12月28日 再会
12月26日から2日が経過したが、まだ忘れられない。それだけ衝撃的なことが多かったということだろうか?シャーペンを筆箱から取り出して、赤色の過去問を開き、問題を解く準備を始めた。
ー12月26日ー
小野田「あー、いたいた」
俺は、みんなの方に駆け寄っていく小野田を見つめた。たしか、小野田は寺崎と長い付き合いがあるんだっけな。俺なんかは、すぐ小野田と縁がなくなってしまったけど、こうして誰かと繋がっていることは大事なんだと言うことに気がつかされた。
寺崎 「元気してた?」
小野田「うん。なんとかね。美桜は?」
俺は、小野田の後ろから寺崎たちのことを見ていた。集合場所には、林と藤岡の二人もいた。ここにいないのは、山川と尚也という男性。そして、アイツだった。どちらも、電車で来るはずだから、俺の後ろからだろう。
寺崎 「私も元気だよ」
小野田「よかったー」
この感じ、いつか見たことがある。けど、それがいつの時かわからなかった。
寺崎 「遠かった?」
小野田「でも、そこまで遠くないよ」
小野田は、辺りを見渡しながら話し始めた。
寺崎 「それは、よかった。もうすぐしたら、那奈たちもくると思うよ」
アイツは来るのか。来たら来たで心配になる。
小野田「なんか、調子悪かったんじゃないの?」
寺崎 「そうなんだけど、頑張ってくるって」
なぜ、小野田はアイツのことを知っているのだろうか?疑問だった。
小野田「うーん。大丈夫かな?」
寺崎 「どうだろうな?復帰してから始めて調子悪くなったからなぁ」
寺崎の言う通りだ。完全に回復せず来て何か起きたら心配だった。
小野田「そっかぁ」
寺崎 「あれ?私、那奈のこと言ってたっけ?」
寺崎も疑問に思っていた様だ。
小野田「ううん。聞いてないよ。那奈から直接聞いたよ」
今の返しは怪しい。俺は疑った。たしかに、那奈と直接連絡をとることは可能だけど、俺たちに話したことすらないのに小野田にたくさん話すかな?俺だったら話さない。でも、病気のことを知っているとなると、誰かが言ったということになるのだろうか?
寺崎 「へぇー。そうなんだ」
小野田「そうなのよ」
すると、後ろの方から男性の姿が。坊主頭でイカつい眉毛。これは、噂の尚也というやつじゃないか。一気に胸が高鳴った。