第24話
10月突入!!!
「先輩、結局どこ行くんですか?」
「探しに行くのさ。運命の相手をな……」
「ああ、ナンパですか?」
「違う。運命の出会いを捕まえに行くだけだ」
「いや、何度も言ってますが、2次元のヒロインなんて現実には……」
「ないとは言いきれまい」
ねえよ。
「おい、こいつ、かなりやべえな……」
「今回ばかりは同意する……」
街の中心部である駅に辿り着くと、大勢の人々が、思い思いの方向へと行き交い、夜の賑わいが生まれていた。そんな中、疲れた顔をして、時計に目をやる中年のサラリーマン風の男性や、カツカツと小気味よいヒールの音を鳴らし歩く、OL風の女性など、様々な人の視線を集めながら、先輩はキョロキョロと辺りを見回す。お巡りさんこの人です、なんて言いたいくらい不審者っぽい。
しかし、そんな周囲の視線などお構いなしに、先輩は盛大に溜息を吐いた。
そして、その無駄に男前な顔をこちらに向ける。これも立派な資源の無駄遣いである。俺が再利用したい。
なんて事を考えていると、先輩が口を開く。
「……よし、与。二手に別れよう」
「は?」
「このままでは効率が悪い。二手に別れた方が時間を短縮できる」
「う、運命の相手なら自分で見つけた方が……」
「与、まだわかってないようだな」
「……何がですか?」
先輩はふっとクールに微笑む。おそらく大抵の女子は見とれてしまうだろう……坊主に作務衣のギャルゲーオタクじゃなければ。
「お前も、運命の女性に出会えるかもな……」
うぜぇっ!!!!
「例えばあの女子などはどうだ。じゃあ、頼んだぞ」
「あ、ちょっ……」
先輩は街灯の下にいる女子高生を指さして、さっさと歩き出す。その背中はあっという間に人混みに紛れて見えなくなってしまった。まあ、あの見た目だし、探せばすぐに見つかるだろうが。
……頑張れ、先輩。
とりあえずあの人の諦めがつくまで適当に時間を潰すか。
そういえば、さっき先輩が女子高生を指さしていた。うん、かなり不審者だ。
「おぉ、なんか後ろ姿は美少女だな!」
「あぁ……」
オッサンの言うとおり、確かにその女性は美少女っぽい後ろ姿をしている。
可愛らしいお団子に結わえられた髪、頼りなく小さな肩、制服のスカートから伸びた身長の割に長い脚。何となく可愛い子っぽい。
ただ、制服には違和感があった。
あんな上下青の制服、この辺の高校にはないはずだ。
「音ノ木坂でも浦の星でもないとなると……」
「どっちもアニメじゃねーか」
いかん。先輩がうつったようだ。
しばらくそうしていると、視線を悟られたのか、美少女(仮)が、こちらを向いた……のだが……
「「え?」」
そこにいたのは、大学生のはずの我が義姉、新藤灯だった。
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