12月29日 鈴木尚也
今年も残り2日。残された日が少なくなっていく実感と新しい年への期待が入り乱れていた。どちらがということはないけど、来年度は、受験と大学の二つが待ち構えている。そうなると、アイツとの別れもそう遠くない。そうなった時に、俺はどんな気持ちでいるのだろうか?
ー12月26日ー
後ろからやってきた尚也は、小野田に向かって手をふっていた。明らかに、俺たちと違っていた。その場にいた寺崎たちも唖然としている。そりゃあ、あんなにイカついのがきたら、誰しもビビってしまうだろう。尚也という男は、小野田の近くまでやってきた。俺は、その様子を見守っていた。
尚也「どうも、はじめまして!」
俺 「はじめまして」
尚也「よかったよ。男子いて」
なんとか、愛想笑いを浮かべるのに必死だった。
尚也「君、なんていうの?」
俺 「世田優斗」
尚也の雰囲気に包まれそうだった。しかし、ビビらず自分の名前を伝えた。
尚也「世田くんね。よろしく」
俺 「よろしく。今回は、どうして来たの?」
ずっと、自分の中にらあった疑問をぶつけた。
尚也「俺、小野田の知り合いなんだよ」
俺 「そうなんだ。他の人は、知らないの?」
小野田の知り合いだけということで、今日来たんだ。凄い勇気だな。
尚也「うん。全く。だから、困るよね」
俺 「それなのに、よく来てるね」
ない髪の毛を触りながら、俺の方を見た。
尚也「小野田が来いってうるさくてね」
そうだったんだ。それにしても、小野田は、なんで誘ったんだろう?
俺 「たしか、野球部だよね?」
話題を変えた。
尚也「そうそう。野球興味ある?」
俺 「いや、あんまり」
尚也「あー、そっかぁ」
少し俯きながら、会話を続けた。
俺 「ごめんね、知らなくて」
尚也「ううん。大丈夫」
この子にとっては、野球が全てなんだろうな。俺にとって本が大事な様に。俺は、野球の話を続けた。
俺 「めちゃくちゃ野球上手いんでしょ?」
尚也「プロに行くようなピッチャーと比べたら全然だよ」
俺 「そうなんだ」
プロにいくレベルがどのようなものなかわからなかったからなんとも言えないけど、野球が上手いというのは確かなんだろう。やっぱり、スポーツや勉強ができるというのは、自分にとって、とても羨ましいことだった。




