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『フールの大冒険 ~聖なるマップを手に、異世界でまだ見ぬ両親を探します~』  作者: ☆☆アダム☆☆


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14/14

第14話 真実には代償がある


カン――!


カン――!


カン――!


王宮の警鐘が。


夜のアデューに響く。


「急げ!」


馬が。


石畳を蹴る。


私。


兵士の背中に。


必死でつかまる。


横。


オラクル。


「フール!」


「何!?」


「落ちんなよ!」


「そっちこそ!」


「俺は猫だぞ!」


「さっき猫じゃないって言ってたじゃん!」


「今は猫だ!」


「都合よすぎ!」


こんな時なのに。


少しだけ。


怖さが消えた。


王宮。


近づく。


聖なるマップ。


胸元で。


熱い。


【EMERGENCY QUEST】


『王宮地下の異変を確認せよ』


【推奨:至急】


その下。


王宮に残った。


白い点。


【TARGET B】


動いてる。


「……!」


「どうした!」


「地下の反応が動いた!」


「どっちだ!」


地図。


点。


さらに。


深い場所。


「下!」


「下?」


「もっと地下!」


オラクル。


顔。


険しくなる。


「地下牢より下があんのか?」


分からない。


でも。


点。


確かに。


下へ。


下へ。


移動してる。


◇◇◇


「止まれ!」


王宮前。


兵士。


でも。


私たちを見ると。


「通せ!」


門。


開く。


「王子様は!?」


「地下です!」


「無事!?」


「分かりません!」


嫌。


その答え。


私たち。


走る。


王宮。


廊下。


いつもなら。


綺麗。


白い床。


金色の飾り。


大きな絵。


でも今は。


兵士。


走ってる。


使用人。


避難してる。


「こっちだ!」


兵士。


地下へ。


階段。


下りる。


地下牢。


「殿下!」


声。


奥。


王子様!


「王子様!」


いた。


無事。


「フール!?」


王子様。


振り返る。


「なぜ戻った!」


「警鐘!」


「西の追跡は?」


「消えた!」


「何?」


「それより」


私は。


地図。


隠しながら。


地下。


見る。


【TARGET B】


【距離:38m】


「この下!」


「……」


王子様。


顔。


変わる。


「どうして分かる?」


また。


聞かれた。


「今は――」


「説明できない、か」


「……うん」


王子様。


ため息。


「あとで必ず聞く」


「分かった」


「殿下!」


兵士。


走ってくる。


「封印扉に異常が!」


「やはりか」


「封印?」


私が聞く。


王子様。


地下牢。


さらに奥。


見る。


「この王宮には」


歩き出す。


「地下牢より下に、王家の宝物庫がある」


「宝物庫!?」


オラクル。


目。


輝く。


「帰れ」


「まだ何もしてねえ!」


「顔が犯罪者だ!」


「生まれつきだ!」


こんな時でも。


この二人。


すごい。


◇◇◇


地下牢。


一番奥。


普段。


使われてない場所。


壁。


大きな。


黒い扉。


兵士。


何人も。


集まってる。


扉。


中央。


王家の紋章。


その周り。


細い光。


走ってる。


でも。


一部。


黒く。


変色。


「封印術式が侵食されています」


「解除できるか?」


「試していますが……」


魔術師。


汗。


「内側から何かが干渉しています」


「内側?」


王子様。


顔。


強張る。


「中に誰かいるのか?」


「分かりません」


私は。


地図。


見る。


【TARGET B】


【距離:9m】


扉。


向こう。


「……いる」


「何?」


「この先」


王子様。


私を見る。


「何かが」


私は。


言い直す。


「ある」


誰か。


じゃない。


分からないから。


「……」


王子様。


少しだけ。


頷いた。


「扉を開ける」


「殿下!」


「このまま侵食を許す方が危険だ」


「しかし――」


「私が責任を取る」


兵士たち。


黙る。


王子様。


紋章。


手。


置く。


「王家の血に命ずる」


光。


広がる。


ゴゴゴゴゴ……。


黒い扉。


ゆっくり。


開く。


冷たい。


空気。


出てくる。


「……」


オラクル。


鼻。


動かす。


「変な匂いだ」


「何の?」


「古い紙」


もう一度。


嗅ぐ。


「鉄」


そして。


「……焦げた肉」


「え」


王子様。


止まる。


「行くぞ」


◇◇◇


宝物庫。


想像。


違った。


金貨。


宝石。


山。


そんなもの。


ない。


長い。


石の廊下。


左右。


扉。


一つ一つ。


数字。


星。


書いてある。


【☆1】


【☆2】


【☆3】


「……!」


私。


思わず。


聖なるマップ。


触る。


「これ」


オラクルも。


気づく。


「宝の格付けか?」


王子様。


振り返る。


「知っているのか?」


「いや」


オラクル。


即答。


「知らねえ」


嘘。


うまい。


「……」


王子様。


怪しい顔。


でも。


今。


追及しない。


一番奥。


扉。


【☆3】


私の胸。


ドクン。


「……」


また。


ドクン。


「フール?」


「ここ」


「何が?」


分からない。


でも。


聖なるマップ。


勝手に。


開きそう。


私は。


押さえる。


「王子様」


「何だ」


「この中って」


聞く。


「何があるの?」


王子様。


しばらく。


黙る。


そして。


「真実のカードだ」


「……!」


ついに。


目の前。


☆3。


【真実のカード】


オラクル。


低く。


口笛。


「国宝をこんな地下に隠してんのか」


「だから国宝なんだ」


「俺ならもっと――」


「盗みやすい場所に置く?」


「見やすい場所と言おうとした」


「嘘をつけ」


「真実のカードの前で言うなよ」


王子様。


扉。


見る。


でも。


開けない。


「おかしい」


「何が?」


「侵入された形跡がない」


「でも」


地図。


【TARGET B】


【距離:2m】


ここ。


「中にある」


私は。


言った。


「白い何かが」


王子様。


私を見る。


もう。


聞かなかった。


代わりに。


鍵。


取り出す。


「全員、下がれ」


「王子様?」


「この扉の先にあるものは」


鍵。


差す。


「扱いを間違えれば、人を壊す」


カチ。


扉。


開く。


◇◇◇


小さな。


部屋。


中央。


台座。


その上。


透明な箱。


そして。


一枚。


カード。


「……」


息。


止まる。


綺麗。


白でも。


黒でもない。


銀色。


角度で。


色。


変わる。


中央。


小さな。


目のような模様。


【真実のカード】


聖なるマップ。


強く。


光った。


【☆3】


『真実のカード』


【対象まで:すぐ近く】


「本当に……あった」


ここまで。


来た。


赤。


緑。


黄色。


みんなと。


最初。


見た。


星。


その一つ。


目の前。


「触るなよ」


王子様。


言う。


「うん」


「絶対だ」


「分かった」


オラクル。


「俺は?」


「お前は三歩下がれ」


「何で俺だけ!」


「泥棒だからだ!」


「差別だ!」


でも。


オラクル。


ちゃんと。


三歩。


下がる。


その時。


聖なるマップ。


文字。


【SPECIAL QUEST】


『真実を手にせよ』


「……」


手にせよ。


でも。


約束。


盗まれたカード。


まだ。


取り戻してない。


私。


動かない。


すると。


表示。


変わる。


【QUEST CONDITION NOT MET】


『盗まれた白紙のカードを取り戻せ』


「やっぱり」


「何が?」


「まだ駄目」


「地図か?」


オラクル。


小声。


「うん」


そして。


さらに。


【CAUTION】


文字。


赤く。


変わる。


『真実には代償があります』


「……代償?」


「何だ?」


王子様。


聞く。


私は。


答えない。


地図。


もう一行。


【使用者は、得た真実に対する責任を負います】


その下。


文字。


出る。


消える。


出る。


消える。


最後。


ほんの一瞬。


【対となるものが存在します】


「え?」


消えた。


「今の」


「何だ?」


オラクル。


「対になる……何か」


「対?」


「うん」


王子様。


眉。


ひそめる。


「そんな記録は王家にはない」


「地図が間違ってる?」


聖なるマップ。


ピカッ!!


「うわっ!」


「光ったぞ!」


「怒った?」


オラクル。


地図。


見る。


「自我あんのか、それ」


「ちょっとあるかも」


王子様。


私。


見る。


「フール」


「……はい」


「その羊皮紙」


やっぱり。


気づいた。


「君は何を持っている?」


「……」


逃げられない。


でも。


全部。


話していい?


分からない。


おばあちゃん。


言ってた。


大切に。


そして。


ポルトの武器屋。


緑。


オラクル。


みんな。


この地図を。


簡単に見せるなって。


「今は」


私は。


地図。


胸。


抱える。


「言えない」


王子様。


黙る。


「ごめんなさい」


「……そうか」


それだけ。


「怒らないの?」


「怒ってはいる」


「怒ってるんだ」


「かなりな」


怖い。


「だが」


王子様。


真実のカードを見る。


「秘密を持つなと」


静か。


「このカードの前で言うほど、私は愚かではない」


「……」


「話せる時に話せ」


「うん」


「ただし」


「?」


「敵ではないことだけは信じさせてくれ」


私は。


すぐ。


頷いた。


「敵じゃない」


王子様。


少し。


笑った。


「なら今は、それでいい」


その時。


オラクル。


急に。


真実のカード。


見た。


「……なあ」


「何?」


「さっきの焦げた匂い」


「うん」


「ここだ」


王子様。


顔。


変わる。


「何?」


オラクル。


床。


指差す。


台座。


裏。


「そこ」


兵士。


灯り。


近づける。


黒い。


跡。


何か。


焼けたような。


「……」


王子様。


しゃがむ。


「これは」


床。


細い。


爪痕みたいな。


線。


「殿下」


老いた魔術師。


顔色。


変わる。


「まさか……」


「知っているのか?」


「これは」


声。


震える。


「真実のカードを使用した時に残る、反動痕に似ています」


「使用?」


王子様。


立つ。


「カードは封印されていたぞ」


「はい」


「誰も入っていない」


「そのはずです」


「ではなぜ」


誰も。


答えられない。


私は。


真実のカード。


見る。


綺麗。


なのに。


怖い。


「このカード」


聞く。


「何をするの?」


王子様。


黙る。


長く。


「……真実を引き出す」


「どうやって?」


「質問をする」


「誰に?」


「人間に」


「それだけ?」


王子様。


首。


振る。


「嘘を許さない」


「……」


「カードの力が発動すれば、対象者は質問に対して真実を口にする」


「すごい」


思わず。


言った。


何でも。


聞ける。


お父さん。


お母さん。


どこ?


TIMEって何?


おばあちゃんは。


何を知ってる?


全部。


分かる?


でも。


王子様。


笑わない。


「すごくなどない」


「え?」


「真実を拒む者へ無理に使えば」


王子様。


黒い床。


見る。


「代償が出る」


地図。


言った。


同じ。


「どんな?」


「声を失った者がいる」


「……」


「記憶の一部を失った者」


「……」


「何日も目覚めなかった者もいる」


私。


カード。


見る。


さっきより。


ずっと。


怖い。


「死んだ人は?」


王子様。


答えない。


それが。


答え。


だった。


「だから」


王子様。


言う。


「私は使えなかった」


「……誰に?」


空気。


変わる。


兵士たち。


顔。


下げる。


「王子様?」


「この地下牢には」


ゆっくり。


「長く収監されている男がいる」


「男?」


「父が死んだ夜」


王子様。


拳。


握る。


「王宮にいた男だ」


「……!」


「父を殺した者を見た可能性がある」


「じゃあ」


「何度聞いても答えない」


「……」


「だから私は」


真実のカード。


見る。


「使おうとした」


静か。


「こいつを」


王子様。


声。


苦しい。


「無理やりにでも」


「……」


「真実さえ分かれば」


拳。


震える。


「全部終わると思っていた」


私。


何も。


言えない。


お父さん。


死んだ。


犯人。


分からない。


もし。


私だったら?


お父さんとお母さんが。


どこにいるか。


知ってる人がいて。


その人が。


絶対。


教えてくれなくて。


目の前に。


真実を言わせるカード。


あったら。


私は。


使わないって。


言える?


「でも」


王子様。


言う。


「怖くなった」


「……」


「父のために真実を知りたい」


「うん」


「だが」


「うん」


「そのために誰かを壊したら」


王子様。


目。


閉じる。


「私は父に胸を張れるのか」


分からない。


私にも。


答え。


ない。


「……私も」


「?」


「お父さんとお母さんのこと」


胸。


ぎゅっ。


「何にも知らない」


「……」


「だから知りたい」


名前。


顔。


どこ。


どうして。


私を。


置いていったの?


全部。


「でも」


赤。


緑。


黄色。


思い出す。


みんな。


私を守って。


死んだ。


「知るためなら何してもいいってなったら」


私。


手。


見る。


「お父さんとお母さんに会えた時」


王子様を見る。


「私、自分のこと嫌いになってるかもしれない」


「……」


「それは嫌」


長い。


沈黙。


王子様。


真実のカード。


見る。


「君は」


「?」


「変な子だな」


「また!?」


オラクル。


「それは同意する」


「オラクルまで!」


少し。


空気。


緩む。


その時。


ガシャァァン!!


「!」


廊下。


何か。


割れた。


「何だ!」


兵士。


走る。


直後。


悲鳴。


「うわああああ!」


「侵入者だ!」


王子様。


剣。


抜く。


「ここを守れ!」


オラクル。


短剣。


構える。


「また黒フードか?」


聖なるマップ。


光る。


【EMERGENCY QUEST UPDATE】


『王宮地下の異変を確認せよ』


【異常反応:接近中】


【距離:18m】


「来る!」


「何が!?」


「分からない!」


【14m】


【10m】


廊下。


灯り。


一つ。


消える。


パッ。


次。


パッ。


次。


パッ。


暗闇。


こっちへ。


近づいてくる。


【6m】


オラクル。


私の前。


王子様。


剣。


構える。


【3m】


「来るぞ!」


最後の。


灯り。


消えた。


真っ暗。


そして。


暗闇の中。


声。


「――見つけた」


知らない。


声。


「王家が隠した」


一歩。


足音。


「真実」


次の瞬間。


聖なるマップ。


今までで一番強く。


光った。


【DANGER】


【UNKNOWN ENEMY】


【推奨行動】


『逃げてください』


「……え?」


聖なるマップが。


逃げろって。


言った。


初めて。


だった。

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