12月12日 車内
昨日、兄と母と話をしていた際、図書館の話が出て、今日送迎してもらうことになった。普段通う図書館とは異なり、本の量が多い。ここからだと、約1時間以上はするのだった。最初から、軽快に飛ばしていた兄の車は、想像以上の速さだった。運転していた兄は、空気の入れ替えに、窓を少し開けた。
兄 「どうした?」
俺 「いや、別に」
少し肌寒さを感じた。これが、12月の寒さかぁ。涼しい風が車内に入ってきた。
兄 「てか、やっぱ外は寒いな。なんなんだろ、これ」
俺 「あぁ」
兄は、何か話したげだった。でも、何が話したいのかは、よくわからないでいた。俺が、窓を見つめていると、口を開いた。
兄 「どうだ、、、、。学校は?」
最初の質問が、まさかそれとはな。笑いそうになった。兄なりに、俺のことを気にしていることが伝わってきた。内心どう答えたらいいかわからない。
俺 「普通だよ。そっちは、どうなの?」
も、不安を悟られないように、すぐ質問を仕返した。
兄 「大学は、楽しいぞ。めちゃ遊べるし」
俺 「那由多は、遊ぶことしか考えてないだろ」
兄 「そんなことねぇぞ。もう、3年だしな」
兄なりにいろいろ考えてるのか?返答とは裏腹に疑問が残った。
俺 「就職、どうすんの?」
兄 「んー、わかんねな」
大学3年生といえば、来年のことを考えて、少しずつ考えて動き出す頃でもあった。
俺 「そんなんで、大丈夫なの?」
兄 「それが、今の困りごとだな。やりたいことなんてねぇけど、いつまでもダラダラできねぇだろ?」
そんなものなのかぁ。自分でも、大学生がどういうものなのかなんて想像がつかない。
俺 「そうね。どうやって、今後決めるの?」
兄 「今後?そんなもんわからないよ」
俺 「そうかな?」
これから先、兄がどうなっても、俺には関係ない。でも、みんなで
兄 「どうする?」
俺 「このまま、行こうぜ」
兄 「直進でいいか?」
俺 「あぁ」
兄 「あそこの図書館って本の量多いの?」
俺 「うん、多いよ。長野で一番じゃないかな」
俺たちが向かっていた図書館は、俺たちの家から、約1時間かかっていた。
兄 「ここかぁ」
兄 「そうそう」
やはり、目の前にすると、想像以上の大きさだ。横にいた兄は、あまりの大きさに絶句していた。兄は、図書館近くにあったパーキングに車を入れようとした。