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【ダイエット編】40歳主婦160㎝60㎏の第四次身体再建計画  作者: ちよ【kindleペンネーム:白井ちよ】


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第十二話:宴会が終わった

# 宴会が終わった。その後


 宴会が終わった。


 長かった。


 我が家は田舎なので、近所にホテルや旅館がない。


 だから、親戚が里帰りしてくると、基本的には我が家に泊まることになる。


 古い日本家屋なので、部屋だけはある。


 問題は、布団である。


 都会なら、布団セットをレンタルするという手もあるらしい。


 しかし、ここにはそんな便利なものはない。


 というわけで、我が家の布団部屋から布団を引っ張り出し、干す。


 洗う。


 クリーニングに持っていく。


 コインランドリーにも行く。


 親戚が来る前から、すでに私はそれなりに動いていた。


 そして、もう一つ問題がある。


 部屋数はあるのだが、冷房がちゃんと使える部屋は三つしかない。


 親戚が一斉に帰ってくると、全員を適当に部屋へ振り分けるわけにもいかない。


 そのため、


「今日はこちらの親戚」


 が帰った翌日に、


「今度はこちらの親戚」


 という具合に、入れ替わりながら泊まっていく。


 そんな感じで、約十日間。


 三組の親戚が里帰りしてくれた。


 毎年毎年、皆さん本当によくしてくださる。


 ありがとうございます。


 特に、娘と息子とたくさん遊んでくれて、ありがとうございます。


 お肉も。


 干物も。


 お菓子も。


 その他いろいろなお土産も。


 たくさんいただいた。


 大変おいしゅうございました。


 ありがとうございます。


 本当に、それしか言うことがない。


 ありがたい。


 ありがたいのだが。


 ステッパーは、どうなったか。


 まず、夫の兄弟の方々。


 この人たちは比較的近くに住んでいて、ちょくちょく顔を合わせる。


 なんなら毎月会っている。


 なので、私の警戒レベルは低い。


 このくらいなら、私は普通にステッパーを踏める。


「ステッパー買ったんだ?」


「あ、そうなんです」


 なんて話をしながら、私は普通に踏む。


 パソコンも普通に開く。


 普通に文章を書く。


 つまり、いつもの生活をそれほど変えずに済む。


 ところが。


 8月17日。


 義父の親族の方々が入れ替わりでやってきた。


 ここから、私のステッパー生活は静かに終了した。


 パソコンも、たまに別の部屋へ移動して、こそこそ打つ。


 ステッパーは、ほぼ踏まない。


 ……そう。


 私の心臓には、まだ毛が生えていなかった。


 親戚が家にいる状態で、堂々とステッパーを踏み続けられるほど、私はまだ図太くなかったらしい。


 まあ、仕方がない。


 そして私は、もう一つのことを諦めた。


 ダイエットである。


 いや、正確には。


 この十日間だけは、体重のことを考えないことにした。


 だって、おいしいものが出てくるのである。


 食べるしかない。


 8月13日、11,632歩。


 8月14日、7,198歩。


 8月15日、1,833歩。


 8月16日、1,137歩。


 そして8月17日、6,442歩。


 このあたりまでは、まだそれなりに動いている。


 しかし、ここから先は、ステッパーなし。


 そして宴会は続く。


 8月18日。


 娘と一緒に市民プールへ行った。ずっと前から約束していたからだ。


 一時間、ずっと泳いだ。


 これはもう、私の中では完全に運動である。


 この日はもう、


「はい、今日は運動しました」


 ということで終了。


 ちなみに、この頃は息子の園も始まっていたので、その間に娘の自由研究を一緒にやったりもしていた。図書館に行って資料を借りたり、材料が足りなくなって100均に行ったり。


 なんだかんだ、日常の仕事はある。義父の親族とは、朝と夕食時間以外は、基本別行動だ。久しぶりの近所の友人に会いに行ったり、思い出の場所に行ったり、畑に行ったりとエンジョイしていた。


 8月19日、6,145歩。


 この日は、なんだか身体が変だった。


 やりたくない。


 具合もいまひとつ。


 じゃあ、やめよう。


 休もう。


 8月20日、5,682歩。


 毎月恒例の体調不良もやってきた。


 はいはい。


 もう休もう。


 8月21日、6,749歩。


 8月22日、6,410歩。


 この日は地元のお祭りもあって、あちこち歩いた。


 こういうのはありがたい。


 自分から運動しようと思わなくても、イベントが勝手に私を歩かせてくれる。


 8月23日、2,562歩。


 ここから、歩数が一気に減ってくる。


 しかし。


 食べている。


 ものすごく食べている。


 8月24日、5,561歩。


 この日は、ものすごくおいしい焼肉を食べた。


 そして、ものすごくお腹が痛くなった。


 なぜなのだろう。


 おいしいお肉を食べると、なぜか私はお腹が痛くなる。


 でも。


 悔いはない。


 おいしかった。


 8月25日、9,020歩。


 この日は買い出しをしたり、村のバーベキューの準備をしたりして、家と外を行ったり来たり。


 こういう用事があると、意外と歩く。


 8月26日、3,995歩。


 この日は、実際にはもう少し歩いていたと思う。


 何しろ、スマートフォンを家に置き忘れたりしていた。


 だから、この数字はあまり正確ではない。


 そして、この十日間。


 私は掃除も最低限だった。


 親戚が泊まる部屋を使うことになれば、そこだけ急いで掃除機をかける。


 トイレとお風呂も、ざっと掃除する。


 普段ならもう少しやるところも、


「まあ、いいか」


 である。


 だって、宴会なのだ。


 寿司を三回食べた。


 焼肉を三回食べた。


 村のバーベキューでは、めちゃくちゃ食べた。


 お蕎麦を食べに行けば、天ぷらがついてくる。


 お祭りに行けば、屋台のものを五軒、六軒分くらい買って、みんなで少しずつ食べる。


 おいしい。


 実においしい。


 そして、私は思った。


 もう、いい。


 この十日間くらいは、体重のことを考えるのをやめよう。


 せっかく親戚が帰ってきてくれている。


 せっかくみんなで集まっている。


 ならば、楽しもう。


「こんなに食べちゃった……」


 と罪悪感を抱えながら食べるのではなく、


「うまい!」


 と食べる。


 私は、そのほうを選んだ。


 そして。


 宴会が終わった。


 恐る恐る、体重計に乗る。


 61.0kg。


 ……。


 あれ?


 減ってる。


 62.0kgから、61.0kg。


 まさかの1kg減。


 どういうことだ。


 あれだけ食べたのに。


 寿司を三回食べて。


 焼肉を三回食べて。


 バーベキューも食べて。


 天ぷらも食べて。


 屋台も食べて。


 お土産のお菓子も食べた。


 それなのに。


 減っている。


 なんというミラクル現象。


 もちろん、体重というものは一日の食事や水分、排泄などでも変わる。


 だから、この1kgをそのまま「痩せた!」と喜んでいいのかは、まだわからない。


 それでも、少なくとも私は思った。


 宴会前に、ステッパーを踏んでおいてよかった。


 そして、もう一つ。


 今回、食べることに罪悪感を持たなかったのも、よかったのかもしれない。


 私は、食べすぎたと思って、


「やばい」


「太る」


「食べちゃった」


 と罪悪感を抱えながら食べると、どうもその後の調子が悪い。


 逆に、


「うまい!」


「楽しい!」


「今日は食べるぞ!」


 と振り切って食べたほうが、私の場合は妙に引きずらない。


 これは何なのだろう。


 脳内で何かが起きているのだろうか。


 ストレスなのか。


 自律神経なのか。


 それとも単純に、食べたことを後悔している時間が長いだけなのか。


 そこは、まだ私にはわからない。


 


 8月17日から、ステッパーを踏んでいない。


 そろそろ、踏もう。


 よし。


 宴会も終わった。


 親戚の皆さん、村のみなさん、今年も本当にありがとうございました。


 たくさん食べました。


 たくさん笑いました。


 子どもたちとも遊んでもらいました。


 そして私は、1kg減っていました。


 ……よくわからない。


 でも。


 とりあえず。


 ステッパー、再開します。


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