデートがそんなに気になって眠れなかったの!?」
「ってぇぇっ!!なんでやねん!剣だろ?そこはっ!お前に渡した剣!!どう考えてもそれだろうがっ!!」
羽咲の勘は頗る悪かった。
「あ!……え、えっと……」
途端に”しまった”と言うような顔をするプラチナブロンドのツインテール美少女。
「ご、ごめんね……いつも、わたしのために……」
――おおぅ!?なんて表情してんだよ!!
「い、いや、今のは売り言葉に買い言葉だ、べ、別に気にするな、半ば俺が好きでやってることだから……その……」
その不意打ちには男として太刀打ちできない俺と、未だ恐縮している羽咲……
「……」
「……」
中々に微妙な空気である。
「じ、じゃあ、俺は帰るよ……そろそろ晩飯だしな」
会話が途切れたのをきっかけに俺はそう言って背を向けた。
この微妙な空気から退散したいと言うのもあるが、実際、ホントにそろそろ帰って寝た方が良いだろう。
俺は昨日から一睡もしていないのだから。
「あ、あのね……盾也くん」
「?」
全然気にしていないアピールをしつつ、その場を去ろうとした俺を引き留める少女の声。
「部屋っ!その……宿泊券、ペ、ペアだから……泊まっていかない……かな、とか?」
モジモジと……
紅葉する目前の美少女の白い肌。
「え、えーと?」
――なんだ?泊まってって?誰が?俺が?
――どこに?このホテルに?誰と?
少し……いや、かなり混乱気味の俺の視線は、俯いたままの少女に釘付けだ。
「あ、あのね、今日一緒に来る予定だった、あ、彩夏ちゃんが……お家の用事で急に来れなくなっちゃったの……それで……」
「いや、だからって俺は……」
羽咲の今日の相手が例の女友達、同じ枸橘女学院の峰月さんであった事に内心ホッとしながらも、俺は新たに発生した火種に気が気では無い。
「実は話したいことがあるの……ちょっと気になることが……そ、それに昼のプールでのフィラシス人……盾也くんも、その……わたしに話さないといけない事があるでしょう?」
「…………」
しっかりと勘づかれていたのか。
なら、そう言われると俺の立場は弱い。
「誤魔化せていたわけじゃなかったか……そうだな、悪かった……」
俺は言いながら、心の中でもう一度考えを整理する。
――
昼間のフィラシスの男は放置するには危険すぎるだろう……
どっちにしても対策は必要だ。
それに元を正せば――
今日、俺が持ってきた俺の剣の説明も近いうちにしようと思っていたところだ。
なにより、昼間のプールで”その話”に触れなかったのは、現時点で丸腰の羽咲があの相手と事を構えるのは危険だと俺の本能が察知したのが一番大きな理由ではある。
「…………」
いや、もっと正直に言うならば……
せっかくの羽咲との時間を潰したくなかったから……と言うのもあった。
少なからず俺はそんな邪な考えを持っていたのだ。
「もちろん、今夜は盾也くんも疲れているでしょうし、ゆっくり休んでから詳しい話は明日の朝にでも……」
難しい顔で考え込む俺に、プラチナブロンドのツインテール美少女は優しく諭すように提案する。
「…………そう……だな」
羽咲の話の大筋は理解できる……
――が!
正直、俺がここに泊まらなくても、明日の朝にもう一度、このホテルを訪れれば良いだけだ。
羽咲は動揺する余り、その事を見落としているのだろうか?
「……」
けど、それでも……
それに乗じる訳では無いけど……
「……」
なんだか俺は、そうしたいと思った。
彼女が恥ずかしいのを必死で堪えて訴えているのに……
俺自身、そうしたいと思っているのに……
「……」
不思議と俺も、いつもの様な邪な感情では無く、ただ本当にもう少しだけ一緒に居たいと、本当にそれだけを思っての事だった。
――
「あの……」
もうなにも言葉が思いつかないのだろう……
困って、ただ怖ず怖ずと俺の顔色を覗う少女。
――ちっ!
羽咲にこんな思いをさせるのは言語道断!
そうだ!いつだって汚れ役は鉾木 盾也の役目だろうがっ!
「うぉぉぉぉぉっ!!」
「えっ?きゃっ!?」
いきなり目の前で唸り声を上げる奇異な男に、少女は軽く悲鳴を上げて半歩、後ずさった。
「スウィートだとぉぉ!?ロイヤルベイホテル!!三つ星ホテルのスウィートに泊まれるなんてどんなご褒美だよぉぉ!!」
「あ、あの……盾也くん??」
そう、ここは普段通り、汚れ役は馬鹿な俺だ!
「そうと決まれば羽咲!まずは腹ごしらえ……いや、先にスウィートの野郎を見学だ!!そんでもって腹ごしらえして、この超高級ホテル様とやらを隅々まで探検するぞっ!!」
「え??えっと……え?」
俺は瞳を白黒させる羽咲の白い手をガッシリと取ってエレベーターに向かう。
「あの?盾也くん?あの……今日は疲れてるんじゃ!?」
「ふっふっふぅぅっ!!羽咲くんよ、未知なる好奇心の前では眠気なんぞは……あふぅ……なんでも無いのだっ!」
「…………」
いや、欠伸してるじゃん!
と、言いたげな少女の瞳を一切無視して俺は手を引く。
「お客様、申し訳ありません。他のお客様もおられますので……」
そのやり取りが、俺の声が若干大きすぎたのか、歩き出した俺達に対し近くにいたホテルマンからやんわりと注意が入った。
――ちょっとテンションが高すぎたか……
すれ違いざまに俺は、素直にそのホテルマンにペコリと頭を下げ……おっ!?
「……」
「……」
視線を交わす俺と――
「は、はげた?」
「貴様は鉾木!また貴様か!っ!」
「…………盾也くん??」
俺の驚いた声……ホテルマンの怒りに染まる声……
そして、そんな二人を交互に見るキョトンとした翠玉石の瞳。
「い……」
俺の張り付いた表情から声が漏れる。
「い?」
羽咲が首を傾げる……(ちょっと可愛い!)
「い?」
萩田も首を……(いや、それは超どうでもいいっ!!)
「いまは逃げるぞぉぉぉぉっ!!」
「え?え?えぇぇぇ!!」
握った白い手を引っ張り気味に、俺は突如ダッシュする!
「ま、まてっ!鉾木ぃっ!!貴様!羽咲お嬢様をどうする気だぁぁ!!」
――どうもするかっ!!
――てか、この可愛い娘ちゃんと”どうかできる”なら是非教えてくれ!!
すっかり邪な心を思い出した俺は、そんな声を心の中で叫びながら走っていた。
そう、兎にも角にも走った!
羽咲の白い手を握って……
脱兎の如く走り去った!
(おお!羽咲だけに”うさぎちゃん”が二匹も……じゃなくて)
それはとても徹夜で疲れきった、先ほどまでの疲労困憊男と同一人物とは思えぬほどに……
――一気に走り去ったのだ!!
「ホコノ……キィィ…………」
次第に萩田の声が遠くなる。
「…………」
その間も不思議な沈黙で、ジッと――
握られた自身の手を見つめるプラチナブロンドのツインテール美少女は……
「盾也くんって……時々すごく……やさしいね」
俺の後ろで手を引かれる少女がボソリと呟いた。
「……」
――それは俺が、あの気まずい状況を肩代わりした事への……
俺はもちろん聞こえないふりで走り続ける。
「取りあえず、羽咲。両替してから部屋に行こう!」
「両替?」
握られた手を見ていた優しげな瞳がキョトンと変貌して俺の顔に移動する。
「スウィートルームのテレビはきっと見たことも無いくらいデッカいだろうからな。視聴するのに一回、百円じゃ効かないぞ!!俺の予測では多分、五百円玉はいるだろうからな!」
我ながら気のつく男だと、後ろの少女にどや顔の笑みを見せる俺。
「盾也くん?そんな……コイン入れるテレビは、今時ビジネスホテルでも無いよ」
「は?羽咲はお嬢様だから無知だなぁ……いや、気にするなって、そういう純真無垢なところは恥では無くてむしろ魅力だからっ!気にすること無いぞ!」
余裕の笑みで、むしろ相手を気遣ったつもりで……
彼女の忠告も聞かずに走り回り、ホテル内の店で、フロントで、恥も外聞も無く両替をお願いする俺と、耳を真っ赤に染めた羽咲。
――その後……
「…………」
「…………」
無事、スウィートルームに入室した俺達……
いや、俺は……
「…………」
「どうも……サーセン」
六十五インチの最新テレビの前で、大量の五百円玉を抱えて途方に暮れることになるのだった。
第44話「泊まっていく?」END




