12月11日 世田那由多
いつにも増して大雪だった。昨日の晴天とはうってかわってだったので少し驚いていた。俺は、リビングでこの前見た映画『野良猫』の作者、小山優が書いた『ワタナベ』を読んでいた。この本は、主人公の大人が子どもの頃に戻るというタイムリープ系の本だった。本を読んでいると、母が近くに来て、今日の昼飯の話をしてきた。
母 「今日、どうするの?」
俺 「今日は、家いるわ」
窓を見た、母は答えた。俺の昼食を準備するのがめんどくさい様子だ。
母 「そうね。それがいいんじゃない」
俺 「うん」
とても、自転車を漕いで、図書館に行こうとは思わなかった。
母 「志望校は、決まったの?」
俺 「まだ。本番次第で変わるし」
母 「行きたいところはあるんじゃないの?」
相変わらず、アイツみたいに俺の心の中にズケズケ入ってくる。
俺 「まぁね。でも、行けるかどうかわからないし。そんなに希望もないよ」
母 「そんなん言って。そういう適当なこと言わないでさ、もっと希望もってしないと。やりたいことも叶わなんよ」
やっぱり、アイツに似ていて腹が立つ。
俺 「うるさいよ」
母 「楽しんで生活しないとあっという間に人生なんて終わってしまうよ」
俺 「余計なお世話だよ」
俺は、持っていた本を置いた。
母 「待ってないでもっと行動しなよ」
俺 「わかってるって」
語気を強めた。
母 「そんな怒らないでよ。那由多も寝てるんだから」
兄の那由多は、大学生ということもあり、ほとんど家にいない。でも、大学が夏休みということもあり、久しぶりに帰ってきていた。兄とは、ほとんどしゃべらないだけに、帰ってきてもどう話をしたらいいかわかない。
俺 「那由多、何してんの?」
母 「知らないよ。上にいるから。話してきなよ」
俺 「なんでよ」
母 「暇でしょ?」
俺 「暇じゃねーよ」
ドン、ドン、ドン。階段がきしむ音がした。俺と母は、階段の方に目を向けた。噂をすれば、なんとやらというやつだ。
兄 「何話してんのー?」
何もなかったのかように、普通に俺たちの会話に入ってきた。兄は、俺と違い、とてもコミュニケーションにたけていた、
俺 「なんもしてねーよ。起きるの早いね?」
兄 「お前らの声、上まで聞こえるんだよな」
俺 「だってさ、、、」
俺は、母の方を見つめた。母は、黙ったままで上手く答えられないでいた。




