062:B8攻略へ
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B7の階層から下へと向かう階段を下ると、そこはいよいよB8の階層だ。
B8の階層へ下りるとすぐ、大きな扉がオレたちを迎える。この先へと進めばもう逃げ道無し。
この階層はB4と似た地形で、扉の先は広い一本道の通路で構成され、大抵はゴブリンキングがボスモンスターとして君臨し、そのボスの指揮下の元で、待機している様々な魔物と対峙する階層になっている。
待機している魔物数も20〜30体は生息しているらしく、普通は一チームで戦う規模ではない。
しかも、B9へと続く道にも入り口同様に扉があり、その扉を開くにはゴブリンキングの討伐が必須だ。ただし、ゴブリンキングの討伐さえ成功すれば扉が開かれ、川越ダンジョン最下層=B10への扉が開かれる。
侵入前に扉の前で軽く確認を行う。
「侵入前にドローンの設定を確認。オレ以外のドローンは『先行偵察』から『個人追尾』に変更。それに加え『偵察優先』に設定変更」
「「「了」」」
ドローン用端末を使い、各自で設定変更しながら、ヒメから質問される。
「設定変更は、この先の作戦の為という認識で間違いございませんか」
「いや、どちらかというと、侵入後の安全性を考慮した設定かな。作戦自体は、ドローンで魔物の構成を確認して行うので」
「承知しました」
数分後、各自は設定が完了したようなので、この先へ侵入後の作戦を全員に共有した。
「なるほど。少しヒカル様に負担がかかりすぎる感はございますが、結実の可能性は高いと思われます」
「ヒメ、結実って?」
「アネゴ様、努力が実るということでございます」
「あー、なる」
取りあえず作戦自体に不満や不安はなさそうなので、この作戦で結構だ。
オレは扉に触れる。すると、ゆっくりと扉が開き始め、ドローンが侵入できる隙間ができると、オレに設定したドローンが扉の奥へと侵入し消えていく。
数秒経過した後、侵入先の映像がドローンから届く。
おお、この先のフロアは、予想以上に広いな。ほぼ正方形のフロアで、幅はおおよそ100M、奥行きは200M位か。
しかも、かなりの数の魔物が待機している……。
ざっとみた感じ、最奥にゴブリンキングが君臨し、その周辺にゴブリンアーチャー×10、ゴブリンウィザード×10、ホブゴブリン×16、ゴブリン×20といったところか。
かなりの数だ。
正直なところ、これは一パーティーが対峙していい数ではない。
それよりも気になったのは、最奥に君臨するゴブリンキングを起点に、扇が広がるように魔物が配置されていることだ。
しかも配置が絶妙だ。オレがゴブリンキングなら、おそらくこれに近い配置をしているだろう。
最奥:ゴブリンキング。
その手前左右:ホブゴブリン2体×2
その先の構成は……。
ゴブリンアーチャー3体×2
ホブゴブリン2体×2
ゴブリンウィザード2体×2
ホブゴブリン2体×2
ゴブリンアーチャー2体×2
ホブゴブリン2体×2
ゴブリンウィザード3×2
ホブゴブリン4体×2
ゴブリン10体×2
かなりの数の魔物が配置されている。しかも、これって鶴翼の陣だよな。
そんな情報はなかったんだけど。毎回配置や攻撃方法が変わっているのか……。
「ねえ、ヒカル。この数ヤバくない?」
「思った以上に数が多いな……」
そう言いながら作戦を思案する。
いくつかのパターンを考え、それぞれのメリットとデメリットを精査し、最終的にオレが辿り着いた作戦をパーティーメンバーに共有する。
「それって、ヒカルだけリスクが高くない?」
「わたくしもそう思います」
「ヒカルっち、勝算はあるの?」
えっ? そんなに無茶に感じているのか? 心配してくれるみんなの気持ちに、オレはなんだかほっこりする。
「おそらく、これが一番勝算がある。というより、オレの中では一番安全じゃないかと考えてる」
「それなら……異存はないわ」
美玖が答え、他の二人もうなずく。全員が納得したので作戦は確定した。
いよいよB8攻略を決行だ。




