『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』02
『システム:先日告知した通り、明日のメンテナンス開け1時間後に、正式サービスを開始します。7つの王国が解放されます。国家選択後は各国の各地域でランダムスタートとなります』
『レベルは5まで低下。ステータスは振り直し。職業は一般人に戻ってますが初期5職業にその場で変更可能』
『装備はナイフと普通の服セットに変更。職業選択後に該当する初期装備をストレージに追加で転送します』
『ベータ参加特典として、初期ストレージ数を10から30に無料で拡大します』
『新規登録者は……』
~~~アカネ~~~
「……」
辺りを見回すが、周囲が海に囲まれている海岸に到着したことしかわからない。後ろを見たら道というか、樹木があるので完全に孤島だとは思いたくない。
ゲームの正式サービス開始1時間前にメンテナンスが開けた。部活のメンバーとどこの国家で遊ぶか相談し、マーキュリ王国で集まろうと決めていたので、選択した後はロビーでお話しながら開始を待った。
それぞれの国家名はマーキュリとかヴィナスみたいに惑星っぽい名前だったけど、その中に地球はなかった。もし地球があったら、みんなそこに集まって偏りが出るからかな? 多分、転生前の学校があったあの空間が地球なんだろう。
その後、開始時間になったら、自分を含む周りの人が全員光に包まれて転送された。
ランダムとはいえ、王国スタートと言うくらいだから街中に飛ばされてすぐに会えるだろうって話してたんだけど、完全に当てが外れた。
フレンドリストは真っ白になっているから、チャット全てが使用しても読んでくれる人はいない。なお、このゲームは他のVRMMOと同じように全体チャットは存在しない。
部員は全員リアルフレンドだからログアウト、またはパブリックタウンに戻れば連絡は取れるんだけど、現在地がわからない以上は場所を決めて落ち合うことも難しいよね。
「とりあえず、一度ログアウトかな」
ゲームからログアウトして、パブリックタウンの自宅に戻る。シーポンで部活のグループに入る。
アカネ:見渡す限り海だー!
アオナ:どこかの洞窟内だった。
コガネ:お、1年も来たか。
ミク:ふたりとも無事かー?
アオナ:わかりません。
アカネ:海しか見えません!
ミク:無人島?
アカネ:そこまで探索できてないですけど、周囲270度くらいは海です。
モエギ:私は無人島だったよ。
ギンガ:山の上だった!
ミカン:同じく山の上。雪のおまけつきだけどな!
ミク:初期装備で雪山って生き残れるんよ?
ミカン:継続ダメージ入るっす。初期からムリゲー。
シホ:私のところからは雪山が少し離れた位置に見えたわね。
ミカン:その雪山がうちの雪山とは限らないしなぁ。
ミク:しほちーはどこにでたんよ?
シホ:森と川ですね。初級精霊が呼び出せるから人里は行けそう。
コガネ:あー、召喚系は良いよね。
ミカン:精霊が良くてもシホは方向……。
シホ:んん?(圧)
ミカン:あっ――無人島系は大変だなー。
アオナ:モエギ先輩って飛んで移動できませんか?
モエギ:それが、レベル下がって飛行時間に不安があるんだよね。
シホ:無人島で飛行レベル上げかしら?
モエギ:苦行プレイかー。
アオナ:休憩用の船作ってストレージに収納しつつ移動ですかね。
モエギ:木が生えてないんだよ……。
コガネ:終わったな。
ミク:一生そこなんよ。
モエギ:いや、どうにかするからね!?
キリ:ひと段落した。みんなどう?
シホ:キリ遅いわよ。みんな迷子ね。
コガネ:ふふふ、私は村発見済み。
キリ:私も、距離があるけど山の上から村らしき家を見つけた。
ミカン:なん……だと……。
ギンガ:ギンガも山にいるけど、なんもない!
キリ:こっちは周辺に木がない山だけど、ギンガの方はどう?
ギンガ:あるよ! あとで木がない方に進んでみる!
アカネ:ミク先輩どこなの?
ミク:言ってなかったか、木に囲まれた森なんよ。
シホ:私と近いかしら?
コガネ:アオナの洞窟が一番ハードそうだね。
アオナ:闇視があるから歩くのには問題ないけど、敵の強さ次第です。
チャコ:やほ~。
ミカン:お、ラスメン来た。
チャコ:ずっと真上に飛び続けたよ~。
モエギ:やっぱりその特殊能力はすごいよね。
コガネ:何か見つかったか?
チャコ:あたしが居た場所はほとんど森だったかな~。離れたところに雪山があった~。
ミカン:ナイス! 今うちが雪山に居るから、景色擦り合わせていいか?
チャコ:いいよ~。村や町も見つけたから~、方向は言えそう~。
シホ:私と反応違わない?
ミカン:あっ――いや、チャコは飛べるからな。
全員揃ったけど、結局バラバラなんだね。最初だけかもしれないけど、集まるのはまだ先になりそうだ。
ミク:じゃあ、ここでログ残しながらしばらくは各自で冒険なんよ。
コガネ:最終的にこの国の王都に行けばいいんかな。
ミク:部活としてのアチーブは全員集合!
アカネ:はーい。
ギンガ:はーい!
ミカン:チャコ、今からサッとログインして周辺情報確認して戻ってくるから待機よろ!
チャコ:は~い。他の人はどう~?
シホ:川はありました?
チャコ:あったよ~。下流に街があったはず~。
シホ:ありがとう、助かったわ。
[アカネ]じゃあ、がんばってねー。
[アオナ]そっちも、がんばって。
何人かがゲームにログインするので、私もログインすることにした。とりあえず、ステータス確認。
名前:アカネ 種族:獣人(猫) 年齢:15 性別:女
レベル:5 職業:無職 状態:正常
HP:35/35
MP:35/35
筋力:3
体力:2
耐久:3
敏捷:3
器用:3
精神:3
知力:3
魅力:3
感知:3
ステータスポイント:6
A:1 B:1 C:1
武器:ナイフ
防具:普通の服 普通のスカート 普通の靴
スキル:格闘1 回避1 走り1 跳躍1 鋭敏聴覚1 治癒魔法1 獣人魔法1
固有能力:暗視
特殊能力:子猫化
よっし! 特殊能力の子猫化はそのままだ!
これの存在を知ってから、治癒魔法を獲得する転生ルートを発見した後でも、何度も何度も転生を繰り返した。
子猫化(子猫になる。装備、所持品はストレージと別枠で収納される)
この神能力! これがあるだけでログインしたくなるゲームなのは間違いがない。ステータスは弱いしスキルも魔法も制限がかかるけれど、猫になるというのは、強さじゃないのだ。
数々の猫ゲームをやってきたけれど、ひとりで遊ぶゲームで猫になるのと友達と遊ぶゲームで猫になるのとはやはり別物。
なお、最初に情報ページで見たときは【猫化】だったんだけれど、取得したら【子猫化】って表示された。説明文は変わらないようなので、効果は変わらないと思う。
安心したところで、他のステータスを確認。完全に初期状態だ。ベータテストの経験を踏まえた上で、どうするか考えよう。
1年生同士で行動することが多かったから、それを基準に考える。蒼奈はヴァンパイアで魔法使い。茶子は妖精で探索兼魔法使い。銀華はドワーフで戦士だった。
前衛がやはり足りないから、近接戦闘が出来るキャラにする
回復は、蒼奈が光魔法で回復可能だけれど、回復特化のスキルではない。そのうち取得したいらしいけれど、蒼奈にとっては優先順位が低いらしく、治癒魔法持っている私が伸ばした方が効率は良い。
どのみち猫化でMP消費するから、そのためのステータスに偏るとは思う。
職業は治癒士。戦士系で治癒だと聖騎士方向で、治癒士だと格闘系の治癒職業が現れる。職業は適正と前提職業の経験があれば転職できる。戦士は後から取得することも可能なので、いまは治癒系格闘士を選べるように前提職の治癒士を鍛えていこう。
それじゃ、方針も決定したしステータス割り振るかー。
ある程度この話を進めたら、途中で一区切りして別ゲームに入るかもしれません。当面は合流までを区切りと考えています。MMORPGなのでレベル上げや生産に時間がかかる印象です。別ゲームをやってる間に裏でレベルを上げてもらうとか、そんな想定です。




