表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『戦国姫の脳内戦略会議』  作者: れんれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

223/243

203話 小田原城・対面

広間に座すは

北条氏康

桜は一礼し、単刀直入に語る。

「東を疲弊させぬための秩序にございます。

 北条を排す構想ではありませぬ」

氏康は笑わない。

だが視線は鋭い。

「ならば問おう。

 北条の何を奪う」

桜は即答する。

「何も奪いませぬ。

 守るために、形を変えるのみ」

――氏康の提示した条件――

氏康は現実家である。

理想では動かぬ。

提示は三点。

一、所領安堵

北条の現有支配地はそのまま認める。

領地再編なし。

「血で得たものを紙で失うことはない」

二、領内決定権の保持

形式上、東の秩序に参加する。

だが内政は北条の専権。

徴税、軍制、城普請、外交の一部。

「主権は渡さぬ」

三、対外戦の原則禁止

関東内部の私戦は停止。

外征は共同協議。

これは北条らしい。

氏康は領民安定を第一にしてきた。

城下整備、検地、民政。

戦は目的ではなく手段。

――桜の返答――

桜は一拍置く。

「承知いたします」

だが一つだけ付け加える。

「私闘違反があれば、裁定は上杉殿に委ねる」

氏康は目を細める。

これは北条を縛る条項。

だが同時に、他勢力も縛る。

氏康は理解する。

自分だけが不利ではない。

「よかろう」

――内部の反発――

北条家中は一枚岩ではない。

強硬派は反対。

「上杉の下に立つなど」

だが氏康は断じる。

「下ではない。並ぶのだ」

彼は領主権を維持したまま

戦乱を止める道を選ぶ。

それは敗北ではない。

秩序設計への参加。

――合意――

正式文書に署名。

北条は

所領安堵

内政自立

私戦禁止

協議制導入

を条件に東秩序へ参加。

事実上の「関東停戦協定」。

――春日山への報――

上杉謙信は文を読む。

「……通ったか」

短い言葉。

だが重い。

武でなく、理で。

――安房――

里見義堯は深く息を吐く。

まな姫は涙ぐむ。

桜はまだ戻らない。

最終確認と細則調整が残る。

■ 構造の完成形(東)

上杉:調停軸

北条:強力自治領

佐竹・宇都宮ほか:参加同盟

里見:海上経済基盤

戦は即時ゼロにはならぬ。

だが“制度違反”になる。

ここが決定的。

■ 歴史的転換点

関東は初めて、

「覇権」ではなく

「協議秩序」によって統合された。

これは軍事革命ではない。

統治革命。

だが物語はまだ終わらない。

この東の安定を見た西――

織田信長

彼はどう動くか。

東西均衡は保たれるか。

あるいは、

新たな構図が生まれるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ