第48話
今回もよろしくお願いします。
「えっ!?」
梛ノ宮愛里がポカンとした表情になり、部屋全体の時間が止まった感覚を覚える。
いかん。よりによって義姉さんのせいにするとか……まあ、確信犯な部分もあるけどな。ひとまず笑いに変えて誤魔化すという高等技術。是非皆さんにも使って欲しい。当方では一切の責任を負いません。
口をぱくぱくさせている梛ノ宮愛里の白い陶器のような肌を、一筋の汗がつぅーっと滑らかに伝い、彼女の心中の動揺を表している……あれ?もしかして……
「私はとんでもない物を見つけてしまいましたね。これは見なかったことにしておきましょう。性癖は人それぞれですから」
「あ、ああ……」
彼女はいそいそとした手つきで義姉ものが多数を占めるエロ本を、ベッドの下に仕舞い直す。おお……もしかして、勝った?
「マジかよ……」
オッサンが驚きを通り越し、梛ノ宮愛里の頭を心配するような表情をしていた。無理もない。俺もこの子の将来が心配だ。
「灯さん、心配しないでください。誰にも言いませんよ。灯さんが義姉ものや義妹ものを持っていても、私はあなたの作る御飯が大好きですよ」
「……ん?」
今、聞き捨てならない単語が聞こえた。
「お、おい……今何て言った?」
「灯さんの作る御飯が大好きですよ」
「違う。もっと前だ」
「義姉ものと義妹もの……」
「…………」
義妹……だと……。
俺はそんなもの所持していない。
だって実の妹がいるんだよ?
妹ものに興味持つわけないじゃん。
てことは……これ、もしかして義姉さんの?
「どうかしましたか?はっ!ま、ま、まさか……」
「いや、ちが……」
「私を力づくで義妹にして、あんな事やこんな事を……」
「ちげーよ!!お前の平坦なボディラインに興味はねえ!!」
「なっ……!」
梛ノ宮愛里はピキッとこめかみに血管が浮き出た。
「失礼ですね!脱いだらすごいと評判の愛里さんですよ!」
「まあ、腹筋は割れてそうだな……」
「絶対に今死なす」
燃えたぎる怒気をオーラに変え、ゆらりとこちらに向かい、歩いてくる梛ノ宮愛里を見ながら、俺は義妹ものエロ本の持ち主のことをぼんやりと考えていた。
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