12月30日 歩き
今年も残り1日となった。明日の過ごし方を考えながら、今日も過去問を解いていた。
ー12月26日ー
俺たちが一通り話し終えると、寺崎がアイツが遅れるという連絡をもらったみたいだ。15分ほど遅れるらしく、俺たちは夕食会場に向かうことにした。
小野田「あー、楽しみだな」
寺崎 「そんなに?」
俺たち、7人は角を曲がろうとしていた。
小野田「そりゃあ、楽しみだよ」
寺崎 「それは、よかった」
横から聞こえてくる会話になんとくなく、聞き耳を立てていた。
小野田「美桜は、楽しみじゃないよ」
寺崎 「楽しみだよ。でも、どうなるかはわからないからね」
角を曲がった私たちは、直進していく。俺の後ろには、尚也が林と藤岡と楽しそうに話していたのだ。初対面なのに、なんていうコミュニケーションだ。初めて会うはずなのに、もう意気投合してる尚也を見ると、とても羨ましくお前たのだった。
小野田「そうだね。でも、このメンバーなら上手くやれると思うよ」
"ねっ、世田くん?"。急に、小野田からの質問が飛んできた。質問したと同時くらいに俺の顔を覗き込んできた。なんとか、首を縦に振ることで落ち着いた。
小野田「よかった。美桜は、世田くんと仲良くしてるの?」
寺崎 「えっ、私?」
どこか、気まずい雰囲気になり、寺崎から少し離れることにした。
小野田「うん」
寺崎 「世田くんとは、たまに話すよね?」
これは、同意じゃなくて脅しか?そんなことを頭に思い浮かべながら、無理矢理、返事をさせられた。寺崎美桜。コイツとは、昔から何とも言えない関係だった。それでも、アイツが仲良くしているのを見て、簡単に嫌いにはなれなかった。そう考えると、自分のクラスの人との関わりはどうしてもアイツ基準になってしまい窮屈な気持ちだった。
小野田「なんか、那奈が世田くんの話をよくしていたから」
寺崎 「そうなの?」
俺も寺崎と全く同じ気持ちになった。なんで、小野田とアイツがそんなに仲がいいのか?私にはわからなかった。
小野田「世田くんは、知ってる?」
俺 「何が?」
念のため、小野田に聞き返した。
小野田「私に那奈が話してたこと」
俺 「いやー、それは、全然知らないよ」
やっぱり、なぜ小野田とアイツがそこまで仲良くなっているのかが気になってしまう。
小野田「あー、そうなんだね。ちゃんと言わないとね」
私たちは、目的地の目の前についたみたいだった。