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純平の過去 2 『シアワセノカタチ』

僕は産まれながらにして両親を亡くした。

生まれたての僕を拾ってくれたのは母方の親戚だった。

最初こそ優しく接してくれたが3歳くらいのときに離婚してから、おばさんの当たりが酷くなった。


食事は3日に1度馬の餌のようなものを与えられるだけ。

夜になると暴力を振るいながら「お前のせいだ」と嘆き続けた。


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。


毎日何度も謝った。最初の頃は何故自分が悪いのか何もわからなかった。

逆恨みだということに5歳の頃に気がついた

。その頃にはおばのことが大嫌いだった。

だが可哀想だとも思った。


「おまえさえいなければ! おまえが私の幸せを奪った!」


おばはどんどんヒステリックになっていった。

ごめんなさい、ごめんなさい、幸せを奪ってごめんなさい。産まれてきてごめんなさい。


毎日が苦痛だった。何故こんな目に合わないといけないのか。僕は学校にもろくに通えなかった。


そして去年、11歳になる頃に僕は家から、おばから逃げた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


キラキラと明るい建物内に所狭しと並ぶ店。

純平は初めて見るデパートにテンションが上がる。


「すげえー! いろいろあるー! 贅沢だな、おい!」


普段大人ぶった態度の純平の子供らしい姿につい笑みをこぼす。


「おい、何笑ってんだよ。」


「んー? ふふ、なんでもなーい。」


「つーか僕金ないんだけど。」


「大丈夫! そこは私に任せて!」


そう言った少女は洋服の店をあちこちと周り、純平は彼女の思うがままに振り回された。


終始笑顔で楽しそうな彼女に感化されたのか、純平も時折笑顔を見せた。


「じゃあ次はゲームセンターに連れて行ってあげる!」


「ゲームセンター?」


「そ。お金を入れると出来るゲーム機がいっぱいある楽しいとこだよ! こっち!」


と言って少女は純平の腕を引く。


「ちょ、引っ張んなよ。」


純平は少女に連れて走りだす。


忘れていた幸せの味が身体中に広まるのを感じる。


それが悲劇の3日前の話だった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイー!!


「……ろしてやる。」


そのあとのことなんか知るか。


理性が飛ぶのに抵抗はしない。


怒りに身を任せれば楽になれるから。

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